今週初めの3月6日(日)のNHK・Eテレでの「クラシック音楽館」・・・
新聞のテレビ番組表には「アルゼンチン・タンゴの巨匠ピアソラ大特集~アンコール放送」と記載されていたのですが、何故、クラシック音楽番組でタンゴなの?(まあ、これは番組の後半になって分かるのですが・・・)と、思いつつ2時間の番組を鑑賞してみました。
アストル・ピアソラと言えばタンゴ!的なことだけは知っていましたが、HIROちゃん自身、タンゴの熱烈な愛好家でもなければ、ピアソラに夢中になっている人間ではないのですが、「まあ、アンコール放送なので、たぶん良い番組だったんだろうから見てみよう・・・」くらいの感覚でテレビのスイッチを入れたのですが・・




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 今回の番組は昨年2021年7月18日にアストル・ピアソラ生誕100周年記念番組として放映されたものの再放送でした。
番組ではバンドネオンの小松亮太さんと、チャラン・ポ・ランタンのアコーディオン奏者、小春さんがピアソラについての進行役。バンドネオンについての説明や、楽しいトークの中で、番組では小松亮太さんの解説を中心に「タンゴとは何か?」では、タンゴ誕生の物語について、「タンゴは元々あった民族音楽などではなく、移民がゼロから作ったブエノスアイレスだけで流行したもの」・・・
また、タンゴのリズムはフォービート、ジュンバ、ハバネラ、シンコバの4つのリズムがあることなどなど・・・HIROちゃんにとっては「へぇ~~~タンゴってそうなんだ・・」と感心するばかり・・

 番組ではピアソラ誕生から亡くなるまでの数々のエピソードや、ピアソラのタンゴが時代と共に変化と言うか、進化していく中での彼の作曲した名曲が演奏と共に紹介されていきます・・・
時にはジャズの要素を取り入れたり、エレキ・ギターを採用し、ロックの要素を取り入れた楽曲。そして、それに合わせるようにピアソラの楽団について、結成しては解散を繰り返した、楽団の遍歴が紹介されるなど、いろいろなスタイルがあるのがピアソラの魅力であることが分かりました。ピアソラは、リズムは変えずに現代に合うようにタンゴを変えていったのですね~~
 しかし、彼の根底にあったのは「クラシック音楽へのあこがれ」だったようです。ここでやっと、ピアソラとクラシック音楽とが結びついた番組になっていきます。

 ヒラステラにクラシック音楽を学び、1951年に完成させたのが、オーケストラにバンドネオンを溶け込ませた楽曲「シンフォニア・ブエノスアイレス」です。作曲コンクールで1位になったという曲のようです。
この曲をオリジナルの形で全曲を2021年5月12日、東京オペラシティ・コンサートホールでアンドレア・バッティストーニ指揮/東京フィルハーモニー交響楽団/小松亮太&北村聡(バンドネオン)による演奏が、この曲の日本初演であり、今回放送されたのが、この時のライブ映像です。(CDでは5月16日のオーチャード・ホールでのライブ録音が発売されているようです)


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 この曲は、第1楽章:Moderato – Allegretto、第2楽章:Lento, con anima、第3楽章:Presto marcato で構成されています。番組ではリハーサル風景が少し流れますが、指揮者のバッティストーニは、バンドネオンの小松亮太さんと北村聡さんに「バンドネオンは、自由にやってください。ついていきますから・・」とか、「この曲はバンドネオンが主役なのです」と言っているのですが・・
確かに全曲を聴いていくと各楽章で、バンドネオンのソリが聴かれる部分はあるのですが、協奏曲のような主役ではなく、主役となる時間はとても短く、あくまでもオーケストラの一員としての楽器扱いのように感じなくもありません。(第3楽章では結構バンドネオンが活躍してはいますが・・)バンドネオンの2人はオーケストラの一番右側の奥の管楽器の前に位置しています。
バッティストーニは、「この曲はプロコフィエフや、ストラヴィンスキー、バルトークの影響を受けている」と語っていましたが、確かにそのような作風が感じられます。
特に第3楽章は豊かな色彩と、躍動感の溢れた素晴らしい曲だと思いました。

 なお、番組の最後では、クラシックの殿堂「コロン劇場」で演奏した、ピアソラの父に捧げた曲である「アディオス・ノニーノ」のブエノスアイレス交響楽団とのライブ映像が印象に残りました。


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今回の番組はアストル・ピアソラとその音楽を知る、良い機会となりました。
では、きょうは、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪