■6BQ5(3極管結合)シングル・アンプ
・・・・5極管接続の既存のアンプを改造・・・・

そこで、今回は、右の写真の6BQ5シングル・アンプから100mA用の電源トランス(TANGO PH-100)を取り外して、これを使用することにしました。
そのかわりに、壊したアンプから取り出した、山水のPT-80Bトランスの中古品が家にありましたので、これと入れ替えることにしました。

上が、取り外した電源トランス(タンゴ PH-100)、下が新たに入れ替えた山水のPT-80Bトランスです。
PT-80Bはブリッジ整流でB電流が約80mAしかとれないので、6BQ5シングルでは容量が不足します。
そのために、これまでの6BQ5アンプを3極管接続に回路を変更し、小型のPT-80Bトランスでも使用出来るように、昨日、改造したものです。
6BQ5の真空管規格表に3極管接続のシングルでの動作例が記載されていますが、その動作は・・・
Ep:250V、I p:36mA、Eg:-13.4V
Rk:270Ω、RL:3.5KΩ
となっています。この時の出力は1.94Wとなっています。
今回の改造にあたり、適当なカソード抵抗を探しましたが、見つかりませんでしたが、330Ω(2W)が2本あったので、これを使用することにしました。これならば、プレート電流も更に少なくなるので、小型の電源トランスには好都合です。多少の出力の低下は問題にしません。
今回の改造箇所は次のとおりです。
・電源トランスの交換と、それに伴う整流方法の変更
(PH-100は両波整流、PT-80Bはブリッジ整流)
・B電源回路の電圧等の変更とケミコンの容量追加
(本来は3極管結合なので、チョーク・トランスを使用するの
が良いのですが、傍熱管という事もあり、抵抗だけのB電源と
しました。
結果としては、ハムは、ほとんど聴こえないくらいにおさまり
ました。
・6BQ5の3極管接続への変更。
(本来は、6BQ5のグリッド入力部に1KΩ程度の抵抗を入れ
たり、スクリーン・グリッド(G2)とプレートの接続にも60
~100Ω程度の抵抗を入れた方が発振防止の観点からいいので
すが、今回は、 省略しました。)・・まあ、このいい加減さ。
・無帰還アンプに変更。
NFBをかけた方が、周波数特性も良くなり、ハムの点から
も有利なのは分かっていますが、あえて今回は、改造前のカソ
ードNFもやめて、無帰還としました。これには多くの方が異
論があると思いますが、このような小出力の3極管アンプの場
合には、NFBをかけると音が引っ込んでしまい、つまらない
音になるような気がします。
(あくまで個人的な好みです)
3dB位ならいいかもしれませんが・・・私は3極管の場合、
無帰還とするのがポリシーなので・・・

配線ですが、改造前の配線を、そのまま利用しています。だいぶ雑な配線になっています。
今回の改造した3極管接続の6BQ5の動作は、下記のとおりです。
前述の6BQ5の動作例より、かなり軽い動作ですので、出力も、頑張っても1.5W程度だと思います。
Ep:240V、I p:30mA、Eg:-9.9V
Rk:330Ω、RL:5KΩ
となっていてPd(プレート損失)は、240V×30mA=7.2Wです。
なお、初段管は、プレート抵抗を100Kにしてありますので、12AU7でも12AT7、12AX7どれでも、そのまま挿し換えが出来ますが、12AT7や12AX7では、NFBもかけていませんので入力感度が少し高すぎます。この回路では12AU7が丁度、使いやすいと思います。(電圧表記は12AU7使用時となっています)
12AT7や12AX7使用の場合には、当然、初段のEp(プレート電圧)は高くなり、各部の電圧配分は変化しますが、使用にあたっては全く問題なく挿し換えが出来ます。
■改造後の回路です。
(私のアンプの回路は、いつも 「シンプル・イズ・ベスト」
です)

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。

電源トランスが少し小さくなっただけで、外観は全く改造前と変わりません。
改造前の電源トランスの穴も隠れて見えません。
今回の改造は1626パラ・シングル・アンプ制作に必要な電源トランスの入れ替えに伴う改造アンプでしたが、心配されたハムも、ほんのわずか・・・・
スピーカーから耳をあてて、30cmも離れれば、聴こえなくなる程度となりました。これまでの6BQ5の少し力強いパワフルな音から、今回の改造で3極管接続らしい芯のある、少し繊細な感じの音に変身しました。
出力は、小さくなりましたが、十分な音量で聴くことが出来ます。
6BQ5のシングル・アンプを作る場合には、UL接続や3極管接続も試すと新しい発見が出来ると思います。
切替スイッチで、これらの兼用とするのもアマチュアのアンプとしては面白いでしょう。
改造前の6BQ5シングル・アンプの回路図などについては、同じ書庫にあります。こちらのアドレスをクリックしても繋がります。
↓
6BQ5シングル・アンプ
※上記の投稿記事の他、この書庫には、6CW5プッシュプル・アンプの製作記事もあります。
↓
では、いよいよ来週あたりから「1626パラ・シングル・ロフチン・ホワイト・アンプ」の製作に入ります。。。。。
お楽しみに・・・・・・
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。