今回紹介する曲は古典派のウェーバー、モーツアルト、クルーセル、シュポーア、コジェルフ、クロンマーのクラリネット協奏曲9曲を収めたBrilliant Classics のCD3枚組のBOX (現在は廃盤のようです)
いつ頃購入したのか記憶にあまりないのですが、なぜかセールで購入してから、ほとんど未聴のBOXでしたので聴いてみました。
いずれの曲も、この時代の代表するクラリネット協奏曲と言って良いでしょう。クラシック音楽でのクラリネットの名手と言えば、カール・ライスター、リチャード・ストルツマン、ポール・メイエ、それに女性奏者のザビーネ・マイヤーと言ったところでしょうか・・・ 今回のCDでは、モーツアルト以外の8曲の奏者は全てエマ・ジョンソンです。
エマ・ジョンソンは、1966年のロンドン生まれのイギリスを代表する女性クラリネット奏者、ケンブリッジ大学で英文学と音楽を学んだようです。
ジョンソンのクラリネットは、特に高音に硬さが感じられますが、優美な演奏だと思いました。
なかでもウェーバーの協奏曲第1番では、冒頭の重厚で力強いオーケストラの序奏に続く、クラリネットの憂いのある表情や、第2楽章での旋律の歌わせ方、第3楽章での軽快さが印象的に残ります。
第2番は長調の曲ですが第2楽章では憂いを感じる短調のロマンス・・、クラリネットの技巧さや、第3楽章のコーダにおけるクラリネットも素晴らしいと思いました。
フィンランドの古典派の作曲家ベルンハルト・クルーセルの3曲の協奏曲は端正でありながら、技巧的に非常に難しく感じる曲ですが、正統で堅実さがみられる演奏。今回、これらの3曲を聴いてクルーセルのクラリネット協奏曲にはまり、とても好きになりました。
また、コジェルフの変ホ長調は、明るく軽快な曲ですが、ジョンソンの演奏ではチャーミングさも感じられ、とても魅力ある演奏です。
モーツアルトの協奏曲ですが、奏者のハルメン・デ・ブーアについてはBrilliant Classics から何曲か発売されていますが、よくわかりません。
モーツアルトのクラリネット協奏曲というと、カール・ライスターや、古いところだとレオポルド・ウラッハなどの名盤に聴きなれてしまっているせいか、演奏はイマイチ・・・
ウェーバーや、モーツアルトのクラリネット協奏曲は大変有名で、よく聴かれる曲ですが、同じ時代の他の古典的クラリネット協奏曲を聴いてみるのには良いBOXだと思いました。
【CD1】
■カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826)
・クラリネット協奏曲 第1番 ヘ短調oP.73
ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮/イギリス室内管弦楽団
・クラリネット協奏曲 第2番 変ホ長調oP.74
ジェラード・シュワルツ指揮/イギリス室内管弦楽団
■W・A・モーツアルト(1756-1791)
・クラリネット協奏曲 イ長調 K622
クラリネット/ハルメン・デ・ブーア
レフ・マルキス指揮/ニュー・アムステルダム・シンフォニエッタ
■ベルンハルト・クルーセル(1775-1838)
・クラリネット協奏曲 第1番 変ホ長調oP.1
・クラリネット協奏曲 第2番 ヘ短調oP.5
・クラリネット協奏曲 第3番 変ロ長調oP.11
ジェラード・シュワルツ指揮/イギリス室内管弦楽団
【CD3】
■ルイ・シュポーア(1784-1859)
クラリネット/エマ・ジョンソン
ジェラード・シュワルツ指揮/イギリス室内管弦楽団
■レオポルド・アントニーン・コジェルフ(1747-1818)
・クラリネット協奏曲 変ホ長調
クラリネット/エマ・ジョンソン
ギュンター・ヘルビッヒ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
■フランツ・クロンマー(1759-1831)
・クラリネット協奏曲 変ホ長調 oP.36
クラリネット/エマ・ジョンソン
ギュンター・ヘルビッヒ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪