今回、紹介するのはバッハのゴールドベルク変奏曲です。
ゴールドベルク変奏曲については、あらためて説明の必要はないでしょう。くりかえしの指示を全て反復すると、おそらく90分くらいはかかる長大な曲。眠れない貴族のために作曲した曲ですが、長い曲なので飽きてしまい退屈で寝られるようになったのか・・それとも音楽的に精神が安定して寝られたのか・・
ゴールドベルク変奏曲の名盤というとチェンバロではなく、ピアノによるグレン・グールドの演奏が最も有名で、超名演と言われています。グールドのゴールドベルク変奏曲は1955年録音のモノラル盤と、1981年録音のデジタル録音の2種類をHIROちゃんは持っていますが、若い時代に完成された技術と、早めのテンポの躍動感のある1955年の旧盤・・そして強弱のはっきりした悠然としたテンポでグールドの鼻歌のようなうなり声が入った精神的な1981年盤、旧盤と比較すると全く異なる演奏ですが、どちらも文句なしの名盤・・グールドのゴールドベルク変奏曲は、もう語りつくされた演奏なので、詳しく述べる必要はないでしょう。しかし、これらの演奏・・素晴らしい名演だけに聴いていても眠くなりません。何故か構えて聴いてしまうのです。
■ピアノ: グレン・グールド (1955年録音/モノラル)
■ピアノ: グレン・グールド (1981年録音)
個人的な好みですが、この曲はチェンバロで聴きたいと思うことが多い。チェンバロによる演奏だとピアノとは楽器の構造が異なり、音の強弱は付けられません。装飾音や、節回し、テンポなどで曲想が表現されるのですが、ピアノで聴くのとチェンバロで聴くのでは全く別の曲のようにも感じます。(グールドの演奏との比較だからか?)
チェンバロの演奏では手元に下記の5種類があります。
■チェンバロ: カール・リヒター
カール・リヒターはアルヒーフにステレオ録音も残していますが、HIROちゃんの持っているリヒター盤はデッカに録音したモノラルのLPレコードです。
このLPレコードは、初めて購入したゴールドベルク変奏曲なので思い入れがあります。キングレコードから発売されていた1,000円の盤です。(学生時代から社会人になった頃は、もっぱら1枚1,000円から1,300円の廉価盤LPを専門に?購入していました)
ステレオ盤は残念ながら聴いていませんが、このモノラル盤も正統なバッハが聴けます。
■チェンバロ: グスタフ・レオンハルト
ハルモニア・ムンディのCD50枚組のBOXの中の1枚。しみじみとしたアリアがいい・・・
優美な節回しが印象的・・・名盤ですね。
■チェンバロ: ヘルムート・ヴァルヒァ
1958年から1962年にかけて録音したヴァルヒァのバッハ演奏CD13枚組BOXの中の1枚。これも文句なしの名盤。
■チェンバロ: ピーター=ヤン・ベルダー
ブリリアント・レーベルから発売されたバッハ大全集155枚組の中の1枚。1999年の録音で演奏は良いのですが、音が少し籠っていて音質はあまり良くありません。
■チェンバロ:クリティアーネ・ジャコッティ
多分、500円くらいで購入したPILZ JAPANの2枚組CD。まだCDが高価な頃にホーム・センターなどでワゴン販売していたもの。どんな曲なのかを聴くには十分な演奏でしょう。
ピアノの演奏ではケンプ、チェンバロの演奏ではアルヒーフ盤のカークパトリック、RVC盤のルージィチコヴァや、古いSP録音ではランドフスカなど、名盤と呼ばれるものもありますが、残念ながら、これらの録音は聴いたことがありません。
このゴールドベルグ変奏曲は1981年のグールド盤と、あとは好みのチェンバロ盤1枚の2枚があれば十分かもしれません。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪