WE101L プッシュプル・アンプ周波数特性
(ライン・コントロール・アンプ兼用)
 
  はじめに・・・・
 このたびの熊本地震で、亡くなられた方々のご冥福をお祈り
 いたしますと共に、被災されました多くの方々、お近くにお
 住まいの方々にお見舞いを申し上げます。
 
 
 5年前の東日本大震災では、当地も「震度6強」に襲われ、4mの津波がありました。市民から死者も出ました。今でも市内のあちこちに倒壊したあとの空き地が目立つ街中です。幸い、津波による被害は我が家にはありませんでしたが、大津波が来るとのことで、高台の避難所に避難・・、度重なる大きな余震の中、避難所で不安な夜を過ごしました。家の中は手がつけられないほどで、建屋も一部損壊となりました。
 ライフラインも停電、断水が長く続き、JR線の復旧にも1ヶ月かかりました。今は普通の生活に戻りましたが、家の中の修理は、お金もかかるので、直していません。
 このブログを見られている被災者の方は、ほとんどおられないとは思いますが、被災された多くの方々、また、被災地のお近くに住まわれておられる方々、健康には十分に留意され、のりきってください。
 大震災を経験したからこそ言えるのですが、大変だとは思いますが、どんなにつらくても「生きる喜び」を強く持ってください。辛くてもきっと時間が解決してくれます。  
 
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    WE101Lppアンプ/周波数特性について
 
  先月に完成した、WE101L プッシュプル・アンプですが、今のところ、WE101Lプッシュプルの単段コントロール・アンプとしてではなく、もっぱらパワー・アンプとしての試聴を中心で使っています。
 パワー・アンプとして使用する場合、現在は5963のプリを使用していますが、この場合、プリの出力電圧が結構高いこともあり、パワー・アンプの初段管30の前に外付け用のインプット・トランスは使用していません。
 あらためてアンプの写真を紹介します。タムラのトランスなど贅沢な部品を多く使っています。プッシュプルで、結構重量級の大きなアンプにしては、最大出力は、わすか約0.6Wという、超ミニワッターですが、これでも音量は十分です。とてもミニワッターとは思えない素晴らしい音を出しています。(あくまで自己満足です)
 
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 回路図もあらためて掲載しますが、今回は外付け用のインプット・トランスはアンプの回路からは省略して書いてあります。
 
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 通常は、上記の回路のようにインプット・トランスは使用しませんが、必要に応じ、下記のように外付け用に小型のシャーシに組み込んだものを2種類(どちらもタムラ製)作ってありますので、これをパワー・アンプの入力につないで使用します。個人的には、この使い方をお薦めします。どのパワーアンプにも接続できます。
 
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  これらの入力トランスをつなぐと、パワー・アンプとしての入力感度も何種類かに変えることができ、またつなぎ方によって音にも差が出てくるので楽しむことが出来ます。
 
----- アンプの周波数特性について -----
 
 さて、少しだけ気になるアンプの周波数特性ですが、トランス結合で今回のような直流電流を重畳出来ない、中間トランスの場合には、クラーフ結合となります。この場合、ドライブ管から中間トランスの1次側につなぐカップリング・コンデンサーの容量によって大きく周波数特性が変化します。今回は1μFという比較的大容量のコンデンサーとし、低域の特性が良くなるよう決定しました。
 また、トランス結合の場合には中間トランスの2次側をオープンで使用するトランスもありますが、この2次側に入れるシャント抵抗の抵抗値(このアンプでは220KΩ)によって高域の周波数特性が大きく変化します。
 
 測定器による周波数測定にこだわるマニアの方であれば、当然、測定結果と睨めながら、ここの値を最終的に決定すると思うのですが、私の場合には測定器は持っていませんので、実際に音を聴きながら、好みの音で抵抗値等を決定します。今回の場合にも、実際に100KΩ220KΩ470KΩと3種類の抵抗値で試聴し、最終的には220KΩとしました。
 
 さて、前書きが長くなりましたが、今回、パワー・アンプとしての周波数特性を測定していただいたので、結果を掲載します。
計測の前に、「たぶん高域が少し盛り上がった特性になると思いますよ・・・・」と言ってから測定しましたが、予想したとおりの結果となりました。
 
■右チャンネル周波数特性
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■左チャンネル周波数特性
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 使用したタムラの中間トランスTN-347の周波数特性は、カタログ上、30Hz~10kHz ±1dB とやや狭帯域となっていますが、低域も高域も十分な結果です。
 測定マニアの方から見れば、20Hz~12kHz位までは平坦ですが、高域の15kHzでの+1dB、20kHzでの+2dBという測定結果は、お気に召さず、改善したいところでしょう。もし、ここの12kHzあたりから20kHzの盛り上がりを改善するなら、シャント抵抗の220KΩを4本とも100KΩ位あるいは、それ以下にすれば、だいぶ改善する事が出来ますが、ここは220KΩのまま変えないことにします。実際には、この20kHzの盛り上がりが音に影響を与えているかもしれませんが、私の耳では、これで十分です。測定器での結果にはこだわりません。
 
 当分はパワー・アンプとして使用した後、WE300Bアンプ等のライン・コントロールアンプ用の単段WE101Lアンプとして使ってみたいと思っています。
 
 ご参考までに、これまでのWE101Lプッシュプル・アンプ
製作に関する投稿記事は、下記のアドレスから見ることが出来
ます。
 
【ご参考】
下のアドレスをクリックすれば記事につながります。
WE101L ppアンプの製作 その7(完成)
  (アンプの配線の写真、詳細な説明等を掲載)
         
WE101L ppアンプの製作 その6(配線作業)
WE101L ppアンプの製作 その5(部品の取付け)
WE101L ppアンプの製作 その4
(回路の原案とタムラのトランス)
WE101L ppアンプの製作 その3
(ヒーター・トランス、及びチョークの簡易磁気シールド製作
WE101L ppアンプの製作 その2(シャーシ加工②)
WE101L ppアンプの製作 その1(シャーシ加工①)
 
 
     ---- お願い ----
  このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした