■ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の名盤
※2014/11/11 18:50 一部加筆再投稿
※2014/11/12 16:30 一部加筆再投稿
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、好きな曲のためか、結構な数の音源をライブラリーとして持っています。協奏曲のBOXなどや、中古のCDで100円か200円で購入したものも多くあり、自然と集まってしまった感じです。しかし、この投稿をするためにCDやLPを見たら、シェリング、クレーメル等がありません。クレーメルは持っていると思ったらブラームスでした。クレーメルはマリナー、アーノンクールと共演の録音がありますが、機会があれば聴いてみたい音源です。できればシェリングも・・・・
この曲は、カデンツァが、クライスラーだったり、ヨアヒムだったり、最近は独奏者自身のカデンツァで演奏するソリストもいて、かなり聴いた感じや印象が大きく変わるように思います。
私のこの曲のライブラリーはLPでも多く持っていますが、そのほとんどをCDでも再購入しています。おもな演奏の寸評などを書きたいと思います。私の棚のライブラリーは、次の25枚です。

●クリスチャン・フェ
ラス/サージェント
ロイヤルPO(1959)
●クリスチャン・フェ
ラス/カイルベルト
フランス国立放送O
(1967/5/30ライブ)
(推薦)
●クリスチャン・フェ
ラス/カラヤン
ベルリンPO(1967)
フェラスの演奏では、カイルベルトとのライブ録音が最高。これまではドラティとのシゲティ盤かクリュイタンスとのオイストラフ盤が、私の中でのこの曲のベストでしたが、この投稿を機会に聴き直して、このフェラスの演奏が私のベスト1になりました。迫力ある緊張感と感情が良く表れた超名演だと思います。あまりの熱演にフェラスのヴァイオリンの弦が切れてしまうのではないかと思うほど、音に乱れがある部分もあるのですが、これこそライブ!オケはフランスのオケですが重厚さがあり、迫力もライブのせいか、さすがカイルベルト!フェラスとの息もぴったりの凄演。録音もライブですがステレオで不満なし。拍手入りの完全ライブ録音。この演奏を聴くと、カラヤン盤は色あせて聴こえます。
なお、このCDは3枚組でピエール・モントゥー指揮でベートーヴェンの2番やストラヴィンスキー、プロコフィエフなどのライブが収録されていて、こちらもなかなかの演奏です。
※2014/11/11 18:50加筆投稿
今回は、フェラス/カイルベルト盤が最高とは書きましたが、この演奏はフェラスの単純な演奏ミスも随所に見られるため、推薦盤としては?かもしれませんが、何故か感動する演奏です。そのうち何回か聴くうちに自分の評価も、変化するかもしれません。

●ダヴィット・オイスト
ラフ/クリュイタンス
フランス国立O(1959)
(推薦)
●ダヴィット・オイスト
ラフ/
ジュリーニ
ウィーンPO
(1974ライブ)
LPもありますが、これはCDで再購入した、ベートーヴェン協奏曲集のフランスEMIのBOXの中の1枚。
オイストラフのクリュイタンスと共演した録音は古いにも関わらず、今でもベスト1とする人が多く、私も名盤だと思います。豊かな音色で、特に3楽章のカデンツァは素晴らしい演奏です。
しかし、全体的に見ると個人的な好みですが、どちらかというと、スタジオ録音盤なら、私はミュンシュと共演したハイフェッツや、ドラティとのシゲティの演奏の方に興味を持ちます。なお、1974年盤のライブは海賊版なので、お薦めはしません。たぶんFM放送からの録音ですネ。

●ヨゼフ・シゲティ/
ワルター/ニューヨー
クPO(1947)
●ヨゼフ・シゲティ
/ドラティ
ロンドンSO(1961)
(推薦)
2枚のうち、ドラティとの演奏はLPだけですが、私はこの演奏が好きです。・・・世間の評判はイマイチですが、多少ぶっきらぼうなところもありますが、ソロの出だしのヴァイオリンの音には、魂を感じます。全曲を通すと何度聴いても飽きない演奏だと思います。ドラティの伴奏もなかなかです。ワルターとの演奏も若さがありいいのですが、聴くならステレオのドラティ盤がおすすめ。このLPは私が最初に購入したベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトでした。

●ヤッシャ・ハイフェ
ッツ/トスカニーニ
NBCso(1940)
●ヤッシャ・ハイフェ
ッツ/ミュンシュ
ボストンSO(1955)
(準推薦)
ハイフェッツの録音を集めたBOXからの1枚。これもLPからの買い直し。どちらもテクニックを生かした演奏ですが、ミュンシュとの録音では、テンポが、もの凄く速く、スマートで、少しベートーヴェン的な感じではないようにも思いますが、明るく、スカッとした感じの演奏も悪くはないと思います。
ボストンSOもいい。最初期のステレオですが音に不満はありません。
●ユーディ・メニューイン/フルトヴェングラー
ルツェルン祝祭O(1947)
●ユーディ・メニューイン/シルヴェストリ
ウィーンPO(1960)
●ユーディ・メニューイン/クレンペラー
ニューPO
フルトヴェングラーの指揮は、協奏曲のせいか全体として彼独特のテンポのうねりなどは、あまり感じられず伴奏に徹していますが、それでも彼と共演したメニューインの演奏は名盤のひとつでしょう。クレンペラー盤もいいですが、シルヴェストリ盤が意外と安心して聴けます。
●アンネ・ゾフィー・ムター/カラヤン
ベルリンPO(1979)
●アンネ・ゾフィー・ムター/カラヤン
ベルリンPO(1984)DVD※映像
●ヴォルフガンク・シュナイダーハン/カラヤン
ルツェルン祝祭O(1955/8/27ライブ)
カラヤンが伴奏した、この曲は前記のクリスチャン・フェラスの他に、この3枚を持っています。私は、どちらかというと、アンチ・カラヤンで、カラヤン指揮のコンチェルトと聞いただけで、あまり聴く気になれません。何となく独奏者のコンチェルトではなく、カラヤンのコンチェルト・・・というイメージが強いのです。
しかし、ムターとの演奏では、まだ10代の若きムターをカラヤン、そしてBPOが優しく、包み込んでいくようにも感じ、スマートな演奏で、実に清々しくも感じる好演です。それに対し1984年の映像録音は、カラヤンの編集の継ぎはぎ演出満載で、画面中心に目がいってしまうため、曲の印象が薄く感じられます。この演奏は目を閉じて聴くべし。(苦笑)
シュナイダーハン盤は海賊版?音も悪くコメント無しとします。ヨッフムとBPOで録音したものを聴きたいのですが、持っていません。
●アルトゥール・グリュミオー
ベイヌム/コンセルトヘボウ(1957)
ディビスとの録音もありますが私は、このベイヌム盤だけしか持っていません。グリュミオーの音は線が細く、繊細で美しいのですが、ベートーヴェンよりグリュミオーの演奏はモーツアルトの方があっているように感じます。(モーツアルトのコンチェルトは、このグリュミオーがベストかも・・・)
●アイザック・スターン/バーンスタイン
ニューヨークPO(1959)
●アイザック・スターン/バレンボイム
ニューヨークPO(1975)
この2枚も名盤のようですが、じっくりと聴いてはいないので、あまりコメントは出来ませんが、バレンボイム盤は円熟さと風格を感じる演奏でいいと思います。
●イツァーク・パールマン/ジュリーニ
フィルハーモニアO(1980)
バレンボイムとの録音もあるようですが、私は持っていません。
この演奏は、なかなか纏まりのあるスケールの大きな演奏ですが、このCDも実はじっくりとは聴いていません。
●ジノ・フランチェスカッティー/ワルター
コロンビアSO(1961)
この演奏は、フランチェスカッティーのヴァイオリンを聴くというより、ワルターの私のライブラリーの1枚として、あるようなものです。しかし、これも古い録音ですがステレオで聴きやすく、昔はかなり人気の高い演奏だったようです。まあ普通の演奏だと思います。
●西崎崇子/ジーン/スロヴァキアPO(1988)
ナクソス・レーベルの廉価盤、可もなく不可もなく普通の演奏ですネ。
思いこみかも知れませんが、日本人では、海野義雄のCDを持っていたように思うのですが、棚にはありませんでした・・・・本当にあったのかな???・・・忘れっぽいので・・・元々無かったかも知れません。
未整理のCDが、ダンボール箱にまだまだあります。。。。(汗)
●ジャン=ジャック=カントロフ
マルバ/オランダ室内O
スケールは、どちらかというと、小さいですが繊細な演奏。小編成の室内オケというのもいいかもしれません。
●クリスチャン・テツラフ/ジンマン
チューリヒ・トーンハレO
●クリスチャン・テツラフ/ギーレン
バーデンバーデン・SWR交響楽団
この2枚、実は、まだ聴いていません。。。ジンマンの方は期待できますが、ギーレンはチョット不安・・・・
※2014/11/12 16:30 加筆投稿
コメント欄の「黄金のアンコールさん」が書かれた、このクリスチャン・テツラフ/ジンマン/チューリヒ・トーンハレのCDをやっと聴いてみました。
このCDは、SONY、RCA、ARTE NOVAで構成された60枚組のベートーヴェン全集の中の1枚です。60枚で大特価のため、つい買ってしまったBOX。
さて、演奏ですが、クリスチャン・テツラフのヴァイオリンは、多少きつく感じる所もありますが、なかなか美しい音です。私はヴァイオリンより、ジンマンのオケの音に興味をそそられました。非常にメリハリのきいたリズムのはっきりしたダイナミックな演奏です。ジンマンのベートーヴェン交響曲と演奏スタイルが同じで、このコンチェルトも新鮮さを感じる演奏でした。
●フリッツ・クライスラー/バルビローリ
ロンドンPO(1936)
これは針音が目立つSP録音の復刻盤ですが、慣れてくると何とか聴くことは出来ます。良くこの曲で演奏されるカデンツァを作曲したクライスラーの歴史的録音ですかね。古い録音からでもクライサーのテクニックは充分に聴き取れますが・・・針音で疲れます。1度聴けば充分です。
この曲1曲で、ライブラリーとして、これだけ集めると、もう購入しなくてもいいのかな・・・という感じです。・・・クレーメル、シェリング、チョン・キョンファ・・・・どうしよう・・・
でも今は・・・ボンビー爺い・・・購入は止めないと病気は治りません。。。
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では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。