ベートーヴェンの交響曲は私にとって、クラシック音楽の原点、特別なものがあります。以前の投稿でも書きましたが、いつの間にか気がつくとベートーヴェン交響曲の私の音源のライブラリーは、1番から9番「合唱」までの全集だけでも84種類も集めてしまいました。
曲別に、特に第5番と第9番「合唱」についてだけみると、軽く100種類を超えていると思います。もはや、こうなると完全なる「病気」です!
一人の指揮者でも数種類の録音を持っているものも多くありますが、その中でもフルトヴェングラーとカラヤンの「合唱」が私のライブラリーでは最も多いので、今回は、これらの私のライブラリーについて紹介します。
 
■フルトヴェングラーの
  ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」
 
 フルトヴェングラーの第9番「合唱」は、次々に新しい音源がCD化され、現在は10種類以上がCD化されていると思いますが、私の持っているCDは、次の8種類です。当然、全てモノラルの録音ですが、1950年代の正規録音については比較的、聴きやすく充分に鑑賞に耐えられる音質だと思います。
 どの録音もライブ録音で基本的には、同じスタイルの演奏ですが、この中では、1951年のバイロイト祝祭管弦楽団の演奏が最高だと思います。寄せ集めのオケとはいえ、これほどまでに緊張感を持った巨大な、そして美しい演奏はないでしょう。特に私にとって第3楽章は、この世とは思えないほどの美しさ、正に、このまま死んでもいいくらいのアダージョ・・・安らぎさを感じます。これだけゆっくりとした演奏ながら、ダレたり引きずるような感じは全くありません。第1楽章のスケールの大きさも素晴らしいものがあります。モノラルですが、クラシック音楽ファンなら絶対に聴かなければならない名盤中の名盤でしょう。
 また、彼の死の年に残したルツェルンでのフィルハーモニア管弦楽団とのライブも素晴らしい演奏で、この演奏でも特に3楽章は素晴らしく、この楽章だけなら、このルツェルンでのライブが最高かもしれません。
 
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■バイロイト祝祭管弦楽団、同合唱団
 エリーザベト・シュワルツコップ(ソプラノ)
 エリーザベト・ヘンゲン(アルト
)
 ハンス・ホップ(テノール
)
 オットー・エーデルマン(バス
)
 1951729日、バイロイト
 
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■ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、
ウィーン国立歌劇場合唱団、ザルツブルク大聖堂合唱団員
イルムガルト・ゼーフリート(S)、ジークリンデ・ヴァーグナー(A)、
アントン・デルモータ(T)、ヨーゼフ・グラインドル(B)、
1951831
 
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■ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン・ジングアカデミー
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
ロゼッテ・アンダイ(アルト)
アントン・デルモータ(テノール)
パウル・シェフラー(バス)
1953531日 ウィーン楽友協会大ホール(ライヴ)
(ムジークフェラインロトヴァイザー放送収録)
使用音源:独フルトヴェングラー協会盤
 
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 ■フィルハーモニア管弦楽団、ルツェルン祝祭合唱団
エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
エリザ・カヴェルティ
(A)
エルンスト・ヘフリガー
(T)
オットー・エーデルマン
(Bs)
1954
822日、ルツェルン 
 
  ここからの録音は1940年代のもの。当然、音も悪いですが、テンポのうねりと共にみられる緊張感や、スケール感などは充分に聴きとれますが、やはり音楽として鑑賞するなら、前述の50年代のものということになります。
 但し、40年代の録音の中では1942/3/2224の録音については、特に第1楽章のとてつもない激しい燃焼のスケールの大きさには、感動を覚えます。これも名盤。
 
■ベルリン・フィルハーモニーO&CHO1937/5/19
ベルガー(S)、ピッツィンガー(A)、ルードヴィヒ(T)、ヴァツケ(Bs) 
■ベルリン・フィルハーモニーO,ブルーノ・キッテル合唱団
(1942/3/2224)
ブリーム (S),ヘンゲン (A),アンデルス (T),ヴァツケ
(Bs)
■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ブルーノ・キッテル合唱団
ヒトラー生誕前夜祭のライヴ録音(1942/4/19)
ベルガー(S)、ピッツィンガー(A)、ロスヴェンゲ(T)、ワッケ(Bs)、
■ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(1943/12/8
 シンベルイ(S)、タネル(A)、ベッケリン(T)、ビョルリンク(B
 
■カラヤンのベートーヴェン交響曲第9番「合唱」
 
  私は「アンチ・カラヤン」と言いつつ、指揮者の演奏者別にみると私のクラシックのライブラリーではカラヤンが最も多く、LPやCDの棚を埋め尽くしています。
  とは言っても、やはり私にとってカラヤンのベートーヴェンは、どうでもいいくらい面白くありません。私のカラヤンのベートーヴェン交響曲の印象は簡単に言えば、言葉は悪いのですが、「イケメン的な上っ面のスマートで聴かせ上手な、無難な演奏・・・」ということになります。
 確かにベルリン・フィルの素晴らしいオケのアンサンブルを聴くことは出来ますが、内面的な深さが私には、あまり感じません。 
そんなアンチ・カラヤンの私が持っているライブラリーは、映像を含め次の12種類のカラヤン演奏です。
 
  あえて、カラヤンのベートーヴェンの交響曲を推薦するなら私としては、1950年代のフィルハーモニア管弦楽団と、1962年のベルリン・フィルハーモニーとの最初の全曲録音のものになります。フィルハーモニア盤は、ベルリン・フィルほどオケの良さはありませんが、実に若々しく生き生きとした演奏です。この全集は当初、8番のみステレオ録音でしたが、第9番「合唱」のステレオ録音が最近、ワーナーから全集の中の1枚として発売され、この1枚のために、再び同じフィルハーモニア盤の全集を購入してしまいました。第9番を聴くと確かに音が豊かになりましたが、ステレオ感はあまり感じない録音でした。
    ※2014/12/30 追加投稿」
   今日、あらためて聴いたら、ステレオ感ありますね。この前は車の中で聴いたのであらためて聴いてみました。初期のステレオ録音ですがなかなかの音です。
 
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■フィルハーモニア管弦楽団/ウィーン楽友協会合唱団
 エリーザベト・シュヴァルツコップ(Sp)
 マルガ・ヘフゲン
(A)
 エルンスト・ヘフリガー
(T)
 オットー・エーデルマン
(Bs)
 1955年 ウィーン、ムジークフェラインザール 
 
   1962年のベルリン・フィルハーモニーとの最初の全曲録音ですが、私としては同じ年代のベートーヴェンの録音ならコンビチュニー指揮のゲヴァンドハウスOの方が新鮮で、生き生きしてると思うのですが・・・・
  確かに1970年代や80年代の録音も悪くはありませんが、これらの録音を聴くとカラヤンの催眠術にかかってしまうので、あまり何度も聴かないことにしています。
 
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■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ウィーン楽友協会合唱団
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
ヒルデ・レッセル=マイダン(アルト)
ヴァルデマール・クメント(テノール)
ヴァルター・ベリー(バス)
196210, 11月 ベルリン
 
  そんなカラヤンの演奏ですが、興味深い第9があります。それが1977年のジルベスター・コンサートライヴのライブ映像のDVD。ユニテルから販売されているもので、この演奏は正にごまかし無しの、緊張感あふれる素晴らしい演奏。19681,2月、製作の映像はツギハギだらけのごまかし映像でしたが、これはガチ真面目な本物。。。これはアンチ・カラヤンですがお薦めの演奏です。
 
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■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ベルリン・ドイツ歌劇場合唱団
(合唱指揮:ヴァルター・ハーゲン=グロール)DVD
アンナ・トモワ=シントウ(S
アグネス・バルツァ(A
ルネ・コロ(T
ジョゼ・ヴァン・ダム(Bs
19771231日、ジルベスター・コンサートライヴ 
 
後は、その他の音源ライブラリーの紹介のみです。
■カラヤン(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
シュヴァルツコップ、ヘンゲン、パツァーク、ホッター他
1947年 
モノラル
  この演奏は古いですが私は好きな方です。
 
RAIローマ交響楽団 
テレサ・シュティッヒ=ランダル(S
ヒルデ・レッセル=マイダン(Ms
ワルデマール・クメント(T
ゴットロープ・フリック(Bs
195412月 ※モノラル
海賊盤?演奏は私には、1回聴けば十分です。
 
■ウィーン交響楽団/ウィーン楽友協会合唱団
リーザ・デラ・カーザ(S)
ヒルデ・レッスル=マイダン
(A)
ヴァルデマール・クメント
(T)
オットー・エーデルマン
(Bs)
1955
625日 ウィーン,ムジークフェラインザール (ライヴ
)
〔ロート・ヴァイス・ロート放送グループによる収録
ウィーン交響楽団アーカイヴからの正規復刻〕
※モノラル
モノラルですが、聴きやすい音で演奏も緊張感が見られます。 
 
■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/、ヘドヴィヒ合唱団
シュワルツコップ(S)、ヘフゲン(A
ヘフリガー(T)、フリック(Bs)
1957
425日、ベルリン・フィル創立75周年記念演奏会ライヴ
※モノラル
これはmemoriesレーベルの海賊盤?演奏自体はまずまずですが、音が良くありません。  
 
■ニューヨーク・フィルハーモニック/ウエストミンスター合唱団
 (1958/11/22 アメリカ公演ライブ)
これもmemoriesレーベルの海賊盤?演奏自体はライブ感もありますが
音が良くありません。  
 
■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、クリスタ・ルートヴィヒ(アルト)、
ジェス・トーマス(テノール)、ヴァルター・ベリー(バス)、
DVD
19681,2月 ベルリン
ツギハギだらけの失敗作でしょう。。。。
 
■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ウィーン楽友協会合唱団
アンナ・トモワ=シントウ(S)、アグネス・バルツァ(MS)
ペーター・シュライアー(T)、ジョゼ・ヴァン・ダム
(BS)
1976
年、1977
演奏としては一番良いとの評価もありますが・・・好きになれません。
無難な演奏ですがスマート過ぎる。
 
■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ウィーン楽友協会合唱団
ジャネット・ペリー(ソプラノ)、アグネス・バルツァ(アルト)
ヴィンソン・コール(テノール)、ジョセ・ファン・ダム(バス)
19839月 ベルリン
これを最高と評価する方が一番多いようですが・・・カラヤン催眠術にかかってしまい、うまく聴かされてしまうのでキライ・・・凄い演奏と錯覚してしまう?凄い演奏ではなく、うまくごまかした綺麗な演奏。
 
■ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ウィーン楽友協会合唱団
クベルリ、ミュラー=モリナーリ、コール、グルントヘーバー
DVD 19869月、ベルリン、フィルハーモニー・ザール
曲の出だしからして演出された映像。これは聴く映像ではなく、見る映像でしょう。目を閉じて聞くなら少しいいかも・・・・
 
単なる持っているCD、LPの紹介だけのような内容になってしまいましたが、カラヤンの演奏では、日本公演の普門館でのライブ録音の交響曲全曲が販売されているのですが、価格が高く、今のところ手が伸びません。カラヤンは、もう買わなくてもいいかも・・・・
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では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。