昨日、一応完成したUY-807プッシュプル・アンプですが、ドライブ回路の電圧がかなり高かったので、調整すると共に、ドライブ回路の定数を少し変更しました。末尾で回路図を紹介します。
あらためて完成したUY-807プッシュプル・アンプです。
電源スイッチはシャーシの後ろ側です。なお、入力部に音量調整用のボリュームがあったほうが、良いのですが、コントロール・アンプを使うのが基本なので、省略しました。入力ピンを差し込むときは必ず電源を切ってから抜き差しすれば大きな問題はありません。出力トランスにケースがあると良いですね。・・・ 気が向いたときにでも作ることにします。 まあ、このままでも良いでしょう・・・
今回のアンプは、最初の写真のように電源ON時のパイロット・ランプがシャーシについていません。807が送信管といってもフィラメントがトリタンではないので、光輝かないのでランプはあったほうがいい・・・
今回は、壊す前のアンプで採用したシャーシ内にLEDを付けることにしました。このLEDは、100円ショップの懐中電灯を壊して取り付けたものです。4個のLEDでアンプの袴の下から光が漏れる仕組みです。
部屋のうす暗い場所で電源を入れてみると、結構きれいに見えます・・・色付きだともっときれいかも・・
さて、回路図ですが、自宅にある中古品やストック品だけで1円もかけずに製作するので、特に設計時の定数にあった抵抗が揃うとは限りませんし、コンデンサーも耐圧不足だったり、容量不足だったりと、理想の定数では製作できません。特に抵抗値については近似値のありあわせのものを使用すると共に、シンプルな回路としているため、HIROちゃんの回路図は参考にはなりません。・・・
全体の回路図の紹介前に、ドライブ管と位相反転回路ですが、今回は5極3極複合管の6BL8を使用しました。いわゆるアルテック型のPK分割法を採用した単純な回路。ここでのドライブ管は6BL8とはソケット接続など異なりますが、6AN8や、6AW8などでも使用できます。当初は6AN8を使ってみようとしたのですが、5AN8なら結構手持ちがあったのですがヒーター電圧の調整が必要なので、今回は6BL8を使うことにしました。6BL8だと、ソケット接続が同じテレビ管の6U8(6U8A)がそのまま挿し換え可能です。ただし6U8は球によってノイズが出る場合があります。また6BL8ですが、この球は元々は高周波用に開発された球ですが、低周波増幅にも使えるため、昔は東芝からオーディオ用のHi-Fi用が売られていました。今回はこれを使います。海外の6BL8はオーディオ用に使うとバラツキも多くノイズで使い物にならない球もありました。
東芝製の元箱入りのHi-Fi 用6BL8と、6U8Aです。 国産球は今では貴重ですね。特にHi-Fi 用6BL8は今では入手困難でしょう。
さて、6BL8を使ったドライブ回路ですが、本来なら下記のように、PK分割部のプレート抵抗とカソード抵抗は51KΩを使いたかったのですが、3本しかなく1本足りません。そこで56KΩとし、また、下記に点線で示したデカップリング抵抗とケミコンは省略してしまいました。前段のプレート電圧とPK分割部のカソード電圧との差が-10Vとなりましたが、まあ大丈夫でしょう。
全体の回路図です。B電源部のケミコンは手持ちが少なく、壊す前のアンプを一部そのまま使用しました。ここでも手持ちの関係でパラにして容量を大きくしたり、シリーズにして耐圧を大きくしています。自宅にある部品だけで製作するのには、このような苦労もあります。ここ数年間は真空管や部品類は、ほとんど買っていません。
出力トランスは5KΩです。前回投稿したとおり、AB1クラスの自己バイアスでは9KΩが動作例なので、今回は2次側4Ω端子に8Ωのスピーカーを負荷し、見かけ1次側を10KΩとしました。
なお、回路図に示した電圧はドライブ管に6BL8を使った場合の電圧ですが、6U8(6U8A)をそのまま挿しても、各部の電圧は変わりますが、問題なく音が出ます。
ただし注意点は、6BL8と、6U8のヒーター・カソード間の耐圧です。規格表では6U8は90V、6BL8は100Vです。
今回は単純に807と一緒に片側アースですが、ここは出力管とは配線を別にしてヒーター・バイアスをかけるのが安全でしょう。今回のドライブ回路はかなり電圧を低くしていますが、十分にドライブできています。しかし、もう少し電圧をヒーター・カソード間の耐圧規格の範囲内に収まるように、高くしたほうが良いかもしれません。
最終的に回路定数等、回路を少し変更しました。最終的な回路図は、こちらです。
https://ameblo.jp/hirochan-amp/entry-12605285796.html
※訂正:上記回路図のB電源部のデカップリング抵抗4.7KΩは5W、10KΩ10Wは3Wです。訂正します。
なお、W数の表記がない抵抗は1Wです。ただし、B電源部でケミコンにパラった240KΩは2Wです。ここはそれほど高電圧ではないので、抵抗はなくても良いのですが、両ケミコンに同じ電圧がかかるようにするためのものです。単に500V耐圧のケミコンがなかったので、このようにしました。
お願い ----
さて、肝心の音についてですが、今回は回路図の通り、NFBの帰還抵抗は仮として15KΩで、とりあえず試聴しましたが、かなり低音が出ますし、高域までバランスの取れた音と言えます。 しばらくはこのままで聴いて必要あれば、もう少し変更してみたいと思います。
入出力特性ですが、最大出力は15Wくらいと予想したのですが、807のプレート電圧が低いのと、出力トランスでの損失もあり、13Wでした。その時の入力感度は1.2Vでした。初段でのバイアス・コンデンサーを省略しているので、やや低めの感度ですが、10W以上などでは聴くことがないので、全く問題ありません。
聴いた感じですが、やはりプッシュプルだと、同じ音量でフルオーケストラの交響曲などを聴いてシングル・アンプと比較すると、音には余裕が感じられます。特にテュッティでは素晴らしいものがありますね。
少し長い投稿文になりましたが、この続きはまたね・・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^.^)/~~~