マスカーニ/カヴァレリア・ルスティカーナ
 
  今回はマスカーニのオペラ、「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。
間奏曲は入りますが1幕の短いヴェリズモ・オペラです。オペラの内容はシチリアを舞台としたドロドロした三角関係のもつれからおこる決闘と殺人を描いたもの。
 
  あまりイタリア・オペラは聴かない私ですが、劇の内容とは裏腹に実に美しい旋律の曲を聴くことが出来るオペラなので、良く聴くほうです。・・・と言っても、実は間奏曲だけを聴くことが多いのですが・・・
 
 イメージ 1さて、この「カヴァレリア・ルスティカーナ」と言うと、1960年に録音したトゥリオ・セラフィン指揮/サンタ・チェチーリア音楽院、シミオナート、デル=モナコの演奏が有名ですね。確かデッカのLPレコードを持っていたはず・・と、LPの棚を見たらセラフィンのではなく、S・ヴァルヴィゾ指揮/スリオティス、デル=モナコ、ゴッビ、ローマ合唱団・管弦楽団によるものでした。このレコードはしばらく聴いていません。
 
 イメージ 2私の持っているセラフィン指揮のものは1950年録音のミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団によるモノラル盤です。マリア・カラスの廉価盤BOXの中の1枚。カラス、ステファノ、ゴッビといった、こちらも豪華ですが録音が古いのが残念です。しかし演奏は文句無し・・・と言ったところでしょうか。
 
 
 時々、取りだして聴くのは、なぜかカラヤン盤、カラヤンのベートーヴェンなどの交響曲はベルリン・フィルの完璧なアンサンブルは別にしても、面白味がありませんが、イタリア・オペラは結構好きなほうです。
 イメージ 3カラヤンの「カヴァレリア・ルスティカーナ」は1968年に製作した映像、これは映画のオペラ。フィオレンツァ・コソット、ジャンフランコ・チェッケレといたメンバーでミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団を指揮したもの。DGから同じ音源のCDも持っています。この作品は曲も短いので、レオンカヴァッロの「道化師」とのカップリングがCDでもDVDでも多いようです。実際、オペラの上演でも、この2曲の組み合わせが多いようです。このカラヤンの映像ですが、スタジオでの録音の他、実際の風景などはシチリアで撮影したもののようです。カラヤンは、60年代かイメージ 4ら70年代にかけてVPO、バンブリーなどとの「カルメン」、フレーニなどと「蝶々夫人」などの映像作品を残していますが、いずれも35mmフィルムによる「映画」となっています。画面での歌い手の表情や口の動きと声が合っていない「クチパク」的なところも多少あり、違和感があるところも見受けられるのですが、やはりオペラは映像で見るのが最も良いですね。
 カラヤンのこの「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、カップリングの「道化師」と共に名盤の一つと言っていいと思います。
 
 
「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」
 
 さて、オマケですが、私が大好きな「カヴァレリア・ルスティカーナ」の中の間奏曲。演奏時間は、わずか3分半位の短い曲ですが、なんと美しい曲なのでしょう。。。
 この曲は歌詞をつけた「マスカーニのアヴェ・マリア」としても有名ですが、いろいろある間奏曲の中ではカラヤンが最高。
アンチ・カラヤンの私でも、この間奏曲には脱帽で、全く文句のつけようがありません。私のカラヤンのカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲のライブラリーは次のとおりです。 
 
■ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1949年)
 
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 ややスローテンポ(約4分)の演奏。
弦の音は綺麗ですが、1949年録音のモノラル盤、カラヤンのモノラル録音の廉価盤10枚組BOXの中の1枚。やはりいくら綺麗な曲でも録音が古いので、何度も聴く音源ではありません。  
  
  
 
■フィルハーモニア管弦楽団(1954年)
 
 イメージ 6この録音はオペラの間奏曲や前奏曲を集めた録音集。このカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲をはじめ、オッフェンバック「ホフマン物語」からの舟歌、マスネ「タイス」からの瞑想曲、ヴェルディ「椿姫」からの第3幕への前奏曲といった美しいメロディーの曲ばかりです。これもモノラル録音ですが前記のVPOよりは聴きやすい音です。ここでのカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲では、オルガンのパートをホルンのデニス・ブレインが弾いていたことでも知られている録音ですが、あまり良く聴きとれないのが少し残念。この頃のフィルハーモニアのアンサンブルはとても綺麗で、弦の音もすばらしいものがあります。
 
■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1967年)
 
イメージ 7 カラヤンの 「オペラ管弦楽集」 の中の1曲、曲の美しさ、完璧なベルリン・フィルの美しいまでのアンサンブル、この種の曲を振らせたら他の追従を許さない最高の1枚と言えるでしょう。その中でもこのカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲は、なんと天国的な美しいことか・・・・文句無しの最高の演奏です。
 
 ■ミラノ・スカラ座管弦楽団(1968年)
 
 この演奏は最初に述べた全曲盤のものですが、フィルハーモニアやベルリン・フィルとの演奏とは随分違って聴こえます。ベルリン・フィルとの天国的な美しさ・・・と言うより、オペラの悲劇性も感じる美しい演奏です。
 
 
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では、また・・・・HIROちゃんでした。