カール・ミュンヒンガーのモーツアルト
前回は6月19日の投稿でカール・ミュンヒンガーのベートーヴェン交響曲を紹介しましたが、今回はモーツアルト・・・、このCD、ベートーヴェンと同じドイツのインターコードに録音したEMI原盤の輸入盤で、(株)アークが輸入元のCD。ジャケット裏には日本語で曲目の印刷がありますが、ブックレットによる解説は一切ありません。ホームセンターのワゴン販売品で490円でしたが正規盤です。


前回、紹介したベートーヴェンではオケがシュトゥットガルト放送交響楽団でしたが、今回のモーツアルトはシュトゥットガルト室内管弦楽団を拡大発展させたと思われる、シュトゥットガルト・古典フィルハーモニー管弦楽団です。シュトゥットガルト放送交響楽団でのベートーヴェンでは若干、こもり気味の録音でしたが、このモーツアルトは実にすっきりとした聴きやすい優秀な録音です。シュトゥットガルト放送交響楽団よりは小編成のためでしょうか、音が良くとらえられています。
しかし、ヴァイオリンの音が目立つのは録音のためなのか、ミュンヒンガーの考えなのか・・・低音部が少し不足気味に聴こえるので、4曲とも少し重厚な感じが不足し、やや軽めに聴こえます。特に「ハフナー」の第1楽章や、「ジュピター」の終楽章などは、個人的にはもう少し元気さと重厚さ、スケール感が欲しい気がします。「リンツ」も同様で、もう少し元気があってもいいかな・・・という感じです。
「プラハ」は第1楽章の始まりのアダージョは、ちょっとおとなしく物足りない感じですが、第2楽章のアンダンテは絶品。流れるようなヴァイオリンの音は素晴らしいですね。
全体としては4曲とも一言でいえば、「上品で纏まりのある、堅実な演奏」・・・とでも言っておきましょう。完成度は高いと言ってよいでしょう。
ミュンヒンガーのモーツアルトとしては、上記の交響曲の他にも、シュトゥットガルト室内管弦楽団との「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、ウィーン・フィルハーモニーOとのセレナード7番「ハフナー」などを録音していますが、残念ながらこの「ハフナー・セレナード」の音源は持っていません。

さらにウィーン・フィルとのもう1曲・・・1974年録音のミサ曲 第5番 ハ長調 「聖三位一体の祝日のためのミサ曲」K.167、この曲は独唱者なしの合唱だけのミサ曲ですが、それだけにウィーン国立歌劇場合唱団が実に素晴らしい演奏を聴かせてくれます。特に「クレド」は聴きごたえがあります。この演奏はお薦めの1枚です。

なお、このCDはデッカの2枚組で、K167の他に、「戴冠ミサ曲K317」、「ミサ・ソレムニスK337」、「クレド・ミサ曲K257」、「孤児院ミサ曲K139」が収められていますが、ミュンヒンガーは前記のK167だけで、その他の4曲はステファン・クレオバリー指揮/ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団による演奏です、これもすばらしい演奏ですね。
カール・ミュンヒンガーのベートーヴェン交響曲
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【参考投稿記事】
この「その他、ピアノ曲、BOX,他」の書庫には下記の投稿があります。タイトルをクリックすれば記事につながります。
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。
次回はオーディオ記事にしないと叱られるかな~~~~~