■ベートーヴェン/チェロ・ソナタ第1番~第5番 全5曲
 
 
いつも交響曲ばかり聴いているのかと思われますが、室内曲、器楽曲、声楽なども幅広く、ルネサンスから現代まで聴いています。
 
今回はベートーヴェンのチェロ・ソナタ(全曲)です。ベートーヴェンの「チェロとピアノのためのソナタ」は、初期に第1番/作品5-1と、第2番/作品5-2が、中期に第3番/作品69が、後期に第4番/作品102-1と、第5番/作品102-2が、それぞれ作曲されているために、その時期の特徴が良く出ている気がします。
 
これらの全曲については、LP時代は、フルニエ/グルダ盤しか持っていませんでした。CD時代になってからは、BOXなどの全集や、廉価盤のBOXに収められていたものが、ほとんどです。全曲ではなく、バラでは他にも何数かのCDがありますが、同じ奏者で全5曲が揃っているのは次の4種類です。私のライブラリーを紹介します。
 
 名盤の誉れ高い、ロストロボーヴィチ/リヒテル盤が無いのが残念です。
 
【第1番~第5番/全集】
 
イメージ 1■パブロ・カザルス(チェロ)
  ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
 (1951年、53年)
 
 
  パブロ・カザルスと言うと、バッハの「無伴奏チェロ組曲」がすぐに頭に浮かびますが、ベートーヴェンも素晴らしい演奏を聞かせてくれます。
 私は明るく軽快な第1番が好きなのですが、カザルスの演奏は魂的なものまで感じる力強い演奏で、時々、彼のうなり声までが聞こえます。ピアノのゼルキンは、華やかさなどを見せながら、軽快な掛け合いが見事です。2番以降も同様。カザルスのチェロをうまくサポートしつつ、ベートーヴェンらしい深い音楽を聴かせてくれます。
1930年ころのカザルスの演奏もあるようですが、このゼルキンとの全集は見事。
 
 
 
イメージ 2■ピエール・フルニエ(チェロ)
  フリードリヒ・グルダ
 (1959年)
 
 
  フルニエは、シュナーベル、グルダ、ケンプと3回レコーディングしています。この全集は天才同士ともいえる、グルダとの共演。1959年録音ですが、ステレオで音に不満はありません。この演奏・・・前記のカザルスのようなインパクトの強い演奏ではありませんが、巨匠としての風格は十分に感じられ、グルダのピアノとの掛け合いも、全曲をとおして聴きごたえがあります。私の持っている全集の中では、最もベートーヴェンを感じるこの演奏がベストです。
 
 
 
イメージ 3■アンナー・ビルスマ(チェロ)
   ジョス・ファン・インマゼール(ピアノ)
1998年)
 
 
  ベートーヴェン・コンプリート・マスターピース60枚組BOXの中のCD。少しスリリングな演奏が魅力でしょうか・・
 インマゼールとのアンサンブルもまとまっています。録音も比較的新しいので安心して聴くことが出来ます。
 
 
 
 
イメージ 4■ポール・トルトゥリエ(チェロ)
  エリック・ハイドシェック(ピアノ)
1971/72年)
 
 
 EMIベートーヴェン・コンプリート・マスターピース50枚組の中のCD、トルトゥリエのベートーヴェンのチェロ・ソナタでは、この演奏の他にカール・エンゲル(ピアノ) 1950年~1953年に録音したモノラルの第1番~第4番を持っていますが、やはり聴くなら、このステレオ録音のほうが良いです。癖のないまとまりのある演奏だと思います。
 
 今回は単なる、ライブラリーの紹介だけでしたが、このような室内楽は、交響曲などと異なり、部屋の明かりを少し消して、自分の 「自作の真空管アンプ」 の光をともし、洋酒を少しづつ飲みながら、ゆったりと聴くのが最高ですね・・・・・
 
【参考投稿記事】
この書庫には下記の投稿があります。
■エリック・サティのピアノ音楽
■ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集
ウェーベルン:作品番号付き作品全集
■イタリアの名指揮者/カンテルリ
■カール・ベーム コレクション No3
■ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ 「春
■カール・ベーム コレクション No2
■デニス・ブレインのホルン音楽
■日本のオーケストラ2008 
■カール・ベーム コレクション No1
 
では、今日はこのへんで・・・・HIROちゃんでした。