ア・カペラ合唱団「アヌーナANUNA」演奏会
昨日は、福島県のいわき市まで出かけ、いわき芸術文化交流館アリオスで行われた、アイルランドのア・カペラ合唱団「アヌーナANUNA」の演奏会に福島の友人と4人で行ってきました。


ア・カペラコーラスの「アヌーナANUNA」は、演奏会用パンフレットによると、下記のような紹介がありました。
「中世アイルランドの音楽を現代に甦らせる」というコンセプトのもと、1987年にダブリンの作曲家マイケル・マクグリンによって結成された男女混声の合唱団。マイケルが発掘した中世アイルランドの聖歌、大衆的な伝統歌からオリジナル曲まで多彩なレパートリーを持つ。ラテン語、英語、ゲール語を巧みに組み合わせた歌詞で、中世の歌を現代的、時にシュールなアレンジで聴かせる。
アヌーナは、2011年の東日本大震災の復興応援イベントをきっかけに、いわき市の小名浜第一小学校との交流があり、小名浜第一中学校とあわせ2校の歓迎のコーラスから演奏会が始まりました。
曲目は、リーダーでもありマイケル・マクグリン作曲によるものがほとんどで、「きよしこの夜」「ダニーボーイ」など数曲しか分かりませんでした。(プログラムを参考に末尾に添付します)
プログラムの進行は、通訳を通し、マイケル・マクグリンさんが、時にユーモア的な表情も見せながらの曲の説明がありました。
さて、演奏ですが、どの曲も舞台の「蝋燭」に見立てた明かりの演出もあり、非常に神秘的で透明感あふれるコーラスの美しさです。
特に女声のソプラノの声はビブラートのない澄んだ綺麗な声でした。曲により会場の客席の中に蝋燭(実際は蝋燭に見える明かり)を持ってゆっくり歩きながら歌うなど、宗教的な感じの曲もありました。
なかでも、アンコールとして歌われた宮崎駿作詞、久石譲作曲の「もののけ姫」は非常に研ぎ澄まされた声でとても癒された感じでした。
しかし、もうひとつの私の勝手な感想ですが、この「アヌーナ」という合唱団、言い方は悪いのですが、この団体は何故かリーダーで作曲家でもあるマイケル・マクグリンさんの個人的な欲求を満足するためのコーラス・グループになっているのでは・・と感じます。
なぜなら、アヌーナのホーム・ページによれば、これまでは、アイルランド人だけで構成されていたメンバーでしたが、ここ3年で男性全員と女性3名が入れ替わり、国籍もアメリカやイタリアの歌手も入れています。このような小編成の合唱団でメンバーのほとんどが入れ替わる・・というのはあまり理解できません。きっとマイケル・マクグリンさんの求める声や技量に満足しなかったのでしょうね。
曲を聴いても、そのほとんどが中世の音楽でありながら、実は良く聴くと少し違和感も感じます。これは、やはりリーダーの「マイケル・マクグリンさんの作曲による中世音楽」であり、完全なる伝統的な中世音楽ではないからでしょう。
しかしマイケル・マクグリンさんの作曲の曲は確かに「神秘的で透明感あふれる、とても癒されるコーラス」であったことは間違いありません。とても不思議な、そして癒された素晴らしいコンサートでした。
ご参考
アヌーナ/ホームページ
↓
今回のプログラムです。

【参考記事】
同じ書庫内に下記の投稿記事があります。下記をクリックすれば
記事に繋がります。
■あひる会合唱団第52回定期演奏会
■ブロムシュテット指揮/NHK交響楽団定期演奏会
(チャイコフスキー交響曲第4番 他)
■小林研一郎指揮
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団演奏会
(チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」他)
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第90回定期演奏会
(ベートーベン交響曲第7番)
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第89回定期演奏会
(ベートーベン交響曲第4番)の感想記事は、こちら・・・・
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。