昨日、福島県いわき市の「いわき芸術文化交流館アリオス大ホール」で行われた、仙台フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会「New Year Concert .2022」に行ってきました。
新型コロナ感染症の影響で、コンサートも軒並み中止となり、生のコンサートに出かけたのは久しぶりです。いつも一緒にコンサートにでかけるM君ご夫妻と、S君、そしてHIROちゃんと、4人でコンサートに出かけたのは約2年ぶりとなりました。
「成人の日」の祝日と言うことや、新型コロナ感染症の再拡大などもあってか会場は空席が目立ちました。(感染防止のため、入場者を少し制限したのかもしれません) 入場の際にはアルコール消毒と共に、チケットの半券に氏名と連絡用の電話番号を記入しての入場でした。
今回の指揮者の田中祐子さんは名古屋市出身と自己紹介がありました。プロフィールの一部ですが、東京芸術大学大学院修士課程を首席修了、現在はフランス・パリ在住。日本オペラ協会などの公演でオペラ指揮者として実績を重ね、2018年4月から2020年8月までオーケストラ・アンサンブル金沢の指揮者を務めました。
久しぶりに聴いた生のオーケストラ・・・「あぁ~生の音はやっぱりいいな~~」
さて、最初のJ・シュトラウスⅡ&ヨーゼフ・シュトラウスのワルツや、ポルカ・・・・ニュー・イヤー・コンサートでのおなじみの曲ばかり・・・司会者と指揮者とのおしゃべりを加えた楽しいステージ。
演奏ですが、聴いた感じヴァイオリンの音が目立ち、低音部のチェロやコントラバスの音がかなり小さく、弦のバランスが悪く聴こえたのですが、・・これはメイン・ステージでのチャイコフスキーの交響曲第4番でも同じでした。(人員的にも第1ヴァイオリンがかなり多い)
喜歌劇「ジプシー男爵」より“入場行進”、ポルカ「浮気心」は楽しめました。
ワルツやポルカなので、まあ、気軽に聴いていたのですが・・・「ピチカート・ポルカ」の演奏途中で指揮者の田中祐子さんが突然の「仕掛け?」・・・演奏を途中で止めて長~い「休符」・・・曲が終わった後、団員に謝るようなしぐさをして、自ら「仕掛けました」と、司会者との会話の中で仰ったのですが・・・う~~~ん・・・と言う感じ・・・またヴァイオリンのピチカートが揃っていません。そのためかコンサート・マスターのヴァイオリンの音ばかりが、かなり大きく聴こえていました。
「鍛冶屋のポルカ」ですが、楽器に使用した金床は2011年の東日本大震災で被害を受けた三陸鉄道のレールを切断した物との説明がありましたが、とても綺麗な音です。ただ、残念だったのはステージの左右に分かれて2つの金床を鳴らしたのですが、リズムが少し合っていません。楽しそうに打つのは良いのですが・・・演奏としてはどうなのだろうか?
なお、この曲は日本では「鍛冶屋のポルカ」となっていますが、ドイツ語の原題は「耐火」の意です。これは1869年に耐火金庫を製造する会社が開いた舞踏会で演奏される曲として作られ、金庫の製造をするために鍛冶職人が金床を打つ音を模した曲なのです。
「エジプト行進曲」と、ワルツ「春の声」は楽しめました。
休憩後、メインの「チャイコフスキー交響曲第4番ヘ短調」を聴きました。
指揮者の田中祐子さん、指揮棒は持たれません。大きな動きで、かなりエネルギッシュな指揮に驚きです。
第1楽章から、ホルンのファンファーレで始まる序奏は良かったのですが、やはり第1ヴァイオリンの音が大きすぎて、弦楽器全体のバランスが良いようには思えませんでした。この楽章で見られる劇的な緊張感は良く出ていましたが、トゥッティになると金管楽器の強奏が目立ち、弦楽器のバランスもさらに崩れて聴こえます。チェロやコントラバスが聴こえません。特にチェロは5人で力いっぱい弾いているのですが・・・
第2楽章ですが、この楽章では哀愁に満ちたオーボエの主題が印象に残りましたが、欲を言えば、もう少し感情表現が欲しかったな~~~・・・と・・。
第3楽章ですが、“とりとめない幻想”を表現するピチカートのスケルツォですが・・・なぜかピチカートがあまり揃っていません。そのためか、最初のステージの「ピチカート・ポルカ」同様、コンサート・マスターの音ばかりが目立ちました。
最終の第4楽章ですが、一言で言うなら「力で押し切った熱演!」と表現しても良いくらいの凄い演奏!最後は体全体を使ったかなり大きなオーバーな動きで、指揮台から落ちそうになるくらいの興奮気味の大きな指揮・・・オーケストラも、これ以上の大きな音は出せない位の爆音! 管楽器は音が割れています! フィナーレは熱演というより爆演でした。
と、辛口に思われる勝手な感想を書きましたが、久しぶりに聴いたコンサート・・・
素晴らしいひと時を過ごすことが出来ました。
最後に安心してコンサートが聴けるよう、新型コロナ感染症が収束することを願いつつ、高速道路を運転して帰宅しました。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪