■ノロウイルスに注意!!
 
※2014/11/23 17:10 加筆再投稿
※2014/11/25  17:40  加筆再投稿
※2015/11/14 加筆再投稿
 
このブログでは真空管アンプやクラシック音楽の話を投稿していますが、私は電気の専門家でもなければ、音楽家でもありません。アンプ作りも音楽も「私の趣味」です。
 私はプロフィールにも書いてあるとおり、専門は「食品衛生学」や「食品微生物学」「食品学」などの講義を担当している大学と専門学校の教員です。サラリーマン時代には食品会社で、主に研究室で製品開発や品質管理、微生物検査業務などを38年間、経験してきました。いわば、専門は「食べ物の話」・・・・
 そこで・・・久々の「気まぐれ日記」書庫への投稿ですが、これから寒くなる季節に多発する、「ノロウイルス」を原因とする「感染性胃腸炎」や「食中毒」について、正しい基礎知識と予防法について簡単に書いてみましたので、ご参考ください。(簡単と言っても、少しわかりにくいかもしれませんが、読んでみてください・・・)
 
 きっと「ノロウイルス」という言葉を聞いたことがあっても、まちがった知識かもしれませんよ。。。。「ノロウイルス」について正しく理解し、「ノロウイルス」を原因とする感染症や食中毒にかからないようにしましょうネ。家庭での簡単な消毒液の作り方と、消毒方法のパンフレットも紹介します。
 
■ノロウイルスの基礎知識
(1) ノロウイルスによる食中毒(感染症)は一年を通して発生しますが
   特に冬期に多く発生します。
   (インフルエンザの多発期と同じです)
 
(2) ノロウイルスは細菌ではありません。ウイルスです。
   ノロウイルスは人間の腸管でのみ増殖します。食品中では増殖しま
  ん。
  細菌は自己増殖できますが、ウイルスは生物にとりつかないと増
  殖できません。
 
(3) ノロウイルスは非常に少ない数で感染します。(感染力が強い)
   だから感染症としても扱われるのです。ノロウイルス食中毒は発
   生件数、患者数とも非常に多い食中毒です。
 
   ノロウイルス食中毒とノロウイルスによる感染性胃腸炎(感染症)
   は、同じと考えてください。
   食べ物(食品)を介して発症した場合は・・・・食中毒です。
   しかし・・・感染者のウイルスが大量に含まれる便や吐物などから
   直接もしくは、これらの飛沫物から二次的に感染した場合は・・・・
   感染症扱いとなります。
 
(4) ノロウイルス食中毒 (感染症) の症状
 
   ノロウイルスに感染した場合には一般的に潜伏期間は24時間
   48時間嘔吐・下痢・腹痛・発熱などが主な症状です通常は
   1~2日間で症状は消えますが、免疫力が低下した老人や乳幼
   児では注意が必要です。(嘔吐、下痢による脱水症状、嘔吐物
   による窒息などで死亡する場合もあります)
   但し、全ての症状が出るとは限りません。
   嘔吐だけや下痢だけとか、風邪のように熱だけという場合もあり
   ます。 特効薬はありません。(脱水症状にならないよう水分の補
   給が重要です。一度に補給すると吐いてしまうので、すこしづつ
   補給します)
 
(5) 感染しても全く症状が出ない場合もあります。(これを不顕性感染
   と言います) 不顕性感染・・・・実はこれが怖い !
  ノロウイルス食中毒は、この不顕性感染の人が症状が無いため、
  自分では気がつかず、十分な手洗いなどを行わずに調理作業を
  行い、食中毒を起こしてしまうことが非常に多いのです。
 
(6) ノロウイルスに感染すると体内から排出されるまで、かなりの
   数がかかります。    (症状がなくても平均2~3週間位と言われて
   いますが、1ヶ月以上ということもしばしばあります。)
 
(7) 一度かかっても何度も感染することがあります。(同じ年でも何
   回でもかかることがあります)これは、多数の遺伝子型があるた
   め、同じ人が複数の違った型のウイルスに感染することがある
   のです。
   また、感染が腸粘膜での局所感染のため、免疫の持続時間
   短いのも特徴です。
 
(8) 消毒薬に対する抵抗性が強い。
   ノロウイルスは、細菌ではなくウイルスです。そのため細菌には
   抗生物質や消毒薬が効くのに対し、ウイルスには効かないので
   す。アルコールなどに対する抵抗性が強いので、アルコールで
   の消毒はほとんど効果が無いが特徴です。
   ※塩素系消毒剤は効果があります。
 
(9) 乾燥や酸にもつよく、水中でも長時間生きている。
 
■ノロウイルス食中毒(感染症)
  の予防・対策
 
  自身がノロウイルスに感染しないよう注意する。
・特に家庭内での感染に注意!小さなお子さんがいる場合、保育
 園や幼稚園で感染症として感染し、同居の家族に感染する場合
 が多いのです。
  ・外出先では・・・・・
   多発期はマクスの着用。できるだけ人ごみは避け、駅やコンビニ
     等のトイレは、できる限り利用しない方が良いでしょう。(急な吐き
     気や下痢で利用する人が多い)
  やむを得ず使用する場合にはマスクをし、使用後は良く手を洗い
  ましょう。
 
家庭や職場で感染者が発生した場合には、冷蔵庫の取っ手、トイレ
   の便器、ドアノブ等の消毒を行う。(塩素系消毒液) タオルなどの
   共用も避けるようにします。(家庭でもトイレも2箇所あれば区別す
   ると良いでしょう)
  消毒方法等については末尾のパンフレットを見てください。
 
  アルコール消毒はほとんど効果がないので 手洗いは2回、ウイル
  スを洗い流すことが大切。(物理的にウイルスを洗い流す)
 
④症状があった場合には、調理作業などはしない。 
 
⑤食品に直接触れる職業の場合 (盛付や製品の箱詰・包装など)
  は使い捨て手袋とマスクの完全着用とし、手袋は汚さない事が
  大事です。。
  家庭ではとにかく、完全防備はしなくても手を良く洗いましょう。
 
⑥包丁、まな板等器具類の洗浄、消毒を徹底する。(塩素系消毒液、
  熱湯消毒)
 
⑦加熱調理品は充分に加熱する。(90℃以上)
 
⑧生野菜等は充分に洗浄する。
 
⑨二枚貝の中腸腺にウイルスが蓄積されるため、カキ貝等の生食は
  極力避ける。
  養殖の「生食用」と表示されている生カキは、加工基準が食品衛
   生法で決められているので、食中毒の心配はあまりありませんが
  「天然のカキ」は大きくておいしいのですが、ノロウイルスに汚染され
  たものが多いので、飲食店などでの「天然カキ」の生食は、おすすめ
  できません。
 
※2014/11/25 17:40 加筆再投稿
 なぜ天然の牡蠣は食中毒のリスクが高いのか・・・・
 
天然の牡蠣で特に川の河口付近で獲れたものは、プランクトンを多く食べるので大きく、美味しいのですが、真水と海水が混じる河口のプランクトンはノロウイルスに汚染されている確率が非常に高いので天然の大きな「岩牡蠣」の生食はリスクが高いです。
 
  牡蠣の中腸腺という内臓にノロウイルスが蓄積されます。牡蠣は他の貝の生食と違い、内臓も一緒に丸ごと食べるのでリスクが高いのです。実際にはシジミやホタテ貝もノロウイルスに汚染されていることが多いのですが、シジミは生では食べませんし、ホタテは生食の場合、内臓は食べずに「貝柱」しか食べないのでノロイウルス食中毒になりにくいのです。
 
 いかがでしたか・・・・ちょっと難しかったかもしれませんが・・・・
 「手を良く洗うことが大事ですね。
 最後に家庭での消毒液の作り方をパンフレットで紹介します。
 なお、厚生労働省のホーム・ページの「ノロウイルスのQ&A」があり
 ますので、こちらも参考にしてくださいネ。。。。
下記のアドレスにアクセスしてください。
 ↓
 
更に詳しくお知りになりたい方は、下記の国立医薬品食品研究所の下記の
アドレスから見てください。
 ↓
 
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 では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした