真空管アンプ試聴会 報告②
----- 適当に作ったアンプは、やっぱり駄目です ----

今までになく良く出来上がったアンプだと自分では思っていました。
しかし、歪率の特性を会場で測定していただいたら、あまりにもひどい歪率特性で、あらためて自分の技術の無さと駄耳に驚いています。
自分の耳での「音の良し悪し」がわからないのです。正直に言うなら・・歪率の高い音=いい音・・・と感じてしまうようです。
高調波歪率ですが、とてもグラフで示せるような
特性ではありません。
例えば1KHzでの主な出力時の結果を言うなら
出力0.1W時・・・0.12%
出力0.5W時・・・0.33%
出力1W時・・・・0.81%
出力2W時・・・・1.40%
出力3W時・・・・1.80%
出力5W時・・・・2.50%
出力7W時・・・・3.00%
出力8W時・・・・3.01%
出力10W時・・・ 2.40% → 何故少し低くなるのか???
出力11W時・・・ 3.20%
出力12W時・・・ 10%
・・・といった具合、普通なら弧を描くように上昇していくのが多いのですが、ほぼ直線的に高くなっていきます。出力2W時で早くも1%を超えているという散々な結果です。プッシュプル・アンプでこのような特性では悪すぎです。おまけに出力10W時では歪率が少し下がります。こんな特性のグラフは見たことがありません。
いくらあり合わせの抵抗やコンデンサーで改造したアンプとは言え、やはり適当な設計のアンプでは駄目だということを思い知らされました。
歪特性が悪い原因としては、いろいろと考えられますが・・
プッシュプル・アンプの場合、バイアスの動作点が中央になっておらずに上下非対称になっていたりしてもひずみ発生の原因にもなるようです。6080では同じユニット内でもバラつきの多い球なので、これも原因の一つかもしれません。(上下で多少電圧が異なります)
また、今回のアンプでは6080は自己バイアスで片ユニットあたりRk=1.5KΩで、バイアス電圧は90Vですが、やはりRk=2.5KΩ位で6080は120V~130V位の深いバイアスの方が良い結果が出るようです。同じプレート損失の動作でもプレート電圧は高いほうが良いのかもしれません。
ドライブ回路での回路定数も、あり合わせの抵抗値で適当なので、ドライブ段での動作点の不具合による歪も考えられます。
私は測定器は持っていませんので、測定器を使用しての調整は出来ません。テスター1丁と耳だけでの調整ですが、前記のような結果ではひどすぎですね。
やはり経験だけの適当な設計のアンプでは駄目ですよ。。。
この6080アンプ以外の71Aシングル・アンプ、6F6-GT三極管接続のロフチン・ホワイト・アンプの歪特性の測定結果もあまり良い結果とは言えませんでした。
もっと勉強し、理論的にあった回路定数で設計をしないと駄目なことを、今回はしみじみと考えさせられました。。。
真空管アンプ試聴会 報告 その①
(常陸管球の会/研究会)の投稿はこちらです。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。