昨年末に続いて完成した6BM8アンプですが、回路的には前回と全く同じです。今回はロフチン・ホワイト回路での直結アンプにしたかったのですが、電源トランスのB電圧が低かったので、CR結合としました。

 

 

 

前記のとおり、回路的には特に変わった箇所はありません。末尾に回路図を示します。

今回も新たに購入した部品は1個もありません。抵抗の一部を除き全て中古品を使いました。あり合わせの抵抗や、コンデンサーを使用していますので、前回とは定数が多少異なっています。

電源部は今回、トランスの関係で全波整流(ブリッジ整流)です。B電圧のタップに200Vがあるので、これを使うつもりでしたが、平滑用のケミコンの470μFの耐圧が250Vなので、出力が小さくなるのを承知で170Vのタップを使用。6BM8の動作例からプレート電圧180V程度で動作させることにしました。カップリング・コンデンサーは、もう少し小さな値の0.01~0.05位でも良いのですが、手持ちの関係で0.1を使用。  初段のプレート抵抗もあり合わせの180KΩを使用しました。5極部のカソード抵抗は適当な値の手持ちが無かったので、2つの抵抗をシリーズで繋いで使用しています。

 

NFBですが、出力トランスの2次側から初段のカソード抵抗にかけてみると、低域は伸びますが、中~高域の音が個人的には好みに合いません。臨場感に欠けるように聴こえます。

今回も前回同様、出力部のプレートと、初段のプレートに1MΩの帰還抵抗をつなぐだけとしました。このNFBで低周波発振器で100Hz、1KHz、10KHzの方形波(矩形波)を入れて観測すると、100Hzでは低域の減衰がかなり見られますが、実際に耳で聴くと低音も出ていてHIROちゃんにはバランスの良い音に感じました。中高域の不満は全くありません。10KHzの波形観測でも高域の減衰は若干見られるもののきれいな波形で、20KHzでも方形波の形は保っています。試しに昔のラジオの回路で良く使われていましたが、出力トランスの1次側に0.002位のコンデンサーをパラってみましたが、これだと高域が落ちてしまい面白くありません。

なお、波形観測ではオーバーシュートや、リンギングは見られませんでした。

 

 

この回路での6BM8の五極管部の動作は下記のとおりです。

 

Ep:179V       Eg2:176V

Ip+Ig2:40.6mA  -Eg:-11V   RL:5KΩ

 

この動作だと、最大出力は3W位ですが、出力が2Wを超えると正弦波の山が少し崩れてくるので、出力は2Wと考えた方が良いでしょう。

 

6BM8というと、マニアの方から見れば昔の家庭用のステレオやラジオに使われた球…というイメージで自作するのには初心者用の真空管…そのように評価されるかもしれませんが、アンプを作って音を聴いてみると、どうしてどうして…これほど素晴らしい音を出すとは思いませんでした。複合管とは言え、片チャンネルたった1本でアンプが出来、ステレオでも2本で出来てしまう…なんと素晴らしい真空管なのか・・・

WE300Bや、2A3、あるいはPX4などの直熱管の名球と言われる出力管でのアンプ作りも良いのですが、このような昔、良く使われた真空管も再度、見直してほしいものです。

もし、6BM8をお持ちなら、ぜひアンプを作ってみてください。回路的にも超三結などを組んだり、NFBのかけ方の実験など、なかなか自作者にとっては楽しめる真空管ですね。

 

近いうちにブロ友でもあるKIYOさん宅におしかけて、このアンプを聴いていただこうと思っています。

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。

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このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。