最近、完成したUV-211シングル・アンプですが電源トランスの容量の関係で211の動作を軽くしています。
前回にも書いていますが出力管の動作は下記のとおりです。
Ep:851V Ip:40.8mA -Eg:-49V Rk:1.2KΩ
RL:7KΩ(14KΩ) Pd:34.7W
ドライブ回路は5691(6SL7)または5692(6SN7)兼用となるように回路定数を決定しています。
無帰還アンプでバイアスも211アンプにしては浅いのでドライブも楽です。5691(6SL7)のパラ接続1段で十分にドライブできています。しかし5692(6SN7)を使った方が入力感度は低くなりますが出力も若干大きくなり、オシロスコープによる観測でも高域での波形はきれいです。
プリアンプ(コントロール・アンプ)を使用するので入力感度が低くても特に問題はありませんが、今回は6SN7を使用し、入力トランスを繋いでみました。
これらのトランスは、主にトランス結合のパワー・アンプの入力外付け用として小型のシャーシBOXに組み込んだものです。すべてタムラ製で30年以上も前に購入したものばかりで、現在では入手困難なトランスばかりだと思います。(もし入手出来ても1個数万円はするかも?・・・)
■TKS-27 (150Ω. 200Ω. 300Ω :100KΩ)
■TKS-50 (600ΩCT. 10KΩ :50KΩ)
■TK-133 (10KΩCT :50KΩ)
プリ(コントロール・アンプ)は、WE-407Aを使用した自作アンプです。
RCAのピンコードはOFC材の安物品です。
今回はTKS-50の1次側10KΩを使用しました。
この使い方だと入力感度は6SN7でも最大出力約9Wに必要な入力電圧は約0.9Vとなり、感度が上がります。
さて、入力トランスを繋いだ場合の音の変化ですが、トランスと言うものは非常に不思議なものです。6SN7の場合、オシロの波形では10KHzでも方形波はきれいに保っているのですが、入力トランスを通すと5KHzで既に波形はだいぶ崩れてきて、10KHzでは、もはや方形波は完全に崩れています。それにも関わらず、スピーカーから出てくる音は何と素晴らしいことか・・・
このアンプは送信管らしい艶のある中~高音が特徴のひとつともいえると思うのですが、入力トランスを繋ぐと高音でのやや鋭さといったものがやわらぎ、疲れを感じない、しかも力感が増したような音に感じます。
と、言ってもHIROちゃんの耳は駄目耳なので、あくまでも適当な音の評価ですが、聴く音楽のソースによってドライブ管を換えたり、入力トランスを繋いでみたりと、十分楽しめるアンプに仕上がったと思っています。
今回の製作で最も驚いたのはハムの少なさ・・・211のフィラメントのハムバランサーは省略しているのにもかかわらず、スピーカーに耳を押し当ててもほとんどノーハムです。ハムバランサーを付けて接点を多くするより、20~30Ω程度の抵抗2本だけの方が部品代も安く上がりますし、個人的にはお勧めですね。ごくごく耳に聞こえないような小さなハムが音に大きく影響しているとは思えません。
クラシックを聴くことがほとんどですが、このアンプにはフルオーケストラの交響曲が最もあっているかな~~~
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪