R・シュトラウス
   交響詩 ツァラトゥストラはかく語りき
 
   今回は、R・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」を紹介します。
 
 この交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」はクラシック・ファンでなくてもオーディオ・マニアの方なら音のチェック用として良く聴かれる曲ですが、いわゆる「音マニア」の方は冒頭の2分間位しか聴かずに・・・「ダイナミック・レンジがどうのこうの・・オルガンの重低音がどうのこうの・・・」と音に対する能書きばかりを語り、全曲を聴く「音マニア」は少ないのではないでしょうか・・・
 実際、オーディオ・チェック用のCDなどでは、この曲は冒頭部分しか納められていません。最後まで聞いてよ~~~~と、言いたいですね。単なる音マニアではなく、「音楽ファン」になってほしいと思うのですが・・・私はオーディオが趣味ですが「音キチガイ」的な音マニアではありません。ですから音優先ではなく、モノラル録音でも鑑賞するのには問題なしです。(粗悪な録音は別ですが・・)
 
 さて、「ツァラトゥストラはかく語りき」と言えば、昔、映画の「2001年宇宙の旅」の音楽としても使われ有名になった曲ですね。
 この映画でのサウンド・トラックはDGのカール・ベーム/BPOの演奏と認識していたのですが、契約等の関係?で、映画のクレジットではベーム/BPOとされていましたが、カラヤン/VPOの音源が使われたという話もあり、どちらが本当か良くわかりません。どちらにせよ、この映画で一躍有名になったのは事実ですね。
 
 この「ツァラトゥストラはかく語りき」というと、モノラル録音では、クレメンス・クラウス/VPO盤の評価が高いのですが、私のLPの棚にあったような・・・と探したのですが持っていませんでした。しかし、クラウス/VPOのR・シュトラウスは、「ドン・キホーテ」「ドン・ファン」「英雄の生涯」「町人貴族」のLPの輸入盤がありました。近いうちに再度、聴いてみたいと思います。
 
  前置きが長くなりましたが、実は私にとってR・シュトラウスは管弦楽もオペラも多くの音源を持っていますが、どちらかと言うと苦手で、あまり好んで聴こうとはしません。この「ツァラトゥストラはかく語りき」も、それほど夢中になって聴く曲ではないので、私のこの曲のライブラリーも多くはありません。
 それでもいつの間にか10種類位の音源が集まってしまい、気が付いたらそのうち4種類が、私の嫌いな?カラヤンの演奏でした。
 
カラヤン/ウィーンPO(1959年)
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 この録音はデッカの録音で、音も良く、更にこの曲が前述の映画「2001年宇宙の旅」で効果的に使われたため、一気にポピュラーになったようです。今でもこの演奏は色あせてはおらず、アンチ・カラヤンの私でもお気に入りの1枚です。LPも持っていますが写真はCDジャケットです。
 
カラヤン/ベルリンPO (1973年)
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 完成度の高い演奏で、何よりBPOのアンサンブルが見事。最弱音から最強音までゴージャスな響きと重厚さ・・・文句無しの演奏ではないだろうか・・これもLPを持っています。 この録音から10年後の1983年録音の評価が非常に高いようですが、この音源は、残念ながら手許になく聴いていません。
 
カラヤン/ウィーンPO (1977年)
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 この録音は、1977年、ザルツブルクでのライブ録音。
MADE  IN  HONG KONG の「ライブ・クラシック100」の2枚組の中の1枚で、他に「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」1971年の「英雄の生涯」、1975年の「死と浄化」     いずれもザルツブルクでのVPOとのライブ録音です。おそらくFM放送などから作成した海賊版的なCDと思われますが、いずれもステレオ録音でライブ感のある良い演奏だと思います。
 
カラヤン/ベルリンPO (1987年)ライブ映像 DVD
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 この演奏はベルリン建都750年を記念して行われたコンサートでのライブ映像DVDです。晩年の亡くなる2年前の演奏ですが、円熟したスケール感の大きな演奏となっています。 この演奏会では、他にモーツアルトのディヴェルティメント第17番が演奏されていて、これも映像として納められています。
 
カール・ベーム/ベルリンPO (1959年)
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 この演奏は、一番最初にこの曲を購入したLPレコードでした。写真のCDは15枚組の廉価盤「カール・ベーム・コレクション」からの1枚です。堅実で重厚な演奏、ここでも聴きごたえのあるBPOを聴くことが出来ます。
 
ケンペ/ドレスデン国立O (1970年)
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 このCDは、EMIから発売されたルドルフ・ケンペの「R・シュトラウス管弦楽集」の9枚組BOXの中の1枚、この演奏も堅実でやや地味な感じもしないではないのですが、ドラマチックな迫力もあります。R・シュトラウス管弦楽集としてはお薦めのBOXです。
 
ダヴィット・ジンマン/チューリヒ・トーンハレO(2001年)
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  この演奏はアルテ・ノヴァから発売された7枚組の「R・シュトラウス管弦楽集」安価だったので、つい通販で購入ボタンを押してしまい購入したもの。2001年録音と新しいのですが、何となく録音が気に入りません。たぶん私の自作アンプの再生音が悪いのでしょう・・・音はクリヤーですが、やや固く感じます。演奏そのものは・・う~ん・・良くわからない。。。
 
マッケラス/ロイヤル・フィル
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 このCD、ホームセンターのワゴンで販売されていた2枚組で980円だったと思います。ホームセンターや本屋、駅構内などで販売されているCDの中には、おやっと思うような音源が売られていることがあります。これもその中の1枚。このシリーズでは同じサー・チャールズ・マッケラスが指揮した、シベリウスの「交響曲第2番」などもあって購入しましたが、このシベリウスは素晴らしい演奏でした。・・・が、「ツァラトゥストラはかく語りき」は、まあ普通の演奏でしょう。
 
フェルディナンド・ライトナー/南西ドイツ放送SO
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 このCDもホームセンターのワゴン販売で見つけた480円のCDですが、Intercord が録音したEMI原盤の正規の輸入盤です。お買い得の安物CDと思われがちですが、なかなかの演奏、このシリーズではカール・ミュンヒンガーのベートーヴェンや、モーツアルトの交響曲など、なかなか入手困難な音源が多くあり、たくさん購入しました。ミヒャエル・ギーレンなどの音源もあり、お買い得の面白いシリーズだったのですが、現在は見かけなくなりました。
 
クーセヴィッキー/ボストンSO (1947年)
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 この演奏、なんとも恐ろしいくらい遅いテンポで始まります。1音1音絞り出すような演奏で、冒頭部分を聴いただけで、がっくりと疲れます。
 1947年の録音と言うこともあり、一度聴けば十分ですがとてもユニークな演奏と言えるでしょう。
 この音源はメンブラン・ドキュメントのR・シュトラウス作品の10枚組廉価盤BOXで、R・シュトラウス自身による自作自演の交響詩や、メンゲルベルク、フルトヴェングラーなどによる交響詩、クレメンス・クラウス指揮「薔薇の騎士」全曲、ミトロプーロス指揮「エレクトラ」全曲など1940年代の古いモノラル録音ですが、歴史的な録音として聴く分には安価で良いBOXだと思います。
 
 この交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の録音では、初めてこの曲を1954年にRCAがステレオ録音したフリッツ・ライナー/シカゴSOや、その他、メータ、ショルティなども聴いてみたいとは思うのですが、もうこの曲は紹介した10枚で十分です。
 
 R・シュトラウスのオペラも結構、手許にあるのですが・・・
なかなか私には馴染めません。。。どうしても初めから苦手意識を持ってしまうと駄目ですね・・・
 クラシック・ファンの中には、バッハしか聴かない・・・モーツアルトは聴かない・・・ルネサンス音楽は聴かないし宗教曲は全く聴かない・・・オペラは全くダメ・・などなど、いろいろなクラシックの聴き方がありますが、どんな聴き方でも自由です。
私は何でも聴く「クラシック馬鹿」でしょうか・・・それでも室内楽などは、まだまだ未開拓な曲が多いですね・・・・
クラシックの曲は無限にあるくらい音楽の宝庫・・・一度ハマったら抜けられない趣味ですね。。。
 
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。