３２Ａ８

　　ジャンクコーナー/真空管編/３２Ａ８

※2018/03/11　追加投稿（訂正）

　　8Ｂ8のヒーター電圧規格が間違っていました。修正しました。

　真空管のジャンク箱の中から32A8が２本出て来ました。

32A8を知らない方は多いかもしれませんが、昭和40年代初めの頃に、家庭用トランスレスのFM/AM付きのステレオ・アンプなどの出力管として使われていました。

　実は32A8は、昔、オーディオ・アンプに多く使用された電圧・電力増幅用複合管6BM8と電気的特性は全く真空管です。

元々はテレビの垂直発振増幅用に開発された真空管の16A8（PCL82）で、オーディオ用に使いやすくしたのが6BM8のようです。

次の真空管は全てヒーター規格が異なるだけで、ソケットのピン接続や特性は同じ真空管です。6BM8以外は全てトランスレス用です。各真空管のヒーター規格は下記のとおりです。

　6BM8 6.3V 0.78A

8B8 8.2V 0.6A ※8BM8ではありません。8B8です。

11BM8 10.7V 0.45A

　16A8 16V 0.3A
32A8 32V 0.15A

50BM8 50V 0.1A

代表として6BM8の規格表は、こちらです。

　　　　↓

http://tubedata.jp/index.php?M=search&word=6BM8&method=and&index=&country=&brand=&system=

6BM8は、複合管で1本でシングル・アンプが出来るので、2本あればステレオが出来ます。4本あればプッシュプルのステレオ・アンプができるので、いまでも結構人気があります。昔は各メーカーでも6BM8を使用したアンプが数多く販売されていました。

　そのためか、6BM8の価格は結構お高いのですが、16A8などは探せば安価で入手できると思います。その他の8B8や、11BM8、32A8でも電源トランスのヒーター巻き線の組み合わせや、抵抗で電圧を下げるなどすれば、トランスレスでなくても普通に使用できます。なお、50BM8なら2本直列でちょうど100Ｖです。

ご参考に16A8なら5Ｖ＋5Ｖ＋5Ｖ＝15Ｖで1Ｖ低くても全く問題なしのＯＫ。あるいは、5Ｖ＋5Ｖ＋6.3Ｖ＝16.3Ｖ・・・これだと0.3Ｖオーバーですが、この程度なら問題なし、心配なら抵抗で0.3Ｖ分だけ下げればＯＫです。0.3Ｖ下げるには、16A8は0.3Ａ管ですから1本あたりに（16.3Ｖ-16Ｖ）÷0.3Ａ＝1Ωの抵抗をシリーズでつなげばＯＫ。

今回の32A8でも2本直列で64Ｖで点火するなら100Ｖから電圧を下げればＯＫ。この場合には少し大げさですが、（100Ｖ-64Ｖ）÷0.15＝240Ωとなります。安全面を考慮し500Ω10Ｗの抵抗をパラにして250ΩにすればＯＫでしょう。

まあ、いろいろ工夫すれば、いくらでも利用することが出来ます。オールドの方でしたらジャンク箱を探せば、結構、このような真空管が見つかるかもしれませんね。（6BM8は、個人的に大好きな真空管です）

※過去に投稿し紹介したジャンク真空管は下記の通りです。

■ジャンク・コーナー/真空管編２６はこちらです。

6ＡＳ6真空管
https://blogs.yahoo.co.jp/hirochan29dec2951/68582802.html

■ジャンク・コーナー/真空管編２５は、こちらです。

６ＤＺ４真空管

https://blogs.yahoo.co.jp/hirochan29dec2951/68566824.html

■ジャンク・コーナー/真空管編２４は、こちらです。

過電圧リレー管

https://blogs.yahoo.co.jp/hirochan29dec2951/68328881.html

■ジャンク・コーナー/真空管編２３は、こちらです。