リステリア菌混入による「冷凍野菜」の
製品回収について
ニチレイ冷凍野菜・イオンのトップバリュー冷凍野菜について
今、ニュースで報じられている、「ニチレイの冷凍野菜」や、「イオンのトップバリュー冷凍野菜」のリステリア菌混入に伴う製品回収がされていますが、このリステリア菌とは、どのような細菌なのか、また、どのような事に注意したらよいのかを、今回は少し詳しく説明しましょう。
いつもは、オーディオやクラシック音楽などの投稿を中心に記事を書いていますが、私の専門は食品微生物学や食中毒などに関する食品衛生学です。今回のリステリア菌について、あまり報道されていない注意する点などについて、投稿します。
■リステリア菌とは・・・・
リステリア菌は人畜共通の感染症菌の一つで、食中毒を起こします。日本では食中毒の発生は、これまでほとんどありませんが、加熱に弱いので、加熱すれば安全ですが、生肉や生野菜からの二次汚染に注意すると共に、特に妊産婦や乳幼児、高齢者は感染しやすいとされていますので注意しましょう。
●特徴 家畜、野生動物、自然界に広く分布し、4℃以下の低温でも
増殖可能で発育温度域は0~45℃と広いのですが、熱には
弱く65℃数分で死滅します。
●潜伏期間(感染してから症状が出るまでの時間のこと)
24時間~数週間と幅が広く、平均3週間位とされています。
●症状 症状としては、倦怠感、発熱を伴うインフルエンザ様の症状
です。妊婦、乳幼児、高齢者は感染しやすく、まれに重症化
すると髄膜炎や敗血症になることもあります。
●原因となる食品
原因となる食品は、乳製品(特に加熱していないナチュラル
チーズ)、食肉加工品、調理済みで低温保存する食品が原
因となる場合が多く、野菜で発生した事例もあります。
※外国ではナチュラルチーズによる感染例もありますが、
ナチュラルチーズは、加熱していないので感染のリスク
があるのですが、プロセスチーズは、何種類かのナチュ
ラルチ-ズを混ぜて加熱処理したチーズなので感染の
リスクは、ほとんどありません。
妊産婦の方は輸入されたナチュラルチーズは安全のため、
出来るだけ避けた方がよいでしょう。
・・・ リステリア菌による食中毒の予防について ・・・
①加熱で死滅するので加熱調理品は十分に加熱しましょう。
②生野菜は食前に十分に洗いましょう。
③生肉は野菜や調理済みの食べ物など食べる用意が出来
ている食べ物と接触させないようにしましょう。
④生肉に使用した調理器具、食器等は十分に洗いましょう。
⑤妊婦等リスクの高い人は、未殺菌乳で作ったナチュラル
チーズ等を避け、調理済み食肉加工品は喫食直前に再加
熱を心掛けましょう。
※今回の投稿については、 内閣府食品安全委員会の食中毒
資料と、大学での食品衛生学講義資料を参考に投稿しました。
では、またね・・・HIROちゃんでした。