今回紹介するのは、シャルル・ミュンシュが旧EMIと、エラートに録音を残した全集のCD13枚組のBOXです。1935年から1968年までの録音で78回転のSP録音の復刻盤が7枚、ステレオ盤が6枚のBOX、モノラル録音が多いとは言え、音は聴きやすい。これでタワー・レコード通販で税込み2,804円とは驚く・・CD1枚分の価格です。

 

 

 なぜ、このBOXを購入したかですが、単にミュンシュのベルリオーズ「幻想交響曲」は、ボストン交響楽団との演奏しか手元になく、パリ管弦楽団との演奏を聴きたかったこと。そしてパリ管とのブラームスの交響曲第1番はLPレコードはあるのですがCDでも欲しかったためです。

 

 さて、「幻想交響曲」ですが、実はベルリオーズは大の苦手・・他に「イタリアのハロルド」や「キリストの幼時」、「レクイエム」などの有名曲も持っていますが、一度聴けば十分・・という感じです。どうも性に合いません。まあ、クラシック音楽ファンなので有名な曲だけは聴いておこう・・という使命感?でベルリオーズを聴いているようなものです。

 こんなことを書くと、ベルリオーズの音楽が好きな方に叱られるかもしれません。この幻想交響曲は、確かにオーケストレーションも色彩的で、ティンパニの強打などによる力強い生命感や、全曲を通した緊張感、あるいは情熱といったものは感じるのですが、なぜか素直に心に響いてきません。まして描写音楽としてベルリオーズが書いた表題を読んで聴くと、余計にこの曲がなかなか理解しにくいので全曲を聴くのが結構苦痛です。HIROちゃんには文学的感受性もないので、多分、この曲はいつまでたっても好きにはなれないかもしれません。

 

 とは言え、「幻想交響曲」がお好きな方にとっては、ミュンシュの第一回目の1949年、フランス国立放送管弦楽団との録音盤と、パリ管の2種類の「幻想交響曲」が聴けるのがこのBOXの特徴で良いですね。

 

 一方、1968年録音のパリ管弦楽団とのブラームスの交響曲第1番ハ短調ですが、これは文句なしの名盤と言えるでしょう。第1楽章での雄大なスケール、第2楽章でのオーボエやクラリネットの美しい音色、情感のある第3楽章、そしてティンパニの素晴らしい表現と共にドラマティックな第4楽章・・素晴らしい!・・でも、このCD・・昔の東芝のLPレコードの方がHIROちゃんには生々しく聴こえます・・やはり、この演奏はアナログのLPレコードで鑑賞するのが最高かも。。。

 

 ミュンシュが現役を退いてから5年後、1967年に新生のパリ管弦楽団に復帰し、下記に書いたCD1からCD3の曲の録音を残してくれたことにクラシック・ファンとして感謝!

好き嫌いは別として、特に今回紹介したパリ管との「幻想交響曲」と「ブラームス交響曲第1番ハ短調」は、この曲の名盤として残るでしょう。

 

下記に購入先でもあるタワーレコードの通販サイトから、このBOX、13枚の曲目をコピーしました。

 

《CD1》
1) ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14,H.48、
[演奏]パリ管弦楽団
[録音]1967年10月21-28日、パリ、サル・ワグラム、
2) ラヴェル:『ダフニスとクロエ』第2組曲 M.57b、
[演奏]パリ管弦楽団
[録音]1968年9月21,24,26,28日、10月2-3日、パリ、サル・ワグラム、


《CD2》
1) ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ M.19、
2) ラヴェル:スペイン狂詩曲 M.54、
3) ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調 M.83、
4) ラヴェル:ボレロ M.81、
[演奏]ニコール・アンリオ=シュヴァイツァー(ピアノ:3)、パリ管弦楽団、
[録音]1968年9月21,24,26,28日、10月2-3日、パリ、サル・ワグラム、


《CD3》
1) ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68、
[演奏]パリ管弦楽団
[録音]1968年1月8,12日、パリ、サル・ワグラム、
2) オネゲル:『交響曲第2番』H.153、
[演奏]パリ管弦楽団
[録音]1967年12月28日、パリ、サル・ワグラム、


CD4》
1) サン=サーンス:『チェロ協奏曲第1番イ短調』Op.33、
2) ラロ:『チェロ協奏曲ニ短調』
[演奏]アンドレ・ナヴァラ(チェロ)、ラムルー管弦楽団、
[録音]1965年4月20,23日、パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会、


《CD5》
1) ルーセル:『組曲ヘ長調』Op.33、
2) ルーセル:『交響曲第3番ト短調』Op.42、
3) ルーセル:『交響曲第4番イ長調』Op.53、
[演奏]ラムルー管弦楽団、
[録音]1965年6月20-26日、パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会、


《CD6》
1) デュティユー:交響曲第2番『ル・ドゥーブル』、
[演奏]ラムルー管弦楽団、
[録音]1965年6月24日、パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会、
2) デュティユー:メタボール、
3) オネゲル:交響曲第4番『バーゼルの喜び』
[演奏]フランス国立管弦楽団、
[録音]1967年6月28日、パリ、メゾン・ド・ラジオ・フランス、


《CD7》
1) サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番ハ短調Op.44、
[演奏]アルフレッド・コルトー(ピアノ)、 セッション用オーケストラ、
[録音]1935年7月9日、ロンドン、アビイ・ロード・第1スタジオ、
2) ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.3-9,RV.230、
3) モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第7番ニ長調K.271a(偽作)、
4) フォーレ:子守歌、
[演奏]ドゥニーズ・ソリアーノ(ヴァイオリン)、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1939年3月14-15日、5月9日、7月6日、パリ、スタジオ・アルベール、


《CD8》
1) ブロッホ:ヴァイオリン協奏曲イ短調、
[演奏]ヨーゼフ・シゲティ(ヴァイオリン)、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1939年3月22-23日、パリ、スタジオ・アルベール、
2) ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 M.82、
[演奏]アルフレッド・コルトー(ピアノ)、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1939年5月12日、パリ、サル・プレイエル、
3) モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219、
[演奏]ジャック・ティボー(ヴァイオリン)、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1941年1月6日、パリ、スタジオ・アルベール、


《CD9》

1) オネゲル:オラトリオ『死の舞踏』
[演奏]ジャン=ルイ・バロー(語り)、オデット・トゥルバ=ラビエ(ソプラノ)、シャルル・パンゼラ(バリトン)、エリエット・シェーンベルグ(メゾ・ソプラノ)、
アンドレ・パスカル(ヴァイオリン)、イヴォンヌ・グーヴェルネ合唱団、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1941年3月27-28日、パリ、パリ音楽院、
2) オネゲル:交響曲第2番 H.153、
[演奏]パリ音楽院管弦楽団
[録音]1942年10月15-16日、1944年3月1日、パリ、パリ音楽院、
3) チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23、
[演奏]コンスティア・コンスタンティノフ(ピアノ)、パリ音楽院管弦楽団
[録音]1941年4月17,21日、1942年3月23日、パリ、パリ音楽院、


《CD10》
1) マルセル・ドラノワ:バレエ音楽『ガラスの靴』、
2) マルセル・ドラノワ:協奏的セレナーデ、
[演奏]アンリ・メルケル(ヴァイオリン)、パリ音楽院管弦楽団
[録音]1941年7月21-22日、パリ、パリ音楽院、
3) エルネスト・アルフテル:ポルトガル狂詩曲、
[演奏]マルグリット・ロン(ピアノ)、パリ音楽院管弦楽団
[録音]1941年10月27日、1942年3月31日、パリ、パリ音楽院、
4) リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124、
[演奏]ジョセフ・ベンヴェヌッティ(ピアノ)、パリ音楽院管弦楽団
[録音]1941年11月7日、パリ、パリ音楽院、
5) J.S.バッハ(ホフマン作):カンタータ『わが魂はほめ讃う』BWV.189、
[演奏]ピエール・ベルナック(バリトン)、室内管弦楽団、
[録音]1941年12月22日、パリ、パリ音楽院、
6) ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ M.19、
[演奏]パリ音楽院管弦楽団
[録音]1942年3月3日、10月8日、パリ、スタジオ・アルベール、


《CD11》
1) モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466、
[演奏]ジャン・ドワイアン(ピアノ)、パリ音楽院管弦楽団
[録音]1941年12月23日、1942年2月2日、パリ、パリ音楽院、
2) ドビュッシー:海、
3) ラヴェル・ラ・ヴァルス、
[演奏]パリ音楽院管弦楽団
[録音]1942年3月2日、10月8日、パリ、スタジオ・アルベール、
4) ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 M.82、
[演奏]ジャック・フェヴリエ(ピアノ)、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1942年10月8日、パリ、スタジオ・アルベール、


《CD12》
1) ギュスターヴ・サマズイユ:繰り返す時間、
2) ギュスターヴ・サマズイユ:夜…、
[演奏]エリエット・シェーンベルグ(メゾ・ソプラノ:1)、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1943年4月21日、パリ、スタジオ・アルベール、
3) アンドレ・ジョリヴェ:兵士の三つの嘆き、
[演奏]ピエール・ベルナック(バリトン)、パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1943年10月29日、1944年3月1日、パリ、パリ音楽院、
4) ルイ・オーベール:交響詩『ハバネラ』、
[演奏]パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1944年4月28日、パリ、スタジオ・アルベール、
5) ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73『皇帝』、
[演奏]マルグリット・ロン(ピアノ)、パリ音楽院管弦楽団
[録音]1944年6月11,18日、パリ、スタジオ・アルベール、


《CD13》
1) ショパン(オーベール編):バレエ『魅せられし夜』、
[演奏]パリ音楽院管弦楽団、
[録音]1944年4月15,28日、パリ、スタジオ・アルベール、
2) ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14,H.48、
[演奏]フランス国立放送管弦楽団、
[録音]1949年9月9日、パリ、シャンゼリゼ劇場、

【演奏】
シャルル・ミュンシュ(指揮)

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪