■ジャンク・コーナー 真空管編 その①
オーディオ用12AX7や12AU7の代用として使用・・・・・
真空管アンプ作りは、中学1年生から作りはじめ、これまで趣味として、約50年間続けてきました。これまでに作った真空管アンプは100台は超えます。
ですから、我家には自然とジャンク品もなかなか捨てられずに残っています。真空管もST管、GT管、MT管などのジャンク真空管が相当数あります。中には秋葉原のジャンク店で、ビニル袋に10数本入りで200円~300円位で買い求めたものも多くあります。また、1本100円位で購入した物も多いのですが、ほとんどがラジオ球やテレビ管、初期のコンピューター用の真空管です。
中には50年前、中学生の時に電気店の裏庭に、野ざらしに捨ててあった壊れたテレビやラジオから、黙って抜き取ってきた、12BH7Aやトランス・レス・ラジオなどの真空管も捨てずに残してあります。
下の写真はMT管のジャンクの一部、この他にも、まだまだあります。自分で分かるように適当に分けています。ジャンク品といっても立派に利用できるのです。

このようなテレビ用などのジャンク真空管でも、オーディオ用として立派に使用することが出来ます。マニアの方の中にはテレビ管やラジオ管はオーディオ用として使い物にならない・・・・と仰る方も多いのですが、そのようなマニアの方は、テレビ管やラジオ管は使わない方がいいでしょう。12AX7はテレフンケンのダイヤマークがいい・・・とか、EL34はムラードじゃないとダメ・・・・とか仰るかたは、お高い真空管を使えば安心なのでしょうね・・・
しかし、ラジオ少年から育ったオールド・ファンなら多くの真空管を経験されているので、テレビ管やラジオ管のオーディオへの応用は分かるのでしょうが、いきなり2A3アンプや300Bアンプをキットなどで作られる方や完成品をお持ちの方は、正直、真空管の名前や使い方が分からない方が多いのでしょうね・・・ですから12AX7や12AU7ばかり、一生懸命探しているのではないでしょうか・・・?(GT管なら6SN7や6SL7なども同じで欲しい方がたくさんいるようですが・・・)
12AX7や12AU7が無くても、あるいは6SN7や6SL7が無くても、少し回路の抵抗値や電圧等を変更して設計すれば、いくらでも使用出来る真空管は、ワンサとあります。
低周波増幅用の真空管ではなく、高周波用のテレビ管やラジオ管でもアンプの低周波増幅用に使用出来る真空管もたくさんあります。
そこで、このコーナーでは、これらのジャンク真空管のオーディオ・アンプへの応用についても多少、触れますが、あくまで私、個人の勝手な使い方ですので、もし使われるのであれば、使われる方の自己責任で使ってください。
けっして、12AX7や12AU7等の代わりに使いなさいと、お薦めしているわけではないことをご理解ください。
今回は、第1回として私のジャンク品の球から次の真空管を紹介します。
■12R-LL3、12AV7、5965、5963
ピン接続は12AX7や12AU7と全く同じ・・・真空管の規格表を見れ
ば、抵抗値や電圧を変えることでオーディオ用として使用出来ます。

画面上左:12R-LL3 画面右:12AV7
画面下左:5965 画面右:5963 全て中古ジャンク品(完動品)
主な規格(動作例など)
■12R-LL3 (中μ電圧増幅用双3極管)
最大プレート電圧:275V 最大プレート損失:2.8W
ヒーター・カソード間耐圧:±100V
動作例又は静特性
プレート電圧:150V プレート電流:10mA (RK:230Ω)
増幅率(μ):30 プレート抵抗:5.5KΩ
■12AV7 (中μ電圧増幅用双3極管)
最大プレート電圧:300V 最大プレート損失:2.7W
動作例又は静特性
・プレート電圧:150V プレート電流:18mA (RK:56Ω)
増幅率(μ):41 プレート抵抗:4.8KΩ
・プレート電圧:100V プレート電流:9mA (RK:120Ω)
増幅率(μ):37 プレート抵抗:6.1KΩ
■5965 (電圧増幅用双3極管)
最大プレート電圧:300V 最大プレート損失:2.4W
動作例又は静特性
・プレート電圧:150V プレート電流:8.5mA (RK:220Ω)
増幅率(μ):47 プレート抵抗:7KΩ
■5963 (中μ電圧増幅用双3極管)
最大プレート電圧:250V 最大プレート損失:2.5W
動作例又は静特性
・プレート電圧:150V プレート電流:8.5mA
増幅率(μ):21 プレート抵抗:6.6KΩ
※5963は12AU7と、そのまま挿し換えてもOKです。ほぼ同じ特性
の球です。
12R-LL3、12AV7、5965は、増幅率(μ)で比較すると12AX7
(μ=100)と12AU7(μ=20)の中間ぐらいです。
ここでは、細かな回路の応用までは説明しませんが、これらの球は
カソード抵抗を数百Ωで使用するのが多いのですが、1KΩとか2K
Ωとして電流を2、3mAとしても十分にドライブ管として使用出来ます。
これらの真空管は増幅度(μ)が大きい割にプレート抵抗が低いのが
魅力です。プレート抵抗が低いのでトランス結合でも使用可能です。
この他の9ピンMT管のテレビ管で、高周波用の真空管ですが、アンプ
の電圧増幅用として使用できる球は、それこそワンサとあります。
12BH7Aや6DJ8は、元々テレビ管ですが、今ではオーディオ管みた
いに使われている物もありますね。
6R-HH2、6R-HH8、6BQ7A、などのテレビ用真空管もオーディオ
用に使用出来ます。
7ピンのMT管でもワンサとありますが、今日はここまで・・・・・
また、次の機会にしましょう。。。。。
もし、ジャンク箱にこれらの真空管があったら、アンプに使用して見て
はいかがでしょうか・・・・
なお、このコーナーは私がアンプに使用した経験のある真空管を中心に掲載しますが、けっして、これらの真空管のアンプへの使用をお薦めしている訳ではないことを御理解下さい。
また、使用した経験のある真空管といっても、具体的に回路等の詳細を示すものでもありません。ある程度、真空管に対する知識のある方を対象として、真空管の規格等を中心に投稿しますので、これらの真空管をお使いになる場合には、あくまで自己責任で設計したり、実験したりして下さい、投稿者としての責任は、一切持ちません。
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。