■ヴェルディの歌劇 「椿姫」全曲
以前にも同じことを書いたのですが、オペラは苦手です。よほど気が向かないとCDを聴いたり、DVDを鑑賞する気になれません。・・・・と言いつつ、有名なオペラのDVDやCDは、かなり多く網羅して持っていますし、同じ曲でも数種類をもっているのが多いです。
そんなオペラの中から、今回はヴェルディの「椿姫」・・・実はこの曲、好んで良く聴いたりするオペラではありません。第一幕は、華やかで良いのですが、どうも最後に近づくと性に合わないというか、あまり好きなオペラではないのです。・・・
しかし、なぜか音源は数種類を持っています。
私の「椿姫」のライブラリーは次の計6種類です。今回、一気に聴きなおしてみました。
●アルトゥール・トスカニーニ指揮/NBC交響楽団&合唱団
リチア・アルバネーゼ(Sp)、ヨハンネ・モレラント(Sp)、マクシーヌ・ステルマン(Ms)
ジャン・ピアース(T)、ジョン・ガリス(T)、ロバート・メリル(Br)、ジョージ・チェハノフスキー(Br)、ポール・デニス(Bs)、アーサー・ニューマン(Bs) (録音:1946年モノラル)

ジャン・ピアース(T)、ジョン・ガリス(T)、ロバート・メリル(Br)、ジョージ・チェハノフスキー(Br)、ポール・デニス(Bs)、アーサー・ニューマン(Bs) (録音:1946年モノラル)
古いモノラルですが、トスカニーニの気迫が全体に読み取れる演奏。録音は古いのですが、全曲をとおしてトスカニーニが、指揮をしながら自分でも声を出して歌っているのが良くわかります。歌手は多少弱い気がします。まあ、一度聴けば私は十分という感じです。でもこれは「椿姫」の歴史的録音であることには間違いありません。
●ガブリエーレ・サンティーニ(指揮)
トリノ・イタリア国営放送交響楽団, チェトラ合唱団
マリア・カラス(ヴィオレッタ), フランチェスコ・アルバネーゼ(アルフレード), ウゴ・サヴァレーゼ(ジョルジョ), エーデ・マリエッティ・ガンドルフォ(フローラ), アルベルト・アルベルティーニ(ドゥフォール男爵), イネス・マリエッティ(アンニーナ),マリアーノ・カルーゾ(ガストーネ子爵), (録音1953年モノラル)

マリア・カラス(ヴィオレッタ), フランチェスコ・アルバネーゼ(アルフレード), ウゴ・サヴァレーゼ(ジョルジョ), エーデ・マリエッティ・ガンドルフォ(フローラ), アルベルト・アルベルティーニ(ドゥフォール男爵), イネス・マリエッティ(アンニーナ),マリアーノ・カルーゾ(ガストーネ子爵), (録音1953年モノラル)
カラス・・・偉大な歌手なのでしょう。サンティーニ指揮の「椿姫」ではなく、どんなオペラの録音も、カラスが主役・・・マリア・カラスの○○○といった感じですね。カラスはジュリーニとも「椿姫」を録音していますが、この録音はカラスが30歳くらいの時の録音。かなり個性の強い声で好みが分かれるかもしれませんが、すでにこの録音でも、表情豊かな内面に深く踏み込んだ表現の歌を聴かせています。ただし他のテノールなどの歌手陣は多少、弱さを感じる演奏です。他のカラスの「椿姫」を聴いてみたい。
●フランチェスコ・モリナーリ=プラデッリ指揮
サンタ・チェチーリア音楽院管弦楽団&合唱団

ヴィオレッタ:レナータ・テバルディ
アルフレード・ジェルモン:ジャンニ・ポッジ
ジョルジョ・ジェルモン:アルド・プロッティ ほか
録音1954年ステレオ
実は、この音源はLPレコードで私が初めて購入した「椿姫」です。録音は1954年ですが、デッカの録音でステレオです。ここではテバルディが見事な歌を聞かせてくれます。とくに第一幕では、華やかな場面なので立派すぎるくらいの歌が良く合っています。第3幕は悲劇となるのですが、チョット内面的な暗い表情が足らなく感じます。でもこの録音は名盤だと思いますね。LPも時々聴くと良い音ですね。
●ガルデルリ指揮/シュターツカペレ・ベルリン
ミレッラ・フレーニ、フランコ・ボニゾッリ、ブルスカンティーニ ほか
1973年ステレオ録音
1973年ステレオ録音

フレーニは私の好きな歌手・・・そんな先入観のせいか、この録音のフレーニの歌声は素晴らしいものがあります。第一幕での歌唱、とくにラストに向かっての感情の豊かさと艶やかな力強い声には感激です。私のライブラリーの中のヴィオレッタは、このフレーニが最も好きです。
●カルロス・クライバー(指揮)
バイエルン国立管、バイエルン国立歌劇場合唱団
イレアーナ・コトルバス(S)、ステファニア・マラグー(Ms)、プラシド・ドミンゴ(T)、シェリル・ミルンズ(B) 他 (1976年、77年)

イレアーナ・コトルバス(S)、ステファニア・マラグー(Ms)、プラシド・ドミンゴ(T)、シェリル・ミルンズ(B) 他 (1976年、77年)
この録音は「クライバーの椿姫」でしょう。ドミンゴも声に張りがあり若々しく、他の歌手もしっかりとした歌唱です。また、オーケストラは抜群で、とくに弦の音色がきれいです。一言でいえば、この演奏は「スタンダードな椿姫」かもしれません。
●ゲオルグ・ショルティ指揮
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団・合唱団
アンジェラ・ゲオルギュー、フランク・ロパードズレオ・ヌッチ、
マリアン・ウジョーンズ、ジリアン・ナイト 他
(1994 収録 ライブ映像)

これはディアゴスティーニが配本販売したオペラシリーズDVDの中の1枚。収録はデッカ。映像は、この1枚しか持っていません。やはりオペラは映像だといいですね。
この映像ではヴィオレッタ役のゲオルギューは美しく、演出もいいと感じました。ショルティの全体的な完成度が感じられる映像でした。
最後に一言・・・・アンナ・ネトレプコのヴィオレッタを
見てみたい。。。。
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