■ルドルフ・ケンペのブラームス
 
 私が初めてルドルフ・ケンペという指揮者を知ったのは1971年の大学生時代、品川区の武蔵小山のレコード店でアルバイトをしていたころです。
 そして1972年のミュンヘン・オリンピックの時、どこの国か覚えていませんが、参加選手がテロにあって犠牲になり、悼むために競技場のスタンドでケンペ指揮/ミュンヘン・フィルハーモニーの演奏による、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」から第2楽章の演奏が流れている場面とケンペの指揮姿が、オリンピックの生中継?でテレビ放映されていました。その生中継?を学生寮の食堂のテレビで何人かで観ていたことを今でも良く覚えています。もうあれから40年以上が過ぎたのですネ。つい最近のように感じます。。。。(年はとりたくない!)
 
 さて、ケンペというとEMIへのリヒャルト・シュトラウスの管弦楽全集やベートーヴェンの交響曲全集など、名盤と言われる録音があります。これらは私も所蔵していますが、彼の録音はEMIへの録音が多いのですが、RCAとかCBS、BASFなど、いろいろな会社に録音しています。理由は私にはわかりません。
 また、ドイツ人ですが、イギリスでの活動も多く、ロイヤル・フィルハーモニーOの終身指揮者でしたが、最後は同じイギリスのBBC交響楽団に移っています。この理由もわかりません。
イメージ 1 まあ、そのような事はどうでもいいのですが、ブラームスもなかなか良い演奏を残しています。彼の残したブラームスの録音で私が持っているライブラリーは下記のとおりです。LPや、CDがありますがLPはほとんどCDで買い直しています。
                                              LPレコードの一部です。
 
■交響曲第1番 ニ短調
 ●ベルリン・フィルハーモニーO(1959
 ●ミュンヘン・フィルハーモニーO(1975)
■交響曲第2番 ニ長調
 ●ベルリン・フィルハーモニーO(1955/モノラル)
 ●バンベルク交響楽団(1963
 ●ミュンヘン・フィルハーモニーO(1975
■交響曲第3番 ヘ長調
 ●ベルリン・フィルハーモニーO(1960
 ●ミュンヘン・フィルハーモニーO(1975
■交響曲第4番 ホ短調
 ●ベルリン・フィルハーモニーO(1956/モノラル)
 ●ロイヤル・フィルハーモニー(1960
 ●ミュンヘン・フィルハーモニーO(1975
 ●BBC交響楽団(1976

■ドイツ・レクイエム
 
●エリーザベト・グリュンマー(S) ディートリヒ・フィッシャー=ディー

   スカウ(Br/ベルリン・フィルハーモニーO ベルリン聖ヘトヴィヒ
     大聖堂合唱団(1955モノラル)
■悲劇的序曲
  ●ベルリン・フィルハーモニーO(1959
■ハイドンの主題による変奏曲
  ●ベルリン・フィルハーモニーO(1956モノラル)
  ●バンベルク交響楽団(1963
■ヴァイオリン協奏曲ニ長調
  ●ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)/ベルリン・フィルハーモニーO
     (1957
 
  これらの録音の中ではミュンヘンPOとの交響曲全集が録音の音も良く、名盤とされていますが、個人的にはベルリンPOとの全集の方が好みです。残念ながら第2番と第4番がモノラル録音ですが、鑑賞としては問題はありません。イメージ 2
  ミュンヘンPOとの新録音と基本的な解釈は同じように思えますが、ベルリンPOの方が全曲とも、弦と木管のかけあいとかが素晴らしく、響きのつくり、精気、集中度、完成度から見ても上だと思います。特に第1番での自然な高揚感、第2番での繊細で明るい響きの旋律の歌わせ方、などが素晴らしく第4番でも堅実な中にも気迫も感じられます。時折感じられる情熱的なテンポの揺らしと、うねりは格別です。
 
  イメージ 3また、同じ第4番ですが、彼が亡くなる僅か3か月前のBBC交響楽団とのライブ録音も感動的です。ベルリンフィルのような重厚さや、完璧なまでのアンサンブルは聴けませんが、第1楽章の冒頭から、ヴァイオリンが感傷的で何とも言えません。第3楽章や第4楽章もライブならではの迫力もあり名演です。
 
 
 
  また、ベルリン・フィルハーモニーOと、ベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂合唱団、フィッシャー=ディースカウなどによる「ドイツ・レクイエム」の重厚さも、このオケと合唱団だからこそ出来た演奏でしょう。
 
イメージ 4
  もう1枚、私の愛聴盤はヴァイオリン協奏曲。これはメニューイン/ベルリン・フィルハーモニーOによる演奏。これは勿論、ヴァイオリン協奏曲でメニューインのヴァイオリンも名演ですが、ケンペのオーケストラ(BPO)が素晴らしいのです。特に第二楽章のオーボエの美しい音色にはゾクゾクします。この第2楽章の始めを聴いているとヴァイオリン協奏曲ではなく、ブラームスの「オーボエ協奏曲?」ではないかと思うほど美しいのです。
 このCDは、中古店で100円で購入した物。同じ録音のCDが、何故か手元にあと2枚あります。
 
  ケンペが亡くなったのは66歳、指揮者としては、もう少し長生きしてもっと多くの録音を残してほしかったと思うのは私だけでしょうか・・・
 【関連投稿記事】
この書庫の中に次の投稿記事があります。下記のアドレスにクリックすれば繋がります。
■ブルーノ・ワルターのモーツアルト交響曲
■バルビローリのシベリウス交響曲全集
■大指揮者?のベートーヴェン交響曲全集
■ネヴィル・マリナーのベートーヴェン交響曲全集
  (86種類目のベートーヴェン交響曲全集です)
■マーラーの交響曲全曲
■カラヤンのブルックナー交響曲
■オイゲン・ヨッフムのブルックナー交響曲
■ギュンター・ヴァントのブルックナー交響曲
■カラヤンのベートーヴェン交響曲全曲のライブラリー
■マタチッチのブルックナー交響曲
■クナッパーツブッシュのブルックナー交響曲
■フルトヴェングラーとカラヤンのベートーヴェン
  交響曲第9番「合唱」
■カール・シューリヒトのブルックナー交響曲
■マーラー交響曲「大地の歌」
■ブルックナーの交響曲第7番、8番、9番(朝比奈隆指揮)
■チャイコフスキーの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■シベリウスの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■ブラームスの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■モーツアルトの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■ベートーベンの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
  では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。