きょうはEL34シングル・アンプ改造機(改造記)の少し長いお話です。・・・
写真のEL34(6CA7)シングル・アンプですが、実はこのアンプ、HIROちゃんがいつも行く理髪店の業務用のアンプです。開店から閉店までの1日約10時間、髪を切りに来たお客様の好みに合わせたジャンルの音楽を1日中流しています。そのため、お店には歌謡曲、軽音楽、映画音楽、ジャズ、ラテン音楽などなど多くのCDが置いてありますが、イージーリスニングを流すことが多いようです。
このアンプですが2016年に、お客様から頂いたとのことですが、どなたが作られたかはわからないとのこと。当時、壊れたのでHIROチャンに修理の依頼がきたのですが、中身を見てみると配線はどちらかと言うとゴチャゴチャのジャングル配線に近く、誤配線もあったので全て作り直したものです。2016年に作り直した時の回路は、それまでの回路を尊重し、EL34はUL接続のままにしました。
それから約6年・・・先日25日の木曜日の夕方に、店主から「左側の音が出ない・・・スピーカーの線がはずれているのかと思い確認したら、そうではなく左のドライブ管のヒーターが切れているようだ・・・」と携帯電話に連絡が・・・
ならばと・・・交換の球を持ってお店に出かけ挿したところ元に戻ったのですが、よく聴くと今度は右側からハム音が・・・
う~~~ん、これではHIROちゃんとしては気に入らないので、アンプは入院・・・6年近く業務用として酷使しているので、メンテナンスも兼ねて自宅に持って帰り直すことに・・・その間、代車ならぬ代アンプとして「843シングル・アンプ」を貸すことに・・・
こちらのアンプを持って行きました。
自宅でアンプの底板を外した写真がこれですが・・・(6年前の改造した時のHIROちゃんの配線・・あまり奇麗な配線ではありません)・・・全部点検したところ不具合はなさそうです。
26日の金曜日は用事があったので土曜日の午後に左右の6SN7を逆に挿し換えるてみると、今度は左側からハムが・・・なんてことはない…単純にどちらの球も駄目だったのです。(因みに2本ともロシア製)・・・家のストック球に交換するとハムは消えたのですが、せっかくなので、あらためて回路をUL接続から三極管接続(三結)に改造することにしました。土曜日の午後のうちに改造しましたが直ぐに終わりました。
それにしてもEL34という球は丈夫な真空管です。HIROちゃんが作り直してから、1日10時間つけっぱなしで6年たっても、へたれていません。今後も業務用として酷使するので、EL34のプレート電流を少なくして音の良い三極管接続とすることにしたのです。
改造は簡単。出力トランスのSGタップからの配線を取り除き、EL34のプレートと第2グリッドをつないで、カソード抵抗を変更すればOK。カソード抵抗は、あり合わせの430Ωに変更したところEL34の動作は下記のように軽くなりました。
Ep:250V、Ⅰp:46.5mA、-Eg:20V、Pd:11.6W
EL34の三極管接続の場合のEp-Ⅰpのプレート特性曲線から見た、-Egの動作点から少しずれていますが大きな問題はありません。
ついでにB電源部に500V100μFのケミコンを追加し電源部を強化。・・・あとはドライブ段の電圧調整をして改造は終わりです。
三極管接続により出力は小さくなりますが、業務用として酷使するため、球の長寿命化のためには、軽い動作の今回の方が良いと思います。
また、今回の改造によって音もすっきりとした爽やかな音になったと思います。
アンプの改造が終わったので昨日の開店前にアンプを届けに行ってきました。
「修理代を払うのでいくら払えばいいかな?」ということでしたが、「いらないよ~ また壊れたら予備の真空管はあるのでいつでも直しますよ~~」って・・・ほぼ新品同様の6SL7を2本と数本の抵抗交換、ケミコンの追加と、修理代あわせて0円・・・タダです。
これからも長く使っていただきたいアンプですね。故障したらいつでも直します・・・
参考に改造後の回路です。(電源部は省略)
ついでに・・・大根の話・・・
家庭菜園の大根が食べごろ・・・友人にも配っているのですが・・・
改造したアンプをお店に届けるついでに、朝早く畑に行って大根と水菜(京菜)を採ってきました。「全部置いていくからチョット少ないけど、髪を切りに来たお客さんにも差し上げて・・・」 とおいてきました。
そうだ・・・これから食べきれない時には、床屋さんに持って行って、来たお客様に食べてもらえば無駄にならないかも。。。!(^^)!
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪