今年になってからHIROちゃんのこのブログでは、ヴァイオリンのアルトュール・グリュミオーについて、モーツアルトのヴァイオリン・ソナタ集と、グリュミオー・トリオによるモーツアルトの弦楽五重奏曲を紹介しましたが、今回はグリュミオーのベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全集についてです。
今年は、アルトュール・グリュミオーの生誕100年にあたり、フィリップスに録音した多くの音源がBOXや、アルバムで再発売されています。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタと言うと、シゲティー、メニューイン、オイストラフなどによる何曲かのLPや、CDを持っていますが、全集となると架蔵している音源は下記の6種類です。
■フリッツ・クライスラー(Vn)、フランツ・ルップ(Pf) 1935年~36年録音
■アルトュール・グリュミオー(Vn)、クララ・ハスキル(Pf) 1956年~57年録音
■クリスチャン・フェラス(Vn)、ピエール・バルビゼ(Pf) 1958年録音
■アイザック・スターン(Vn)、ユージン・イストミン(Pf) 1990~91年録音
■ピンカス・ズッカーマン(Vn)、マーク・ナイクルグ(Pf) 1982~83年録音
■クリストフ・バラティ(Vn)、クララ・ヴュルツ(Pf)
これらの演奏のうち、フェラス、ズッカーマン、バラティはベートーヴェン作品全集などのBOXの中のものですが、正直、まだ全曲は聴いていません。
グリュミオーとハスキルとのソナタ集ですが、フィリップス原盤のCDで第8番、第9番、第10番は持っていましたが、今回紹介するのはオランダ・フィリップスの原盤をオランダのBRILLIANTからライセンス発売された3枚組のCDで、2007年頃に発売されたものです。1956年から57年にセッションで録音されたモノラル盤です。この時代にはEMIやRCA、デッカからは既にステレオ録音がされていましたが、この録音はモノラルです。しかし音質は非常に良く鑑賞には問題ありません。一時期ですがフィリップスから疑似ステレオ盤も発売されていたようです。
・ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 op.12-1
・ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 op.12-2
・ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調 op.12-3
・ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 op.23
・ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 op.24『春』
・ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調 op.30-1
・ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調 op.30-2
・ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調 op.30-3
・ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 op.47 『クロイツェル』
・ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調 op.96
アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
クララ・ハスキル(ピアノ)
録音:1956年9月(2,3,8)、1956年12月(7,10)、
1957年1月(1,4,5)、1957年9月(6,9)
ハスキルとのモーツアルトのソナタでも言えることですが、グリュミオーのヴァイオリンは伸びやかで艶やかな美しさ、そして上品さと瑞々しい抒情性があり、美しい旋律が特徴でしょう。また彼のヴィブラートも大変美しい。ハスキルのピアノは、こちらもモーツアルトのソナタ同様、やや控え目ですがグリュミオーと絶妙なバランスをとった豊かな表現力が見られます。
HIROちゃんの個人的な感想ですが、この2人との演奏はベートーヴェンより、モーツアルトの方が合っているように思えるのですが・・・どうだろう?
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタというと、第5番ヘ長調「春」と、第9番イ長調「クロイツェル」が有名ですが、第6番イ長調、第7番ハ短調、第10番ト長調も好きな曲で、特にこれらの曲の第2楽章のアダージョがとても美しく癒されます。
このところ室内曲を聴くことが多く、暫くは続くかも・・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪