J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244

 

 

【演奏】

福音史家…ペーター・シュライアー(テノール)

イエス…エルンスト・ゲロルド・シュラム(バス)

ユダ、ピラト…ジークムント・ニムスゲルン(バス)

アリア…ヘレン・ドナート(ソプラノ)、ユリア・ハマリ(アルト)、

ホルスト・R・ラウベンタール(テノール)、ヴァルター・ベリー(バス)

カール・リヒター(指揮)/ ミュンヘン・バッハ管弦楽団・合唱団 

ミュンヘン少年合唱団/演出:フーゴー・ケッヒ

【収録】 1971年5月 ミュンヘン

 

バッハのマタイ受難曲というと、昔から名盤としてよく取り上げられるのが、ウィレム・メンゲルベルクと、カール・リヒターの演奏です。

メンゲルベルクの演奏は1939年4月2日のライブ録音、割愛部分が多く、録音も古いのですが聴衆のすすり泣きが聞こえるとか、世紀の名盤と呼ばれていてHIROちゃんもCDですが全曲盤の音源を架蔵しています。(LPも持っていますが抜粋盤です)

しかし、HIROちゃんにとってマタイ受難曲は、まだまだ全曲を理解していません。何度かは全曲をとおして聴いてはいるのですが、おそらくこの曲の1/10も理解していないでしょう。とにかくこの曲は単なる音楽ではなく、重く苦しく、そして悲しい・・この曲を聴いて感動して涙する・・と、いったことではなく、この曲自体を聴くことが苦痛なのです。

割愛部分なく全曲を聴くとなると、普通は3時間以上もかかる大曲!・・・重厚で重く苦しい音楽を長時間聴くには相当の体力も必要・・・

だからと言って、福音史家(エヴァンゲリスト)のレチタティーヴォ部分をカットすると受難曲としての意味の分からない曲になってしまう。 しかし、あまりにも長いこの曲を音楽として鑑賞するならば、合唱とコラールや、アリアだけを聴いてみるという方法もあって良いのかなと思います。

 

さて、カール・リヒターのマタイ受難曲ですが、アルヒーフの1958年のスタジオ録音(記事末尾のCD)をはじめ、1969年5月5日の来日公演、東京文化会館でのNHK録音によるライブ盤、そして亡くなる2年前の1979年録音があるのですが、今回紹介するのは1971年に収録されたDVDの映像作品。実はリヒターの映像によるマタイ受難曲があるのを知りませんでした。今回、プライスダウンして再発売されたことから、タワー・レコード通販で購入しました。

なお、HIROちゃんの手元には1958年のアルヒーフのCDはありますが、1969年の東京ライブ盤と、1979年盤は聴いたことがありません。

 

 リヒターの映像ですが、はじめに驚いたのがミュンヘン・バッハ合唱団の人数の多さ、ざっと見ただけでも80名以上で、ミュンヘン少年合唱団まで入れると軽く100名を超える大合唱団となっています。また、オーケストラも弦の数も結構多く、小編成ではありません。

全曲をとおしてリヒターの指揮姿の映像は非常に少なく感じます。(カラヤンの映像作品ではカラヤンの指揮する姿ばかりが強調されているのとは大違い・・・)

セッションでの録画ですが、合唱団は暗譜で指揮者のリヒターも暗譜で指揮をしています。写る映像は少ないのですが、リヒターの指揮に無駄な動きはなく、堅実な指揮といっていいでしょう。

 

3時間以上の演奏・・・何とか聴きましたが、前記のようにこの曲については、まだまだ理解していません。 ですから・・具体的に第何曲のコラールや合唱の演奏はどうのこうの・・・あのアリアの演奏の評価はどうのこうの・・・といった感想や評価はHIROちゃんにとっては大変無理な話です。 ただ、画面に日本語の対訳が出るのは曲を少しでも理解する上ではありがたい・・・

単純に全体を聴いた感じとしての評価?と書くとおかしいのですが、福音史家のペーター・シュライヤーをはじめ、ソリストなども好演でしょう。重厚、崇高、壮麗、圧倒的、迫真、緊迫感、情熱、感動などなど・・・どのような表現が良いのだろう・・・

 

まあ、この曲はバッハの曲をとてつもなく愛する方や、キリスト教に精通した方にとっては「絶対に聴かなければならない曲」のひとつかもしれません。(因みに我が家は天台宗の仏教でHIROちゃんは寺の世話人です)

HIROちゃんのこの曲のライブラリーは、今回のDVDを含め下記の11種類の全曲盤が手元にありますが、個人的には、カール・リヒターの1958年盤の1種類があれば十分だと思います。

 

■フリッツ・レーマン指揮/ベルリン放送交響楽団・合唱団

  ベルリン聖ヘドヴィヒ大聖堂聖歌隊

  フィッシャー・ディースカウ 他 (1949)

■オイゲン・ヨッフム指揮

 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

 ヘフリガー、ベリー、ギーベル、ヘフゲン 他 (1965)

■オットー・クレンペラー指揮/フィルハーモニア管弦楽団

 フィルハーモニア合唱団 他 (1960-61)

■カール・リヒター指揮/ミュンヘン・バッハ管弦楽団/合唱団

  ヘフリガー、フィッシャー・ディースカウ、

   ミュンヘン・バッハ合唱団 他 (1958)

■カール・リヒター指揮/ミュンヘン・バッハ管弦楽団/合唱団

 エルンスト・ヘフリガー 他 (1971) DVD映像

■メンゲルベルク指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ

 管弦楽団   他 (1938)

■カラヤン指揮/ウィーン交響楽団 他 (1950)

■カール・ベーム指揮//ウィーン交響楽団 

 フリッツ・ヴンダーリッヒ   他 (1962)

■フェルディナンド・グロスマン指揮/ウィーン・カンマーオーケストラ 他

■ゲーザ・オペルフランク指揮/ハンガリー国立管弦楽団 他 (1993)

■クレオバリー指揮/ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団

  (CD&DVD映像)

 

■カール・リヒター指揮/ミュンヘン・バッハ管弦楽団/合唱団 (1958年)

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪