■コンパチブル・ロフチン・ホワイト・アンプが
   完成しました。
   ※2015/03/29 追加投稿しました。
   ①文章を追加しました。(電源部ケミコン容量について)
   ②トランス・カバーを作成しました。
          (末尾に写真を追加しました)
   ※2015/04/06 回路に設計ミスがあり、修正し、
                                     加筆投稿しました。
   ※2015/04/16 追加修正 
                                    6GA4挿し換え時の回路図が6F6
                              と同じものになっていました。修正
                                    しました。
 
アンプが完成しました。アンプの名称は「コンパチブル・ロフチン・ホワイト・シングル・アンプ」・・・もっと正確に言うなら「6F6/6V6/6L6三極管接続ロフチン・ホワイト・シングル・アンプ(兼)6GA4ロフチン・ホワイト・シングル・アンプ」という長~い名前のアンプになります。
1台のアンプで何種類かの出力管をそのまま挿し換えて、使用することが出来ます。(今回は切換えスイッチも無しで、そのまま挿し換え出来る回路定数としました)
今回、アンプ製作にあたって購入した部品はヒューズ・ホルダー1個だけで、後は全て家の中のジャンク品と一部、買い置きのストック品で、ありあわせの部品で作りました。まずは出来あがったアンプの姿から・・・・
 
イメージ 1
 
まだ、ボリュームの「ツマミ」と出力トランスのトランス・カバー、シャシーのゴム足がついていません。トランス・カバーは後から作ります。
写真のアンプには6F6-GTを挿しています。
 
配線の様子です。結構急いで配線したので少し雑です。
回路の設計ミスによる修正後の写真として入れ替えました。電源部で、ヒーター・バイアス用の抵抗とケミコンが増えました。
(2015/04/06 写真入れ替え)
 
イメージ 7
 
 
■はじめに・・・・工夫すれば楽しい。。。
当初は、今回使用したジャンク品のシャーシは以前、6AH4シングルだったので、今回もテレビ管である純3極管の6AH4を使用したロフチン・ホワイト・アンプを作ろうと考えていましたが、NEC製の6F6-GTを結構持っていることから出力は小さくなりますが、3極管接続のロフチン・ホワイト回路としました。また、6F6、6V6、6L6(5881など66系を含む)は、足のピン接続が全く同じであるため、工夫すれば、多少適正動作でなくても、音の出るアンプが出来ること。そして6F6の3極管接続の音は、これまで何台かアンプを作って良い音だったので6F6に決定したわけです。
それと、チョット考えると、東芝製の6GA4は、6F6等と異なり3極管でソケットのピン接続も異なります。しかしグリッドの1番、5番ピンのうち5番ピンは6F6と同じで、しかもプレートは3番、カソードは8番と共通していて6F6のG2(スクリーン・グリッド)の4番ピンは、6GA4ではNC、逆に6F6の1番ピンはNCなので、回路の定数を工夫すると、そのまま差し替えが出来るアンプができるのです。
 
■回路の設計等と使用真空管について
回路ですが、実は使用する中古の電源トランスがブリッジ整流でB電源が約80mA位しかとれません。しかも今回は、整流管にダンパ管を使用した半波整流を採用するため、さらに電流が取れません。そのために、出力管のEp(プレート電圧)、Ip(プレート電流)を絞って、かなり軽い動作の設計としましたが、結果としては、それほど出力は小さくなりませんでした。
●電源部
イメージ 2電源部ですが、今回は2A3のような直熱管ではないのですが、ヒーターのウォームアップ時間を合わせるために、傍熱タイプの整流管を使用しました。今回は、テレビ用ダンパ管の6W4の新品(松下製)を2本持っていたので、これを初めて使用してみました。取付位置がケミコンに近く、多少発熱が心配ですが、元々開いていたケミコン用の穴を利用したので我慢です。放熱用の穴も開けませんでしたが大丈夫です。半波整流、しかも電源部にチョーク・トランスも使用しませんでした。3極管なのでハムが心配でしたが、傍熱管と言うこともあり、完成して見るとスピーカーに耳を近づけても、ほとんどノーハムでした。
 
 2015/03/29  投稿記事追加
※元新潟のUさんからB電源平滑回路のケミコンに対する
 コメントがありましたので、コメントに対する説明を
 追加しておきます。
 
本来6W4-GTをダンパ管でなく整流管として使用する場合、規格表ではコンデンサ・インプットの場合のMAXは20μFです。傍熱管なので47μFでもいいだろうという単純な考え。結果としては47μFでハム防止にも効いているのでしょう。
しかし、47μFを入れるならケミコンの前に数十Ω位の抵抗を入れ、ケミコンへの突入電流を和らげる必要がありますが持ち合わせの抵抗が無かったので入れませんでした。・・・・コメント欄と同じ文章です。
 
整流管の規格表にはコンデンサ・インプットに対するコンデンサの容量が記載されていますが今回の20μFに対し47μFでも大きな問題はないでしょう。直熱管の5U4Gや5Y3(80)は10μF、高圧で良く使用される5R4は、何と4μFですが、いろいろな製作記事をみても、これらの容量を厳守している回路はないでしょう。2倍程度までの容量なら特に大きな問題はないと思いますね。直熱管だとケミコンの容量を過大にするとフィラメントが痛むようですが、傍熱管ならそれほど気にしなくてもいいのかもしれません。ケミコンの前に数十Ω位の抵抗を入れれば直熱管でも多少容量の大きなコンデンサでも、大きな問題はないと思います。(このへんのところについては、素人なので良く分かりません)
 
2015/04/06 追加投稿
なお、ロフチン・ホワイト回路のため、出力管のカソードに高電圧が、かかります。6F6のヒーター・カソード間の最大電圧(耐電圧)は±90V、6GA4は100Vですので、ブリーダー抵抗の15KΩから50Vのヒーター・バイアスをかけています。これにより6F6-GTでも、カソード・ヒーター間の電圧は・・・96V-50V=46Vとなりますので、心配はありません。
 
●アンプ部
出力管のカソード抵抗値は、Ep(プレート電圧)、Ip(プレート電流)、カソード電圧とドライブ管のEp(プレート電圧)等からを求めるのですが、ロフチン・ホワイト・アンプの設計では、重要なポイントです。機会を見てロフチン・ホワイト・アンプの設計法(定数の求め方)について詳しい計算方法の投稿も考えていますが、ここでの詳細は省略します。基本はオームの法則と真空管の規格が分かれば設計できます。いろいろ計算して、家にあった近似値の抵抗を使用して設計した回路で作りました。
ドライブ管ですが昔、MT管の5球スーパー・ラジオの検波・増幅用に多用されていた7ピンMT管の6AV6を使用しました。双2極・3極管の複合管ですが、3極部の電気的特性は、増幅率(μ)=100で12AX7の片ユニットとほとんど同じです。この球は12AX7よりは、安く入手できるでしょう。「ラジオ球でオーディオ球ではない駄球」と仰るマニアの方は使わない方がいいでしょう。お高い「テレフンケンのダイヤマーク入り」あたりのECC83球をアンプに使って下さい。
 
イメージ 3使用する出力管ですが6F6、6V6や6L6系の球については、あらためて詳細な紹介をする必要はないでしょう。6F6は6V6と特性は少し似ていますが、6F6は5極管、6V6と6L6系の球はビーム管です。昔は6V6や6L6-GC、5881などビーム管が大好きだったのですが、最近は「ビーム管の音は嫌いだ!」と仰るアンプ作りの仲間の言葉に、すっかり洗脳され、ビーム管が何故か嫌いになってしまいました。・・・・本当です。。。
 
イメージ 46GA4ですが、オールドのファンには懐かしい真空管でしょう。この球は東芝だけが製造販売していたオーディオ専用真空管ですが、業務用や既製のアンプとして使用されたことのない、いわば自作するアマチュア向けの出力管のイメージがありました。元々は6BX7の片ユニットを取り出したような球ですが、戦後に開発された唯一のオーディオ用純3極管です。6RA8やNECがLUXと開発した8045-Gも3極管ですが、構造は多極管で内部で3極管接続された3極管です。
(テレビ用に開発された偏向管の純3極管は、たくさんあり、これらはアンプの出力管としても使用できます)
写真の6GA4は、今から45年位前の高校生の時に、購入した球で、この2本しか持っていません。現在でも入手できますが、もの凄く高価で手が出ません。
 
●出力トランスについて
使用した出力トランスは、春日無線の「OUT-54B-57」の中古を使用しました。このトランスはケース無しのトランスですが、オリエント・コア、低域に少し不満がありますが、高域の音が伸びて綺麗な高音の出るOPTだと思います。低域の不満はロフチン・ホワイト回路なので改善されるでしょう。
東栄変成器の「OPT-5S」と共に、安価で特性の良いOPTです。
 
 
●回路図について
回路図を示しますが、非常にシンプルな回路です。私はいつもシンプル・イズ・ベスト・・・当初、6AV6のカソード抵抗にバイアス・コンデンサの47μのケミコンを付けましたが、NFBをかけていないために、入力感度が高く、試聴の結果、取り外しました。(好みによって出力トランスの2次側から6AV6のカソードにNFBを軽くかけてもいいと思います)
回路図は各出力管使用の共通の回路図になっていますが、6GA4使用時の回路図も別途掲載しました。
 
2015/04/06 追加投稿
 
なお、最初に投稿した回路図には設計ミスがありました。下記の回路図は修正後の回路図です。(最初の回路では、ヒーター・バイアスをかけずに、ヒーターをアースしていました)

訂正:下記の整流管が6AW4と表記してありますが、6W4-GT
         が正しい表記です。
 
イメージ 8
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
 ※2015/04/16 追加修正 6GA4挿し換え時の
  回路図が6F6と同じものになっていました。
    下記のとおり修正しました
 
  回路図の右下側電源部(ヒーター・バイア
     ス部)が切れています。
     回路図上をクリックして見て下さい。
   
イメージ 9
 
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
 
各出力管、使用時の動作は下記のとおりで、電源トランスの制約から、Ep(プレート電圧)も低く電流も少ないため、Ep、Ipの特性カーブからみた適正なバイアス電圧からは、多少、外れていますが、Pd(プレート損失)は非常に軽い動作となっていて、動作上の問題はありません。使用した全ての出力管で似たような動作データとなっています。
 
●6F6使用時の動作
 Ep:200V、Ip:32mA、Eg-16V、Pd:6.7W
●6V6使用時
 ほぼ、6F6使用時と同じです。
●6L6-GC使用時
Ep:200V、Ip:33.3mA、Eg-20V、Pd:6.7W
●6GA4使用時
 ほぼ、6L6-GC使用時と同じです。
 
試聴の結果
試聴の結果、前記のようにNFBをかけていないためもあり、入力感度がかなり高かったので、6AV6のカソードのコンデンサは、省きました。
まだ、充分に聴いていませんが、ハムについては全くノーハムに近く良好でした。聴いた感じでは6GA4が電圧、電流とも6GA4の規格からすると絞っていますが、出力は使用した出力管の中で最も大きいようです。2W近くは出ているようです。6GA4は3極管らしい芯のしっかりした音で、懐かしさも感じました。6F6と6V6、6L6では、出力は最も小さいのですが6F6が素直で綺麗な音です。6F6の規格表の3極管接続のシングルでは、Ep:250V、Ip:31mA、Eg-20Vで出力0.85Wという動作例が示されていますが、聴いた感じではEpが40Vほど低いのですが、直結アンプのためか1W以上出ている感じで、音量に不足は感じません。
6V6も6L6もビーム管接続の音から全く別の音に変身して心地良く聴こえます。
 
今回は、電源トランスの電流の制約はあったものの、「楽しめるアンプ」が出来たと思っています。こんなアンプを設計して作るのもアマチュアだから出来るオーディオの自作者の楽しみです。
 
追加投稿(2015/03/29) 写真1枚追加
 
イメージ 6トランス・カバーを
今日、作ってみまし
た。
材料は、何と木製で
す。
600mm×60mm×
5mのアガチス材
をホームセンターか
ら買ってきて
カッターで切り、組
み立て塗装しました。
 チョット冴えませんが、
これで良しとします。
 
 
追加投稿 2016/05/06
     トランスカバーを変えてみました。
 
イメージ 10
  
 
【関連記事のご案内】
■1626(VT-137)パラ・シングル
   ロフチン・ホワイト・アンプ
 
イメージ 5最近、製作したロフチン・
ホワイト・アンプの記事
です。
  この製作記事は書庫の
ロフチン・ホワイト・ア
ンプ集」ではなく、「16
26/VT-137アンプ」
の書庫にあります。
小型送信管のパラ・シング
のロフチン・ホワイト・アンプです。
 
 詳しくはこちらです。
 1626(VT-137)パラ・シングル
    ロフチン・ホワイト・アンプ
   ↓
 
今回のアンプの他にもロフチン・ホワイト・アンプの記事があります。画面、右の下記の書庫からご覧ください。
 
「ロフチン・ホワイト・アンプ集①」
★掲載アンプ
■316Aロフチン・ホワイト・アンプ
 (ドアノブ管の送信管です)
■46/47兼用ロフチン・ホワイト・アンプ
   ■45ロフチン・ホワイト・アンプ (2台分)
■6080低電圧動作ロフチン・ホワイト・アンプ
 
「ロフチン・ホワイト・アンプ集②」
6CS7 ロフチン・ホワイト・アンプ (ミニ)
71Aロフチン・ホワイト・アンプ
6EM7 ミニ・ロフチン・・ホワイト・アンプ
2A3/45/VT-52/6A3/300B
   コンパチブル・ロフチン・ホワイト・アンプ
 ・・・・とんでもない大作?
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。