いわき室内楽協会コンサート
~ウィーン・フィルハーモニー・コンサートマスター
ライナー・ホーネック氏を迎えて~
そんなわけでコンサートの投稿が遅くなってしまいました。
先日の24日(日)福島県いわき市の「いわき芸術文化交流館アリオス音楽小ホール」で行われた「いわき室内楽協会コンサート/~ウィーン・フィル・コンサートマスター、ライナー・ホーネック氏を迎えて~」の演奏会に行ってきました。

ライナー・ホーネック氏は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の4人のコンサートマスターのうちの一人です。
今回のコンサートのメンバーは・・・
ヴァイオリン:ライナー・ホーネック、三上亮
ヴィオラ:馬淵昌子、安藤裕子
チェロ:丸山康雄、植木昭雄
コントラバス:河原康則
の各氏、
第1曲目は、モーツアルト作曲:ディヴェルティメントニ長調 K136、この曲はプログラムには無かった曲で追加曲として演奏されました。ホーネック氏を加えた弦楽五重奏での演奏。実にすっきりと晴れ渡ったような清々しい演奏で、ホーネック氏のヴァイオリンの音はとても美しい音です。(使用楽器は、オーストリア国立銀行から貸与されている1709年製ストラディヴァリウスとのこと)イタリア語の「divertire」楽しい、面白い、気晴らし、などの意味を持つ気軽な曲ですが、正に明るく清々しい音楽を味わえました。
第2曲目は、モーツアルト作曲:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364、今回の演奏は、モーツアルト没後の1807年、ウィーンで出版された弦楽六重奏版によるもので、編曲者は不明とのことですが、「原曲の調性、テンポや強弱の指示、表情記号などはそのまま守られ、彼の想いを伝えている」と解説が書かれていました。
そんなこともあり、この曲は弦楽六重奏版でも素晴らしい響きで、全く違和感はありません。むしろ弦楽六重奏版の方が私には好ましく聴こえました。ここでもディヴェルティメント同様、ホーネック氏のリードによる素晴らしいアンサンブルを聴くことが出来ました。
休憩をはさんで第3曲目は、R・シュトラウス作曲:メタモルフォーゼン、この曲は23人の弦楽奏者(ヴァイオリン10、ヴィオラ5、チェロ5、コントラバス3)がそれぞれ独立したパートを演奏する、いわば弦楽23重奏曲とも言える曲です。
パンフレットの説明によると、初稿ともいえる短いヴァージョンの弦楽七重奏版のスコアが1990年にスイスで発見されたことから、まずは弦楽七重奏によって構想され、続いて23の独奏弦楽器による決定稿へと編成が拡大され、併せて曲も加筆されたことが判明されたとのこと。今回の演奏楽譜は、それに基づき、オーストリアの作曲家ルドルフ・レオポルド(1954~ )が決定稿の長さによる七重奏版として1996年に再構成したものとのことでした。
私の手許には、カラヤンやクレンペラー、ケンペなどの指揮による演奏のCDがありますが、オーケストレーションの多彩さは感じられるものの、どちらかというと私にとっては難解な深い感情と哀惜が強すぎて少し苦手な曲です。演奏はホーネック氏を含めた7名のアンサンブルはすばらしいものでしたが、聴きなれた23人の演奏と比較すると、やや違和感と物足りなさを感じました。
今回は久しぶりの室内曲の演奏会でしたが、大編成によるオーケストラとは違った雰囲気を十分に味わうことのできた素晴らしいコンサートでした。
【参考記事】
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。
同じ書庫内に下記の投稿記事があります。下記をクリックすれば
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■仙台フィル・ハーモニー/ニュー・イヤー・コンサート2016
■ヤルヴィ/N響コンサート・・残念!体調不良で急遽行けませんでした。
■大友直人/仙台フィル・ニューイヤー・コンサート2015
■ア・カペラ合唱団「アヌーナ ANUNA」演奏会
■あひる会合唱団第52回定期演奏会
■ブロムシュテット指揮/NHK交響楽団定期演奏会
(チャイコフスキー交響曲第4番 他)
■小林研一郎指揮
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団演奏会
(チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」他)
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第90回定期演奏会
(ベートーベン交響曲第7番)
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第89回定期演奏会
(ベートーベン交響曲第4番)の感想記事は、こちら・・・・