■71A/45 シングル・コンパチブル・アンプ
完成しました。
71A/45兼用のコンパチブル・シングル・アンプが完成しました。
昨夜は、久しぶりに夜の作業を4時間ほど行いました。
コンパチブル・アンプのため、切り替えスイッチ周りの配線が、回路図では簡単ですが、いざ、配線となると非常に面倒です。
今日の午前中に、残りの配線を行いアンプが完成しました。

今回のアンプの製作として、あらためて購入した部品は、スイッチ2個と、バイアス用抵抗4本だけで、あとは、アンプを壊して取り出した中古品と他の抵抗などは中古品とストック品です。コンデンサは全て中古品を再利用しました。
シャーシはリード社のボンネット付きシャーシMK-350の再利用です。

整流管前のスイッチを2個ともOFF状態で、下にすると45シングル、スイッチをONにして上にすると71Aシングルに切り替わります。
(左のスイッチはB電圧と出力管のフィラメント電圧の同時切り替え用で、右のスイッチは、出力管のRK切り替えでバイアス電圧を変えます)
配線の様子ですが、スイッチ周りの配線がかなり混んでいます。全体的にあまりきれいな配線は出来ませんでした。既存アンプのシャーシを使ったので、ハムバランサーや、切り替えスイッチの追加など、部品の配置の関係で、配線の引き回しが長くなってしまいましたが、心配されたハムの問題はありませんでした。

■回路の説明(回路図)と出力管の動作について
今回使用した電源トランス(ノグチPMC-100M)は、71Aアンプに最適なトランスですが、45の2.5Vを得るための巻き線がありません。
そのため、今回は5Vの巻き線から2.5Vに抵抗で電圧を下げることにしました。45のフィラメント規格は2.5V1.5Aですから、5Vから2.5Vに下げるための抵抗値はオームの法則で簡単に求められます。
(5V-2.5V)÷1.5A=1.6666Ωとなります。
当初は3.3Ω(10W)のセメント抵抗をパラにして1.65Ωにしましたが、わずかに電圧が高くなったので、0.1Ωをシリーズでつなぎ、1.75Ωにしたところ2.45Vになりました。(手持ちの10Wの抵抗を使ったので大きいですが、ここはW数が大きいので安心)
B電圧とフィラメント電圧の切り替えは、1個のスイッチで切り替えられるようにしました。なお、77へのB電圧は71Aに切り替えると下がりますが、この電圧で十分ドライブできます。
このアンプの71Aと、45使用時の各出力管の動作は、次のとおりとなりました。
■71A使用時の動作
Ep:173.5V (215V-41.5V)
I p:20.8mA
Eg:-41.5V (Rk=2KΩ)
Pd:173.5V×20.8mA=3.6W
出力:約0.8W位
71Aシングルの動作例(規格)とほぼ同じです。
71Aの規格には
最大プレート損失(Pd)の記載がありません。動作例は
Ep:180V
Ip:20mA、
Eg:-40Vなので180V×20mA=3.6Wと考え
ましたのでピッタリの動作です。
■45使用時の動作
Ep:245V (290V-45V)
I p:30mA
Eg:-45V (Rk=1.5KΩ)
Pd:245V×30mA=7.35W
出力:約1.5W位
45の最大プレート損失(Pd=10W)に対して軽い動作
です。
回路図です。

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
回路図のとおり、ドライバーの77のヒーターが出力管と供用しています。そのために、巻き線の片側はアース出来ませんが、特に問題は無く、ハムもほとんど聴こえません。(実質ノーハムです)

まだ、じっくりと聴いていませんので、詳しくは書けませんが、
71Aのシングル・アンプを5極管でドライブしたのは、初めてです。(いや・・・今回壊したパラ・シングル・アンプは6AU6でした)
5極管で強力にドライブ出来ているためか、繊細で清々しい71Aの音に力感も加わった感じがします。直熱3極出力管は、3極管でドライブしたほうが良い・・・と仰るマニアの方が多いようですが、この77によるドライブは、出力管の特徴を殺すことなく、素直な音を出してくれるように感じます。
また、今回は、電源部にオイル・コンデンサを使用しましたが、何となく音がソフトになった気もしますし、タムラの出力トランスF-475のやわらかい素直な音とあいまって素晴らしい音です。
これは45を使用した時も同じことが言えます。45を使用すると、出力も大きくアップし、実にご機嫌な音を聴かせてくれます。
やはり、45と71Aは米国系の出力管の中では、小出力ですが素晴らしい出力管だと思います。
これまで多くの71Aと45のアンプを作ってきましたが、そのうち最後の71Aアンプをぜひ作りたいと思っています。
では、今日は、このへんで・・・・
もっと試聴したら、また感想などを投稿しますね。。。
HIROちゃんでした。
【関連記事】
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■71A・ロフチン・ホワイト・アンプ完成
■71A・ロフチン・ホワイト・アンプの製作③(シャシー加工と使用真空管)
■71A・ロフチン・ホワイト・アンプの製作(部品集め・準備編②)
■71A・ロフチン・ホワイト・アンプの製作(計画・準備編①)
※この下の記事の71Aアンプは、今回とは別の71Aアンプです。
■下記の71A(12A兼用)シングル・アンプの周波数特性
■71A(12A兼用)シングル・アンプの製作 ②
アンプの回路図等の紹介があります。
■71A(12A兼用)シングル・アンプの製作 ①
アンプのシャーシの加工(修復)を中心の記事です。
■71A(171A)真空管とシングル・アンプ
トランス結合の71Aアンプです。
■12A(112A)真空管と71A/12A/31コンパチブル・テストアンプ
上記のアンプの他にもあります。
書庫の 「71A・12A・31アンプ集①」
にも71Aのパラ・シングル、プッシュプルアンプ等の製作投稿がありますので、こちらもご覧下さい。