ジョン・ラター/子供たちのミサ曲
ティモシー・ブラウン指揮
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊/ファーナム・ユース合唱団
クレア室内アンサンブル 他 (NAXOS)

ジョン・ラターというと1945年生まれのイギリスの現代作曲家・指揮者です。
どうしても現代音楽と言うと、前衛的な音楽を想像しますが、ラターの音楽は明るく、美しい旋律やハーモニーを特徴としていて特に合唱ファンからは好かれている作曲家のひとりです。
なかでも「レクイエム」は、ここ数年の間に、日本国内のアマチュア合唱団の定期演奏会などで多く演奏されています。
この「レクイエム」はミサの典礼文に加え、英語の詩を随所にちりばめる構成をとっていますが、彼の音楽は、フォーレやデュルフレなどの和声や旋律からの影響も感じられます。
しかし、ラテン語のミサ曲に英語の詩を加えるなどの構成の曲のため、好き嫌いの分かれる音楽かもしれません。
今回紹介する「子供たちのミサ」も、ミサの典礼文(ただし、Credoはありません)に加え、「レクイエム」と同じように、英語の詩を入れたスタイル。演奏は、混声合唱と、児童合唱にソプラノ、バリトンのソロ、そして管弦楽という編成で演奏されます。
2002年に作曲された曲で、ここで紹介するCDは、2005年の録音で、室内管弦楽団+オルガンの版によって録音されています。
1.Kyrie
2.Gloria
3.Sanctus and Benedictus
4.Agnus Dei
5.Finare (Dona nobis pacen)
Kyirie(キリエ)は、いかにもラターらしく簡潔ですが、純粋な祈りの音楽。Gloria(グロリア)は重くなく軽快な曲です。
フルートとハープの3連譜で始まる第3曲の Sanctus and Benedictus(サンクトゥス・ベネディクトゥス)は、実に美しい曲、Agnus Dei(アニュス・デイ)では曲想は一転し少しミステリアスな旋律になりますが、後半では児童合唱による親しみやすい美しい旋律に変わっていきます。いかにもラターらしい楽章です。
Finare、終曲は静かなコーラスに、バリトン・ソロ、ソプラノ・ソロで歌われ、どこまでも美しい旋律と祈りの音楽となり、この曲が静かに終わります。
なお、このCDにカップリングされている、連作歌曲「シャドウズ」と、「結婚の讃美歌」も興味深く聴くことが出来ます。
合唱ファンをはじめ、合唱音楽や宗教音楽はチョット・・・・とおっしゃる音楽ファンの方も一度、機会があれば聴いてみてください。

のある方は、こちらのCDも
おすすめです。聴いてみてく
ださい。
■グローリア
■マニフィカト
■テ・デウム
アンドリュー・ルーカス指揮
アンサンブル・デコラム
(NAXOS)
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では、また・・・・HIROちゃんでした。