■ブルーノ・ワルターのモーツアルト交響曲
 
はじめに・・・・チョット一言、二言・・・・
モーツアルトは嫌い・・・或いは性に合わず、あまり聴かないというクラシック・ファンは意外と多い。何故か私にはわかりませんが、モーツアルトのほんの一部の曲だけを聴いて、嫌いという仰る方が多い。人によっては馬鹿にしたようなメロディーだとか、オーケストレーションが単純だとか、表面だけで深さのない音楽だとか・・・・本当にそうでしょうか???
 クラシック音楽ファンでも人それぞれ好みもありますので、何とも言えません。交響曲、協奏曲、室内曲、器楽曲、声楽曲、オペラ、宗教曲など幅広いモーツアルトの曲を聴くと彼の音楽の魅力が良く分かってきます。(確かに中には「音楽の冗談」のようなふざけた曲や、人を馬鹿にしたような、あるいは下ネタの言葉を羅列した下品な歌曲などの駄作?があるのは間違いありませんが・・・それも彼の音楽の魅力の一つかも知れません??)
 
因みに私は、それこそ馬鹿みたいにモーツアルトの全作品の音源をCD全集で持っていますし、その作品のほとんどを聴いています。(まだ聴き終わっていない曲も何曲かありますが・・・)また同じ曲でも何枚もの音源を持っています。ここまでくるとまさしく、クラシック馬鹿の病気と診断されます。この病気は治りません(笑い)
私は長いアマチュア合唱団の経験でも「レクイエム」の全曲は2回歌っていますし、「戴冠ミサ」全曲は3回歌っています。その他、何曲かのミサ曲の全曲を歌った経験もあることから、モーツアルトの音楽については、思い入れがあるのです。(個人的には非常に短い曲ですが、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」が美しい曲で大好きです。この曲は何度もステージで主にアンコール曲として歌っています)
 
そのようなモーツアルトの中から今回は交響曲です。彼の交響曲については以前にもこのブログ内で多くの音源を紹介していますが、ワルターや、ベーム、クーベリック、アーノンクール、カザルス、バーンスタイン・・・などなど多くの名演奏がありますが、今回はその中から、ブルーノ・ワルターのモーツアルト交響曲について簡単に述べたいと思います。
現在私の所蔵するブルーノ・ワルターの演奏するモーツアルトの交響曲のライブラリーは下記のとおりです。
 
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■交響曲第25番 ト短調
●コロンビア交響楽団(1954
●ウィーン・フィル・ハーモニーO(1956
ザルツブルグ音楽祭ライブ
●ニューヨーク・フィルハーモニック
1956/03/11ライブ)
■交響曲第28番 ハ長調
●コロンビア交響楽団(1954
●シカゴ交響楽団(1957/01/23ライブ)イメージ 2
■交響曲第29番 イ長調
●コロンビア交響楽団(1954
●ニューヨーク・フィルハーモニック
  (1956/03/04ライブ)
■交響曲第35番 ニ長調
 「ハフナー」
●ニューヨーク・フィルハーモニック
   (1953
●ニューヨーク・フィルハーモニック(1953/01/04ライブ)
●コロンビア交響楽団(1959)ステレオ
■交響曲第36番 ハ長調K. 425 「リンツ」
●コロンビア交響楽団(1955イメージ 3
●フランス国立放送O
   (1956/06/14ライブ)
●コロンビア交響楽団(1960)ステレオ
■交響曲第38番 ニ長調K. 504「プラハ」
●ウィーン・フィル・ハーモニーO
  (1936
●ニューヨーク・フィルハーモニック
  (1954
●フランス国立放送O(1955/05/05ライブ)
●コロンビア交響楽団(1959)ステレオ
■交響曲第39番 変ホ長調 K. 543
●BBC交響楽団(1934
●ニューヨーク・フィルハーモニック(1945/12/23ライブ)
●ニューヨーク・フィルハーモニック(1953/56)
●フランス国立放送O(1956/06/14ライブ)
●コロンビア交響楽団(1960)ステレオ
■交響曲第40番 ト長調 K. 550
●ベルリン・フィル・ハーモニーO(1950/09/25ライブ)
●ウィーン・フィル・ハーモニーO(1952ライブ)
●ニューヨーク・フィルハーモニック(1953
●コロンビア交響楽団(1959)ステレオ
■交響曲第41番 ハ長調 K. 551 「ジュピター」
●ウィーン・フィル・ハーモニーO(1938
●ニューヨーク・フィルハーモニック(1956
●コロンビア交響楽団(1960)ステレオ
 
 これらの中では、やはりCBSに録音を残したニューヨーク・フィルとのモノラル録音のものが生き生きとしたモーツアルトを聴かせてくれます。
 しかし晩年のコロンビア交響楽団との録音はステレオ録音で、今でも十分通用する素晴らしい録音です。しかも全ての録音が名演です。ワルターの残したモーツアルトはクラシック界の宝の一つでしょう。同時代に活躍したフルトヴェングラーがあと10年くらい長生きしてくれたら彼もステレオ録音による偉大な録音を多く残してくれたはず。ワルターのステレオ録音を聴くたびに、そんなことを思うのです。。。。
イメージ 4 
 最近、Memoriesレーベルから右の写真の1950年代のワルターのライブ演奏のモーツアルト交響曲の廉価BOXが発売され、すぐにとびつき購入しました。私は古いモノラル録音でもあまり気にしません。ニューヨーク・フィルとの25番、29番、35番、39番を始め、シカゴ交響楽団との28番、フランス国立放送響との36番、38番、そして40番はなんと、ベルリン・フィルとの興味あるライブ録音。
 このBOXは正規録音ではなく、プライベート録音もあるのか音は悪いですが、25番、と40番では録音もまあまあで、時に燃えるような激しい感情とダイナミックでロマンティックな演奏を聞かせてくれます。特にベルリン・フィルとの40番は録音もライブとしては、このBOXの中では最も良く、素晴らしいBPOの演奏を聴くことが出来ます。少し残念なのは音は前記のように良いのですが第3楽章のトリオのホルンの音がかなり歪んでいるのが何とも残念です。イメージ 5
 
 この音源のうち36番、38番、40番のライブについてはLPの棚をみたら、かなり前に写真のように購入していました。(ワルターのモーツアルトのLPレコードのほとんどは持っています)
 
 
 
 
 
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 同じ25番、40番のライブでも1956年のウィーン・フィル・ハーモニーOとの25番、1952年のウィーン・フィル・ハーモニーOとの40番はかなり演奏が異なります。特に40番では冒頭でのポルタメントが多くみられ、少し過剰とも感じる感情の表現が印象に残る名演です。
 
モーツアルトをあまり好まれない方・・・・ぜひワルターの演奏を聴いてみてはいががでしょうか・・・・・
 
では、また・・・・・HIROちゃんでした。
 
 
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