今回紹介するブラームス交響曲全集は、membran の Quadromania (クアドロマニア・シリーズ)のCD4枚組の廉価盤BOX、このシリーズは今から15年くらい前に東京都内や横浜市内のJRや地下鉄の駅構内通路などでのワゴン販売でよく見かけたもの。 4枚組で980円だったと記憶しています。ワルター、トスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤンなどのモノラル録音が多く、著作権保護期間を経過したパブリックドメインの名盤と言われたものが多くありました。 また、比較的録音の新しいステレオ盤も結構多くあり、会社員時代の横浜に単身赴任中には、かなりの枚数を購入したので今でも多くのクアドロマニア・シリーズを架蔵しています。

 

 

CD1:ブラームス:交響曲第1番

CD2:ブラームス:交響曲第2番

CD3:ブラームス:交響曲第3番、「大学祝典序曲」Op. 80

CD4:ブラームス:交響曲第4番

ハンス・スワロフスキー(指揮)、南ドイツ・フィル

 

 さて、今回紹介するブラームスの交響曲全集ですが、ハンス・スワロフスキー指揮/南ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団による演奏・・・しかし、南ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団は現存しない、いわゆる幽霊オーケストラのようです? バンベルク交響楽団などの団員によって設立された録音専用のオーケストラとの情報もあるようですが良くわかりません。

ハンス・スワロフスキーのブラームス交響曲の何曲かは過去に日本コロンビアなどから発売されていたようですが、この4枚組は第1番~第4番の全曲のBOXになっていて、ハンス・スワロフスキーの演奏を知るには貴重な全集と言えるかもしれません。

 

 ハンス・スワロフスキーについてですが、タワー・レコードのプロフィールや、Wikipediaから引用して文章をつなげてみました。

 

<1899年9月16日、ブダペスト生まれの指揮者。1975年9月10日没。シェーンベルク、ウェーベルンに音楽理論を学び、ワインガルトナー、R.シュトラウスに指揮を師事。シュトゥットガルトを振り出しに、ハンブルク、ベルリン国立歌劇場、チューリヒ歌劇場の指揮者を歴任。第2次大戦後は1948年からグラーツ歌劇場の音楽監督、1959年からはウィーン国立歌劇場の指揮者も務めた。1946年からウィーン音楽大学の指揮科の主任教授を務め、指揮法の「名教師」としても名高い。門下にクラウディオ・アバドや、マリス・ヤンソンス、ズービン・メータ、アダム・フィッシャー、ブルーノ・ヴァイルら、日本人の指揮者では尾高忠明や、湯浅拓雄、矢崎彦太郎、大町陽一郎、久保田孝、本多敏良、伴有雄らが師事しています。>

 

 今回の全集ですが、聴いた感じオーケストラの弦の数は少なめで編成は大きくないようです。全曲ともステレオ録音ですが、録音年月は記載がないので不明です。音が少しこもりがちで録音はイマイチ・・・元々の録音が良くないのか、安物CDのためかどうかはわかりませんが、この手のものとしてはマズマズと言ったところでしょうか。

 

演奏の評価ですが・・う~ん・・・何と表現すればいいのでしょうか・・

第1番ですが、第1楽章はややゆっくりとした、小節ごとに少しかみしめるように進んでいき、細部にこだわった表現は細やかにも感じるのですが、流麗ではなく少し不思議な感覚。 かと思えば第4楽章ではフレーズの途中から突然テンポが早くなったりと、部分的にテンポ設定に違和感があります。しかし全体的には力強さも感じられる悪くない演奏だと思います。

 

第2番ですが、この全4曲の中では最も落ち着いた堅実な演奏でしょうか?・・、悪く言うなら少し平凡な演奏。しかし、どちらかと言うとしみじみとした地味な演奏ですが、伸びやかさと快活さを感じる、まあ飽きのこない普通の演奏でしょう。

 

第3番はHIROちゃんにとってはブラームスの交響曲の中では最も聴くことの少ない曲です。聴き流し位の気分で聴いたのですが、第1楽章からあまり気持ちの乗らないような演奏。しかし第2楽章のクラリネットとファゴットのひなびた旋律や、第3楽章でのチェロの旋律や中間部での長調部分では結構美しい表現です。第4楽章は第1楽章同様にイマイチ気持ちが乗らない演奏でしょうか・・・

それに比べ、カップリング曲の「大学祝典序曲」の方がノリが良く、オーケストラは、かなり粗いのですが、力強く、これは良い演奏だと思いました。(交響曲ではありませんが、このBOXの中では最も良い、聴きごたえのある演奏と言えるでしょう。)

 

第4番ですが、一気に4曲を通して聴き続けると結構疲れてきて、聴く真剣さも薄くなってきます・・・

従って曲の感想もいい加減になってきますが・・・全体的に重さを感じる硬めの演奏でしょうか、オケも粗く流麗さはあまりなく、地味で少し頑固さを感じる演奏ですが、悪くない演奏でしょう。

 

全曲をとおして聴いてみると、どの曲も「推薦」出来る演奏とは言えませんが、ハンス・スワロフスキーの指揮したブラームスの交響曲全4曲が聴けるCDは、今のところ市場には見当たりませんので貴重な音源だと思いますし、結構、興味深く楽しみながら聴けました。

 

会社員現役時代に駅売りで購入した安売りCDですが、このクアドロマニア・シリーズ4枚組のCDは音はイマイチですが、時々取り出して昔を思い出しながら名盤?の多くを聴いています。

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。  (^^♪