EL34シングル・アンプの修理依頼
 
 いつも行っている理髪店のご主人から、真空管アンプの修理の依頼がありました。このアンプは、ご主人が友人の方から頂いたアンプとのことで、どなたが作られたアンプかは、分からないとの事。
 実は、このアンプの修理は2回目です。1回目は修理と言っても「音が出なくなったので直してもらいたい・・・」ということで、お店にテスターを持っていって見たところ、単なるヒューズ切れ!その時はヒューズを交換して終わったので、中を開けて回路等の確認はしませんでした。写真でもわかるように、だいぶデザインにこだわった方のようで、シャーシやトランス、ケミコン、真空管のハカマまで塗装を塗りなおしています。また、シャーシの前面も化粧板を付けています。出力トランスには、タンゴの銘品XE-20Sを使用しています。
 
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 アンプの背面にも化粧板があって、スピーカーの端子などが付けられていたのですが、化粧板が剥がれて壊れてしまったとのこと。
(ご主人が別の友人に、このアンプを貸し出したら、壊されてしまったとの事)良く見ると、使い回しのシャーシのためボロ隠しのために化粧板を付けて端子等を板で固定していたようです。
 
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 これならアルミ板でも裏から貼り付けて固定するだけの修理です。いちばん最初の写真でもわかるように、結構、真空管アンプ作りのベテランの方の作品かと思いましたが・・・・
 底蓋を開けてみたら・・・びっくりしました。とてもベテランさんの作とは思えない、とんでもない配線です。回路は、たどっていくと、6SL7のパラによるドライブでEL34はUL接続となっています。
 
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 良く見てみると・・・こりゃひどい・・
アース線が浮いていて、つながっておらず、電源部やドライバー段、EL34のカソード抵抗などのアースを6か所でラグ板の止めネジ部分などでシャーシに落としています。
 
 また、出力トランスのB電源端子と出力管のプレートへつなぐ端子も逆に半田付けされています。
 スピーカーの2次側出力も本来プラス側になるところが逆に片側だけアース側に接続されています。
 
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 電源部のシリコンダイオードの付け方も・・こんな感じ・・・
いかにも取れそうです・・・
この写真で見ると出力トランス1次側のBとPが逆になっているのもわかります。
 
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 こんなにひどい配線を見たら、私としては直さないわけにはいかなくなりました。このままでは我慢できません。ご主人に電話で説明し、承諾していただき、全部、配線をやり直すことにしました。
また、回路も少し変更しないと、駄目な部分もあります。
 
 結局、大修理となってしまいそうです。危なそうなシリコンダイオードなど、部品のストックは、探せばあると思うので、このアンプは全部、配線を取り外し、初めから作り直すことにしました。
 もちろん、修理代のお金はいただかなくても、家にあるもので修理が可能のようです。タダで作り直します。。。。
 
 今は少し、仕事が忙しいので、暫く時間を頂くことにしました。
さて、どのように、このアンプが生まれ変わるのか・・・
外観は変えないつもりです。使い回しのシャーシを使用していますし、配置替えは少し無理です。
 でもこの部品配置(左右対称)は少しやりにくいです。。
 
では、修理が始まったらまた、投稿しますね。
 
 HIROちゃんでした・・・