■トランス結合45シングル・アンプの製作 その②
トランス結合の45シングル・アンプが完成しました。
既存のVT-52/45コンパチブル・シングル・アンプを改造し、新たな
トランス結合アンプが完成しました。

改造前のアンプですが、ドライブ管に12BH7Aを使用、2段増幅して
タムラ製A-351を使用したトランス結合と、CR結合の切り替えによる
トランス結合/CR結合兼用アンプでした。
また、これまでのアンプは、テスト・アンプで45、VT-52の他にフィラ
メント電圧は若干低く、また出力トランスの1次側Zpも、アンマッチです
が送信管のVT-25/VT-62も挿し替えて聴くことが出来たコンパチブ
ルアンプです。

今回の改造は、ドライブ管の12BH7Aを76の1本に変更し、オールST管にしたことと、入力トランスを外付けにしたのが特徴です。
右の写真はタムラTK-133をケースに組み込んだものです。
本当なら次に作るシングル・アンプの実験も兼ねてドライブ管には
2.5V管の56、または27を使いたかったのですが、電源トランスの
ヒーター巻き線がなく、また新たにヒーター・トランスを購入するのも
お金がかかるので、12BH7Aのヒーターに使用していた12V用の
トランスをそのまま使用し、76はシリーズにヒーターをつないで12Vで
点火しました。
そのようなことで、部品は家の中から探し、今回の改造費は0円です。
■回路図です。
あとで述べますが、前のアンプのドライブ回路を変更し、A-351
の接続を1:1から1:2に変えて、ドライブ電圧を稼ぐことにしました。
また、電源部やその他、一部の抵抗の定数を見直してあります。
トランス結合とCR結合を切り替えられる前のアンプにも魅力があり
ますので、入力感度は、かなり低くなりますが、CR結合にも切り替え
られるよう、切り替え回路は、そのまま残すことにしました。
感度が低いですが、コントロール・アンプを使用すれば問題なく、パ
ワー・アンプとして使用する事が出来ます。(入力トランスだけを使う
ことも出来るので、入力トランスの外付けは便利です)
下記の回路図は、トランス結合時での45(245)とVT-52のコンパ
チブル・シングル・アンプとしての回路図です。元々、VT-52アンプの
ため、45のフィラメントは6.3Vから抵抗で2.5Vに下げています。
45は2.5VなのでAC点火で十分なのですが、VT-52の時にDC点
火でしたので、45(245)の2.5VもDC点火となっています。

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
■45(245)の動作
今回の回路における45の動作は下記のとおりです。
Ep:270V (320V-50V)
I p:33.3mA
Eg:-50V
Pd:9W (270V×33.3mA)
この動作は45の最大プレート損失10Wの90%で、ちょうど良いと
思います。
なお、フィラメント電圧を切り替えてVT-52でも電圧を測定しました
が、45と同じ値でした。
あくまで参考ですが、このアンプは、前記のようにトランス結合とCR
結合の切り替えが出来る兼用アンプを改造したもので、A-351の接
続は、1:1から1:2に変更しましたが、CR結合の切り替え回路は、
そのまま残しました。コントロール・アンプを使えばCR結合もOKで
す。
このアンプの実際の全回路図を末尾に記載します。
■試聴結果

また、3個のトランスをとおした音とは思えない、素晴らしい音だと思います。
特に人の声は素晴らしい音です。
・・・・・ 只今試聴中です。 ・・・・・
タムラ製のトランスは、音にきつい鋭さがなく、やわらかい音がします。
これぞ真空管アンプ・・・という音でしょうか・・・
なお、入力トランスのTK-133を使用しなくても、ラインアンプのヴォ
リュームをほんの少しだけ上げるだけで、十分です。
しかし、個人的には入力トランスを使用したほうが、音に力強さも見
られ、芯のしっかりした音のように感じます。
【参考回路】
今回の改造アンプの実際の全回路です。
送信管のVT-25、VT-62では、フィラメント電圧が6.3Vから整流し
た約6.9Vと、定格の7.5Vより低く、さらにB電圧も低いうえ、出力
トランスの1次側もZpが低いため、アンマッチですが、ちゃんと動作し
てコンパチブル・アンプとしても一応、聴くことが出来ます。
トランス結合とCR結合の切り替えが出来ることと、フィラメント電圧の
切り替えスイッチがあるため、多少、複雑な回路となっています。

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
個人的にはトランス結合の音は、周波数特性はカマボコ特性になりますが、魅力ある独特の音が好きです。
そのうち、ストック品のあるタムラ製のトランスで、再びアンプを作ってみたいと思っています。
・・・・ ご案内 ・・・・・
このアンプ以外の45(245)アンプについては、画面右側の書庫の
「2A3・45アンプ集」 及び、「ロフチン・ホワイト・アンプ集」にも投稿が
あります。ぜひ、のぞいてみてください。
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。