■「常陸管球の会」第15回試聴会
 
 
※お詫び:一時、紹介のアンプの写真を間違って消してしまいま
  した。申し訳ありません。修復しました。
 
今回は、自作真空管アンプ満載の記事です。音譜音譜
426日(日)に「常陸管球の会」の自作真空管アンプによる試聴会が開催されました。会場は茨城県那珂市の中央公民館の視聴覚室です。
 
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※この写真は那珂市役所のホームページから転写しました。
 
■はじめに・・・チョット一言・・・
 
 今回は出品アンプも多く、午前中からの開催となりました。朝から多くのお客様が来られ、会場の駐車場にもたくさんの車が・・・そんな中、
イメージ 2んなにカワイイ車で会場に来られた方も・・・実はこのカワイイ車、ブログ仲間の「Yさんです」さんのミニカーです。タケオカ自動車工芸の「アビー」という車です。今回の試聴会のために、わざわざ遠方から来られました。朝6時に出発されたとの事です。カワイイ車ですネ~!
 「Yさんです」さんとは、初めてお会いしました。ブログのお仲間の方と実際にお会いできるのは交流が深められ大変うれしいですね。
(「Yさんです」さんのブログのアドレスを末尾で紹介します。ぜひ訪問してみてください。楽しい記事満載です)
 
■「常陸管球の会」と試聴会について
 さて、試聴会ですが「常陸管球の会」は、現在、会員14名で茨城県那珂市周辺の真空管自作アンプ愛好者をはじめ、茨城県内や、最近は熱心な県外の方もいる会です。この試聴会も今年で15回目となりました。(私にとっては入会3年目で2回目です)
イメージ 3 今年は、展示アンプを除く10台の自作真空管アンプでの鳴き合わせです。お客様は、約60名位(述べ80名位)の方がお見えになり、アンプがずらりと並んだところで試聴会の開始です。試聴曲は、各アンプを自作された会員思い思いの曲で、歌謡曲、ジャズ、クラシック、ボピュラー、軽音楽などなど・・バラエティーに富んだ試聴会となりました。
 
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       会場の様子です・・・・・
 
■使用機器
 今回の試聴会で使用した機材です。(写真を撮るのを忘れました)
   ・スピーカー    アルティック 604C
   ・プリアンプ    SRT-200(会員の自作品)
   ・CDプレーヤー  デノン 1650SE
 
■出品アンプの紹介
 会場では製作者による、各アンプの解説と回路図のプリントを配布しましたが、ここでは試聴に使われた自作アンプ10台をアンプの構成を中心に簡単に紹介しましょう。(発表・試聴順)
 なお、音についての感想等は、あくまで適当な表現による私の個人的な感想であることを御理解下さい。
 
●6336Bパラレル・PP・アンプ(K・Kさんの作品)音譜音譜
 
 イメージ 5アンプ作り50年のベテランさんです。
・初段6267(3結)~6AQ8グリッド接地型位相反転~12BH7Aカソード・フォロワー~6336B・パラPPという構成。OPTは、ラックス/OY15-3.6KHP
サーマル・リレー管を使用し、ヒーター・ウォームアップ後にB電源ONという安全設計。「力を感じるアンプ」が聴いた印象でしょうか。ダイナミックな表現が最高です。出力は歪率1%以下で約30Wというアンプです。
 
●Marconi PX4シングル・アンプ(M・Kさんの作品)
 
イメージ 6 会員の招へいによる、大阪からのゲスト参加。製作者のM・Kさんは、女性の内科医の先生。1年半ほど前に真空管アンプの音に魅了され、自分でも真空管アンプを作ってみようと真空管の理論にも挑戦し、アンプ自作を始めて僅か1年半の間に、あっという間に10台もの欧州管を使用したアンプを自作してしまうどころか、真空管式のFMチューナー、フォノイコライザーからスピーカーBOXまで自作したという、会員顔負けのスーパー女医さんです。(驚くほどの知識にびっくり、脱帽です)今回も欧州管での参加です。
・EF86(3結)~EF86(3結)~PX4というCR結合アンプ。OPTは、ハシモト製という構成。
試聴曲は古楽器を中心にしたバロック音楽。上品で清楚な中にも力強さを感じる音のアンプで、古楽器を豊かな艶やかさのある音で再現しました。
 
●VT-52シングル・アンプ(T・Kさんの作品)
 
イメージ 20T・Kさんもゲスト参加です。
・396A(1/2)~12AU7(1/2)CR結合~12AU7(1/2)カソード・フォロワー~VT-52という構成。
使用したVT-52は、ウエスタン・エレクトリック社製、整流管もWE-412Aです。
70年位前の6V6用の米国製小型出力トランスを使用したもので、広帯域はカバーしていないとの事ですが、出力は3Wと小出力ながらWE-300Bにも似た、豊かな中域音と芯のしっかりした3極管らしい音のアンプです。グレーの再塗装が光ります。
 
●71A ロフチン・ホワイト・シングル・アンプ(私、HIROちゃんの作品)
 
イメージ 7 このブログでも紹介済のアンプです。ドライバー管には、トップグリッドの75を使用。ロフチン・ホワイト回路による直結アンプです。出力は今回の試聴会の中では、唯一の無帰還アンプで、最も小さい0.8W位のミニワッターです。能率の高いスピーカーにも助けられ、スーザン・ボイルの歌声をサチルことなく、再生できたと思います。0.7~0.8Wという小出力でありながら会場いっぱいの清々しい音に参加されたお客様も、満足されたと思うのですが・・・(自己満足です)せっかくなので、展示用に出品したオールトランスイメージ 8結合の71Aプッシュプル・アンプ(これもブログで紹介済)にも切り替えて鳴らしてみましたが、こちらは約1.6Wの出力、71Aの音の特徴を生かしつつ、音が豊かになった感じです。こちらも無帰還で、トランス結合ですが周波数特性が良いアンプに仕上がっています。
 
●300B A級パラレル・シングル・アンプ(H・Tさんの作品)
  
イメージ 216SN7のSRPP~6CA7(EL34)3結~300Bパラという構成CR結合。OPTはタンゴFX-50という重量級です。300Bのバイアス電圧は自己バイアスとC電源による半固定バイアス方式。6CA7によるパワードライブが効いた力強い音です。300Bで聴く歌謡曲はステージでの豪華な歌謡ショーを思わせる、正に贅沢なアンプです。
 
●KT-88(3結)プッシュプル・30Wアンプ(H・Nさんの作品)
 
イメージ 9 定年退職を機会に昔のアンプを引っ張り出してリメークしている。今回のアンプも40年ぶりに当時のラックスOY-36-5などのトランス類を生かし、シャーシやCR類を新たなものに製作したアンプです。
12AX7(1/2)~12BHA(グリッド接地型位相反転)~12BHA(カソード・フォロワー)~KT-88(3結)PPという構成
ビーム管接続とは全く異なった迫力の中にも輪郭のしっかりとした、艶とスケール感のある音を聴かせてくれました。
 
●50H-B26(3結)プッシュプル・アンプ(A・Hさんの作品)
 
イメージ 10 今回、初参加の会員の方です。
タンゴの入力トランスNN-6による位相反転~12AT7~12AU7(カソード・フォロワー)~50H-B26(3結PP)という構成。当初のUL接続から今回は3極管接続へ変更しての登場。B電源も、出力部に6060と12AX7を2本、ドライバーのB電源も7EM8を使用した独立の真空管式定電圧回路を採用し、全段直結という力作。
 今回の出品にあたっては何度も試行錯誤しながら、この回路に落ち着いたとのことで、クラシックの豊かなオーケストラを再現していました。
なお、アンプ前面の真空管用保護カバーは、なんとキッチン用品の「油切り」を綺麗に曲げて加工したもの。このアイディアには会場の方々からも絶賛でした。お見事!
 
●RCA42シングル・アンプ(S・Hさんの作品) 音譜
 
 イメージ 22初段はRCA1603(77)~RCA42、整流管もRCA83VとRCAでまとめた出力2.5Wのシングル・アンプ/CR結合。初段の1603(77)同じRCAの6C6とも挿し換えOK。
自作された木枠付きのシャーシが美しいアンプ。42は昔からラジオに多く使われていた5極出力管ですが、オーディオ・アンプとしても実に素晴らしい音を出してくれます。
バランスの良い骨格のある安定した音が魅力です。
 
●6080 プッシュプル・アンプ(K・Mさんの作品)
 
イメージ 11 この会の会長さん。小学生時代にすでにスーパー・ラジオを組み上げた、オーディオ歴約65年以上?の師匠です。真空管の知識については生き字引き的存在のお方!真空管アンプでわからないことがあれば、このお方に聞いて相談すれば何でも解決してくれる・・・「オーディオ父さんの独りごと」のブログ名でもおなじみのKIYOさんだ。
 今回はラックス・キットA3500の改造機。元々A3500は出力管に6CA7(EL34)ですが、段の6AQ8(1/2)~6AQ8(グリッド接地型位相反転)~6080単管PPという構成に改造。電圧調整等によりドライブ回路を生かしつつ、超低内部抵抗Rp=280Ωの6080(6AS7-GT)の深いバイアス球をドライブしたアンプです。
 試聴で出てきた音は伸びのある重低音。超低内部抵抗の球だからこそ、得られる音です。ヴォーカルでは、声に厚みがあり説得力が感じられます。しかも艶やかさや潤いも感じる素晴らしい再現力です。あまりの素晴らしさから、参加者のお客様から歌謡曲のアンコール・リクエスト!皆さん、うっとりでした。。。
 
●SV-811-3プッシュプル・アンプ(M・Yさんの作品)
 
イメージ 12 811-3という真空管は811AをベースにSvetlana社が開発した比較的新しいオーディオ出力管。6.3V、4Aというトリエイテッド・タングステンの光輝くフィラメントが実に美しい雰囲気を出すアンプです。(上の写真は、まだ電源は入っていません)
 
 
イメージ 13 演奏途中で私が会場の明かりを少し落としてみました。見事な輝きに会場からどよめきが・・・
811A-3は最大プレート電圧800Vの球ですが、今回はプレート電圧450V、プレート電流70mA,バイアス-80Vでの動作。初段管は双5極管6J11による差動アンプ構成で本機の全利得を稼ぎ、6BX7によるカソード・フォロワー出し~811-3PPというアンプ。トリタン・フィラメントの特徴でもある伸びのある高域と艶やかさが感じられる、アンプです。
 
■参考出品アンプ(展示アンプ・コーナー) 音譜音譜音譜
 
イメージ 14●2A3 ロフチン・ホワイト・アンプ(KIYOさんの作品)
 
●2A3 ロフチン・ホワイト・パラ・シングル・アンプ(KIYOさんの作品)
 これらKIYOさんのアンプについては、下記のKIYOさんのブロブに、訪問してみて下さい。後からゆっくり見てくださいね。。。
 
イメージ 15アドレスは、こちらです。
   ↓
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
●71A オールトランス結合プッシュプル・アンプ
  (私、HIROちゃんの作品)
 
  このアンプは予定外で、前記のように会場で鳴らしてみました。
 写真は71Aロフチン・ホワイト・アンプのところで紹介済です。
 
●71A オールトランス結合パラ・シングル・アンプ
  (私、HIROちゃんの作品)
 
 イメージ 16これら71Aのアンプについては、このブログの書庫から訪問すると多くの71Aアンプの製作記事があります。後からゆっくり見てください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
●HY-65シングル・アンプ(多分、S・Hさんの作品?だと思うのですが、間違っていたらゴメンナサイ)
 
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HY-65は直熱のビーム管、自作の木枠が美しいですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
●6DR7 ロフチン・ホワイト・シングル・アンプ(「Yさんです」さん)
 
イメージ 18 このアンプは冒頭で紹介したカワイイ車の「アビー」で遠方から駆けつけたブログ仲間の「Yさんです」さんのアンプ。会場に持参されたので急遽、コーナーに展示させて頂きました。超小型のアンプで使用した細長い縦長の電源トランスには会場に来られた方が、興味深々にみられていました。近いうちにブログで紹介されると思います。
 
「Yさんです」さんのブログはこちらです。
  ↓
 
■番外編
 イメージ 19会場には、数十年ぶりにアンプを作られたという、オールドファンの愛好家の方がアンプを会場に持参されました。試聴は出来ませんでしたが、会場内で情報交換をされていました。東芝の6GA4のシングル・アンプです。なんとも素晴らしいルックスですネ。大ベテランの技が外観からも見受けられました。整流管はDR-1006というガス入り放電管の整流管のようです。電源を入れた美しい放電の光が神秘的でした。
 
 今回は午前から午後までの長時間の開催であった事もあり、昼の休憩時間や終了後も多くの方々と情報交換が出来、有意義な楽しい試聴会を行うことが出来ました。
今回の投稿では、一挙に試聴会に出品された自作の真空管アンプを全て紹介しました。真空管アンプを自作される方が少なくなってきている今、真空管アンプを絶やさないためにも、会員一同、真空管の魅力を多くの方に、これからも伝えていきたいと思っています。
 
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。