2021/07/02
写真を1枚追加しました。(211のフィラメントの光が美しい)
電源部を見直し211の動作を変更しました。
UV-211シングル・アンプですが、電源トランスのB電源容量の関係上、総電流を90mA程度に抑えるため、電解コンデンサーの耐圧等も考え、プレート電圧を少し低めにしたのですが、211のEp-Ip特性曲線から見たバイアス電圧(-Eg)の動作点をみると少し動作点がずれています。
そこでEp-Ip特性曲線から見たバイアス電圧(-Eg)の動作点が出来るだけ適正になるよう、プレート電圧等を変更しました。
変更前(完成時)
Ep:805V Ip:37.5mA -Eg:-45V Rk:1.2KΩ RL:7KΩ
変更後(電源部の見直し変更後)
Ep:851V Ip:40.8mA -Eg:-49V Rk:1.2KΩ RL:7KΩ(14KΩ)
下記の図はプレート電圧850V、プレート電流40mAの場合、‐Egが約-50Vになることを示したものですが、今回の電源部の見直しにより、ほぼ適正な動作点となりました。
今回の電源部の見直し変更は、B電圧を上げるために電源トランスのB電源タップを360Vから400Vに変更、両端の800Vを整流後、390Ωを入れることにより、211のプレートとアース間電圧を900Vとしました。これによりRk:1.2KΩで-Eg:-49Vとなりました。
また、総電流が90mA程度になるよう、ドライブ管のB電圧についても6SL7と、6SN7の両方が挿し換えできるよう電源部の回路定数を再度調整しました。
なお、平滑回路に使用した電解コンデンサーは3個の350V100μFのシリーズ接続で、容量が少ないと思いますので、ここは3個とも全て後日入手予定の450V330μFに変更予定です。
手持ちの中国製の211ですが、GEのVT-4Cに挿し換えると、若干ですがプレート電圧が高く出るので、今回の変更にあたってはVT-4Cを使用し電圧を調整しました。
ドライブ管ですが211のバイアスが、-49Vなので6SL7のパラ接続で十分ドライブできます。今回は6SL7の高信頼管であるRCAの5691を使ってみました。
5691は6SL7と電気的特性は同等管ですが、プレートが6SL7よりかなり大きくなっています。そのためか、繊細さに力感が加わったように聴こえます。
出力ですがプレート電圧が高くなった分、少し大きくなり7.8Wとなりました。この時の入力電圧は約0.8V、出力1Wに必要な入力電圧は260mVでした。
なお、ドライブ管に6SN7(5692)を使用すると入力感度は低くなりますが、外付の入力トランスを使えばOKですし、プリ・アンプ(コントロール・アンプ)を使うことを考えれば使いやすいとも言えます。6SN7のパラ接続だとパワー・ドライブに少し近くなるのでしょうか・・・ (電流は少ないですがパワー感があります) 今回では出力が9W近くまで大きくなりました。
音の違いについて・・・
出力管の211ですが、音的には中国製の211でもGEのVT-4Cでも大きな差は感じませんでした・・・(駄目耳ですから・・・)個人的には安価な中国製でも十分だと思います。
ドライブ管ですが、これについては前にも書きましたが、6SL7は、やや繊細さがあり、6SN7は、やや力感がある・・・まあ、そんな感じでしょうか・・・
なお、今回のRCA5691はなかなか良いと思いました。
100Hz、1KHz、10KHzの方形波(矩形波)をオシロで観測してみました。1KHzでのオーバーシュートや、リンギングは全く見られません。無帰還のため低域の減衰が見られますが、高域はそれほどの減衰は見られないのですが、6SL7や5691では、6SN7より高域での減衰がやや早く見られます。6SN7だと10KHzでも方形波の形はほとんど崩れていません。
また、出力トランスの1次側ですが、今回の出力トランスは7KΩですが、2次側4Ω端子に8Ωスピーカーを負荷し、1次側を見かけ14KΩにした方が、音の輪郭がはっきりするような感じなので14KΩにしました。
あらためて変更後のシャーシ裏の配線の状態と、回路図を末尾に掲載します。(高電圧部分の配線には太めのビニル線に絶縁性の高いシリコンゴムのチューブを被せ、スパーク防止のため、シャーシから少し浮かすようにして配線しました)
回路は、いつもシンプル・イズ・ベストで、211のフィラメントにハムバランサーも付けていませんが、ノーハムといっていいでしょう。スピーカーに耳を押しあてても、無音です。(直流点火なら、これで十分)
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪