今回は、ルイジ・ケルビーニ作曲の2つの「レクイエム」について紹介します。

今回の投稿は、このブログに引っ越す前のYahooブログの時、2015年月5月15日に投稿した「ルイジ・ケルビーニの合唱曲~2曲のレクイエムと荘厳ミサ曲~」の記事の抜粋に加筆し、一部再投稿するものです。

 

ケルビーニのレクイエムですが、トスカニーニやマルケヴィチなどが録音を残してはいますが、録音数も少なく、HIROちゃんのライブラリーは、下記のものだけで「ハ短調レクイエム」、「ニ短調レクイエム」、共に2種類しか持っていません。

 

レクイエム ハ短調(1816)

 アンブロジアン・シンガーズ

 フィルハーモニア管弦楽団、リッカルド・ムーティ指揮

 1980年7月17,18日、キングズウェイ・ホール、ロンドン録音

 

レクイエム ニ短調(男声合唱と管弦楽のための)(1836)

 アンブロジアン・シンガーズ

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、リッカルド・ムーティ指揮

 1973年9月24,28,29日、オール・セインツ教会、トゥーティング、ロンドン録音

 

この2曲は、ルイジ・ケルビーニの「生誕250年ボックス」、リッカルド・ムーティと、ネヴィル・マリナーによるCD7枚組の中の2枚です。

 

 

レクイエム ハ短調  -ルイ16世の追悼に寄せて-

エルヴェ・ニケ指揮

ル・コンセール・スピリチュエル(古楽器使用)

録音:2016年1月 ヴェルサイユ王室礼拝堂、フランス

 

この演奏は、欧州史に輝く名家の死者たちを見送った知られざる傑作群を集めたAlphaのBOXで、5枚組の「レクイエム集」の中の1枚。最近、発売されたばかりのBOXです。

 

 

レクイエム集から

ケルビーニ:男声合唱と管弦楽のためのレクイエム ニ短調
ダグラス・ボストック指揮、チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団

フラデク・クラーロヴェー男声合唱団、ボニファンテス少年合唱団

 

ブリリアント・レーベルのレクイエムばかりを集めた16枚組BOXの「レクイエム集」の中の1枚。

 

 

 二つのレクイエムのうち、混声合唱の「ハ短調レクイエム」は、ルイ16世追悼の為に作られた厳粛で劇的な名曲。ベルリオーズが激賞したといわれ、また、ベートーヴェンもこの曲を高く評価し、「自分がもしレクイエムを作るとしたらケルビーニのような曲を作りたい」と言ったというのは有名な話。しかし、ベートーヴェンは、生涯レクイエムは作曲しませんでした。(もし、ベートーヴェンがレクイエムを書いていたなら、どのようなレクイエムの曲になっていたのでしょうね・・・) そういうことがあったためか、どうかは分かりませんが、ベートーヴェンの葬儀に際して、このハ短調レクイエムが演奏されたようです。

「ハ短調レクイエム」ですが、楽章ごとの感想等は全部は書けませんが、この曲は一見、地味なレクイエムにも聴こえますが、「怒りの日 Dies irae」 などでは、かなり劇的な表現もみられます。特に「怒りの日」を告げる豪壮に鳴らされる金管楽器の強奏、そして迫力ある合唱が素晴らしい。

また、奉納唱(オッフェルトリウム)での激しいリズムによって地獄を描写した管弦楽、その後、ヴァイオリンの優しい響きと共に歌われる女声2部合唱・・・そしてテノールが加わり、清純さと天上的な3部合唱も素晴らしい部分です。

 実は、この曲、私が若い頃に所属していたアマチュアの合唱団の定期演奏会で、ピアノ伴奏でしたが全曲を歌った経験があるために、私にとっては思いいれのある曲になっています。

 

また、男声合唱の「ニ短調レクイエム」は、比較的珍しい男声合唱用のレクイエムですが、ケルビーニ自身の葬儀のために作曲されたもので、実際に1842年の彼の葬式で歌われたようです。

 ケルビーニ晩年の作品ですが、男声合唱らしく力強さと重厚さがあり、「怒りの日」の激しさ、盛り上がり、また、「サンクトゥス」 の旋律などは、なかなか魅力があります。そして壮大な「アニュスデイ」・・・

聴く方によっては、混声合唱の 「ハ短調レクイエム」 より、こちらを好む方が多いかもしれません。

最初に紹介したCDの中では、リッカルド・ムーティの演奏が、「ハ短調レクイエム」も「ニ短調レクイエム」、どちらも合唱のハーモニーを重要視した演奏で、実に聴きごたえがあります。

どちらのレクイエムもソロはなく合唱とオーケストラの演奏なので、純粋に合唱を聴きたいと仰る方にとっては、合唱のための美しいハーモニーが多く聴けるこの2曲はお薦めです。機会があれば、ぜひ2曲とも聞いていただきたい「レクイエム」です。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪