今回は前回に引き続き、シベリウスの交響曲第５番について、その２として手持ちの15種類の演奏のうち、残りの8種類のライブラリーを紹介します。
■パーヴォ・ベルグルンド/ボーンマス交響楽団 （1973）
■パーヴォ・ベルグルンド
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 (1986)
どちらも交響曲全集のＢＯＸとして購入したもの。
ベルグルンドは、この他にもヨーロッパ室内管弦楽団とも全曲録音していますが、この録音は持っていないので聴いていません。２つの録音とも基本的な演奏スタイルは同じように感じます。
HIROちゃんは、フィンランド（北欧）に行ったことはありませんし、北欧の音楽を多く聴いたわけではないので、北欧の雰囲気や、北欧らしい音楽と言っても良く分かりません。しかし、特にシベリウスの交響曲の初演をしているヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団との演奏が素晴らしい。他の作曲家ではみられない、シベリウス独特の雰囲気とは、このような演奏を言うのでしょうか・・・？大自然さを感じさせる第１楽章冒頭のホルンと生き生きとした木管・・そして細やかさを併せ持った豊かな音・・第２楽章は他の指揮者ではみられない繊細で、神秘的ともいえる情感が何とも言えない。第３楽章は、美しさと壮大さを持ったスケールの大きな音楽だ。
これは素晴らしい。このヘルシンキ・フィルとの演奏は決定盤とも言える１枚でしょう。
■ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団
ＢＯＸで交響曲全集を購入しました。これも名盤の一つでしょう。
全集の中では特に第７番が味わい深く秀演でが、この第５番も素晴らしい演奏です。全体的には美しいというより、情感のある表情豊かなスケールの大きなシベリウスです。バルビローリ特有のバルビ節とも言える、感情表現の大きな演奏です。ただし、「テンポの動きも大きく感情がこもりすぎて嫌だ・・」と、おっしゃる方もいるかもしれませんが、HIROちゃんは好きな演奏ですね。他の演奏と比較するためにも聴いていただきたい、お薦めの１枚とも言えます。
■コリン・デイヴィス/ロンドン交響楽団（ライブ盤） 2003年
デイヴィスの第５番は、ボストン交響楽団との演奏もありますが、これはロンドン交響楽団との１枚。ちょっと聴くと、どちらかというとあっさりした感じなのですが、ライブの割には音も良く、第１楽章などでは静寂感の中からもくっきりとした旋律が聴かれます。第２楽章は素朴ですが弦のピチカートにのった管楽器の音も美しい。終楽章の最後も充実した響きで、このディヴィス盤も素晴らしい演奏と言えるでしょう・・・
■レナード・バーンスタイン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1988年
ＤＶＤの映像なのでバーンスタインの指揮姿も堪能できます。全体的に遅めのテンポで濃厚な感情表現、そして壮大でスケールの大きな演奏です。
・・・シベリウスの交響曲というイメージから、少し異なるようにも聴こえますが、なかなか感動的な素晴らしい演奏です。
■ロリン・マゼール/ピッツバーグ交響楽団
マゼールは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との録音もありますが、これは持っていないので聴いていません。
このピッツバーグ盤のＣＤ、マゼールの「グレイト・レコーディングス」の３０枚組ＢＯＸの中のシベリウス交響曲全曲の中の１枚。元々、シベリウスが目的ではなく、クリーブランド管弦楽団とのベートーヴェン交響曲全９曲のために購入した、メッチャ安かった輸入盤セット。
このシベリウスの第５番ですが、全体的に過剰な表現はあまりありません。遅めのテンポです。繊細で抒情的な面もみられ、纏まりのある演奏だとは思います。
■サイモン・ラトル/バーミンガム市交響楽団
購入の予定にはなかったのですが、あまりにも価格が安かったので、つい、買ってしまった交響曲全集のＢＯＸの中の1枚。ラトルはベルリン・フィルハーモニーとの全集もありますが、これはバーミンガム市交響楽団との演奏。全体的に細やかな表現の演奏ですが、大袈裟なものではありません。まとまりのある聴かせ上手な演奏かも・・・
■渡邊暁雄/日本フィルハーモニーＯ
ステレオ録音で世界初の全集を録音した渡邊氏ですが、これは２度目の全集。フィンランドの血もひくと言われる渡邊さんですが、渡邊さんの演奏を特別にみている訳ではありません。この演奏は、全曲とも派手さは全く無くありません。第５番もそうです。全体的に丁寧な演奏で、超名演とは言えませんが、飽きのこない正統な演奏と言えるでしょう。
今回紹介した手元にある演奏の他にも、聴いてみたい演奏はあるのですがシベリウスの交響曲第5番は、紹介した15種類だけで、これ以上はライブラリーとして増えることは多分ないかもしれません。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪