仙台フィルハーモニー管弦楽団
   特別演奏会「名曲コレクション」
・・・ニューイヤー・コンサート2016・・・
 
 1月11日(月)福島県いわき市の「いわき芸術文化交流会館 アリオス 大ホール」で開催された、仙台フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートに行ってきました。
 
イメージ 1
 
 
 イメージ 2今回のコンサートの聴きどころは、ピアニストでもある指揮者の渡邉一正氏の「弾き振り」によるモーツアルトの「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466」
 
 なぜ、おめでたいニューイヤーコンサートで暗い曲なのか・・・
もしモーツアルトなら21番とか26番あたりが・・と思ったのですが・・
 ステージのナビゲーター江原さんのインタビューに答えた渡邉氏の話では、主催者側からも「明るい曲の弾き振り」の依頼があったのですが、渡邉氏自身が選曲したとのこと。
 彼曰く、指揮者を目指す考えをピアノの恩師に伝えた時に、恩師からピアノをせっかくやってきたのに・・・と良い返事がもらえなかったが、「指揮者を目指してもピアノは続けてほしい」との教示、また、恩師は、このモーツアルトの20番の協奏曲が大変お好きだったそうで、渡邉氏にとっては大変思い入れのある曲だとの話でした・・・
 
 さて、最初の曲、「フィガロの結婚序曲」ですが、テンポは早くもなく遅くもなく・・・といった感じで始まりましたが、イマイチ気が乗らず・・といった感じに私には聴こえました。それほど快速ではないのですが、フルートやファゴットは気も~ちテンポに合っておらず音色も冴えません。それでも最後は盛り上がっていき、無難なく終わり・・といったところでしょうか。
 
 2曲目の20番の協奏曲ですが、蓋を外したピアノを縦に配置、完全に後ろ向きでの弾き振りです。
ここでも何となく、木管が冴えません。それでも第1楽章の魔笛での「夜の女王のアリア」を少し思わせるような激しく悲痛なアレグロは聴きごたえがあります。特に第1楽章でのピアノのカデンツァは力強く素晴らしいものでした。このカデンツァは、多分、ベートーヴェンによるものだと思います。
 
 第2楽章のロマンツェは、長調で切々とした主題で始まるのですが途中からは短調にも転調します。ピアノはなかなかロマンティックな色合いと表現が出ていたと思います。
 
 第3楽章も、第1楽章と同じような悲痛さばかりでなく恐ろしさも時には感じさせる演奏でしたが、全体をみてみると、聴いていた客席の座席位置の関係でしょうか・・・第1ヴァイオリンのコンサート・マスターの音ばかりが目立ったように思ったのですが・・
ここでのカデンツァも素晴らしいものでした。
 
 休憩をはさんでヨハンとヨゼフ・シュトラウスのワルツとポルカ集ですが、ここでも演奏がどうのこうの・・・とありますが、ここは十分に楽しむことが出来ました。「春の声」と「皇帝円舞曲」ではSCSミュージカル研究所のメンバーによるバレー付きの演奏。華やかさを演出していました。「憂いもなく」では、お決まりの「ワッハハ!」の笑い声の演出。「常動曲」ではどのような終わり方をするのか、指揮者が最後に何かしゃべるのか・・・と思っていたのですが、静かに指揮途中から退場・・・団員が「お~ノ~!」としったしぐさで終わり、笑いを誘っていました。
 アンコールの「雷鳴と電光」は、この日の最高の秀演!特にティンパニの音には拍手です。
 最後はお決まりの「ラデツキー行進曲」、コンサートに来られたお客様との拍手でオーケストラと共演・・おひらきとなりました。
 
 今年最初のコンサートでしたが十分楽しむことが出来ました。今年も機会を見て、またコンサートにでかけたいと思っています。
 
【参考記事】
同じ書庫内に下記の投稿記事があります。下記をクリックすれば
記事に繋がります。
 
■ヤルヴィ/N響コンサート・・残念!体調不良で急遽行けませんでした。
■大友直人/仙台フィル・ニューイヤー・コンサート2015
■ア・カペラ合唱団「アヌーナ ANUNA」演奏会
■あひる会合唱団第52回定期演奏会
■ブロムシュテット指揮/NHK交響楽団定期演奏会
  (チャイコフスキー交響曲第4番 他)
■小林研一郎指揮
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団演奏会
  (チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」他)
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第90回定期演奏会
  (ベートーベン交響曲第7番)  
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第89回定期演奏会
  (ベートーベン交響曲第4番)の感想記事は、こちら・・・・
 
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。