フルート奏者/オーレル・ニコレ氏が死去 90歳
世界的フルート奏者、オーレル・ニコレ氏が1月29日に死去しました。ニコレは1950年、名指揮者フルトヴェングラーの招きで、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の主席フルート奏者になり、1959年まで、その職にいました。
20世紀を代表するフルート奏者の一人です。
我が家のクラシック・ライブラリーの中には、ニコレのLPやCDも何枚かあるはずなのですが、整理が悪く、1万枚以上あるCDやLPの中にうずもれているため、なかなかみつかりません。
そんな中、取り出したのが、次のLP2枚です。
カール・リヒター指揮/ミュンヘン・バッハ管弦楽団と共演した、モーツアルトの協奏曲とバッハの管弦楽組曲第2番です。

大学時代に東京のレコード店でアルバイトをしていた頃、貧乏学生にとってはありがたい廉価盤で、このシリーズではカイルベルトなどの演奏もたくさんありました。ただ、このシリーズは他社の廉価盤との競争に勝つためか、普通のLPより収めてある曲目が多く、詰め込みの長時間LPのため、音がイマイチでした。
このLPは、ニコレのフルートを聴くというより、私はリヒターのモーツアルトを聴きたくて購入したもの。同じシリーズの中にモーツアルトの「レクイエム」があり、別の廉価盤でもモーツアルトの「交響曲第29番」などのリヒターのモーツアルトがありました。これらのLPは、今でも手許に残してあります。
さて、このLPでのニコレの演奏ですが、録音年月日がレコードには書かれていませんが、多分、1960年初めの頃の録音だと思います。つまり、ニコレがベルリン・フィルを退団してソリストとして活躍を始めた頃の演奏でしょう。明るく澄んだフルートの音は、テクニックと合わせ、素晴らしいモーツアルトを聴かせてくれます。
特に「フルートとハープのための協奏曲」では優雅さと気品ある豊かな音にリヒターが合わせ、見事な演奏を聴く事が出来ます。

バッハの「管弦楽組曲第2番」ですが、この曲はフルートが大活躍する曲です。独奏フルートと弦楽合奏という楽器編成をとっています。
フルート・ソロとして主役にもなりますが、ほとんど第1ヴァイオリンと同じパートを吹いていることが多い曲です。
それでもフルート・ソロの部分では、やわらかい澄んだ音を聴かせます。サラバンドでは寂しさの表現は印象的で、胸を突きます。
また、終曲のバディネリでは、やや遅めのテンポながらニコレの軽やかなテクニックを堪能できます。
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では、今日はこのへんで・・・・HIROちゃんでした。