■6B4Gシングル・アンプ(最終回)
 6B4Gシングル・アンプの製作について、製作計画から、使用予定の部品紹介、中古シャシーの修復方法など、5日連続で、記事を投稿しましたが、昨夜の投稿のとおり、アンプが完成しましたので、これが最終回となります。
 
このアンプは、結局、昨夜も配線作業を再開し、完成したとの投稿は、簡単にしましたが、今回は回路等と試聴の結果について紹介したいと思います。
 
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※シャーシ裏の配線の様子は、昨日の完成報告に写真を掲載しました。
   こちらです。
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■回路と6B4Gの動作について
 当初はロフチン・ホワイト回路で作りたかったのですが、やはり電源トランスのB電圧のタップが低かったので、普通の単純なCR結合の2段アンプとしました。
ただし、前にも述べたように、今回使用した中古の電源トランスのB電源容量が約120mAまでしか取り出せません。そのため、6B4Gの2本分とドライブ管の電流を考慮するとB電流が足りません。
 そこで今回はプレート電圧を多少低目に、電流も少なめに設計しました。今回の完成したアンプの6B4Gの動作を見てみると・・・・
 
Ep:230V
Ip:50mA
Eg:-40V
Rk:800Ω
RL:3.5KΩ
Pd:230V×50mA=11.5W
 
 という動作です。これは6B4Gの最大プレート損失(Pd)15Wに対して約77%という動作です。また、Ep、Ip曲線カーブから見たグリッド電圧もほぼピッタリの適正値です。多少、出力は小さくなりますが、聴感上の不満は全くありません。この動作だとアンプのB電源の総電流も約102mAなので電源トランスが熱くなることもありません。
 電源部はトランスのB電源がブリッジ整流用のため、シリコン・ダイオードと、整流管(5R4)との併用による整流としました。整流後のケミコンは350V耐圧のあり合わせのものを使用しましたが、ここは500V位の耐圧のものを使用したいところです。
 しかし、整流後のB電圧も300Vなので、これで良しとしました。整流管に5AR4を挿すと整流後の電圧は340Vとなりますが、ケミコンの耐圧がギリギリで電流も不足します。B電源のタップを20V下げると良いのですが、出力が多少大きくなる程度ですので、このまま5R4を使用します。
 また、6B4Gと6SF5のフィラメントとヒーターは共用ですが、特に問題はありません。今回はDC点火としたためかハムは全く出ません。ただ、整流後の電圧が6.3Vを多少オーバーしたために0.2Ωを入れ、6.2Vとしました。(平滑用ケミコンは4700μFのストックしかなかったので、これを使用しましたが、この容量で十分でした)
 ドライブ管はμ=100の6SF5を使用しましたが、6B4Gのバイアス電圧も多少浅くなっていますので、ドライブ不足は感じらません。6SF5のプレート抵抗は、これも、あり合わせの110KΩを使用しましたが、ここは、もう少し高い値の抵抗の方が良いかも知れません。
 また、カップリング・コンデンサは、フィルム・コンを使用したかったのですが、持ち合わせが無く、400V0.1μFのオイル・コンとしました。
 
■回路図です
 
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このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
試聴の結果ですが、同じ特性の2A3とは、だいぶ異なるように感じます。使用した出力トランスが小型の普及品だったためか、2A3より音が明るいように私には感じました。NFBはかけていませんし、小型トランスなのでカマボコ特性のように聴こえますが、とても聴きやすい音だと思いました。もっとコアボリュームのあるトランスを使用すれば、さらに良い音になるでしょう。
 
・・・・・・ひとりごと・・・・・・
最後に、お金をかけない「0円アンプ」を目標としましたが、6B4G用のバイアス抵抗に使用する抵抗のストックがありませんでしたので、この抵抗1.6KΩ(5W)を4本購入したので・・・・・0円では完成出来ず、残念。抵抗代60円/本×4=240円(税込259円かかっちゃいました。
 
■関係記事
■6B4Gシンクル・アンプの完成の報告
このアンプのシャーシ裏の配線の様子の写真は、こちらのアンプ
完成報告の投稿記事に掲載しました。クリックすれば繋がります。
 
 ■6B4Gシンクル・アンプの製作(3)
  (中古シャーシの修復とトランスカバー)
 
■6B4Gシンクル・アンプの製作(2)
     (使用部品と回路設計等について)
 
■6B4Gシンクル・アンプの製作(1)
  (製作計画と6B4G真空管コレクション)
 
【関連記事】
■EL34/6L6-GC/6B4G 兼用シングル・アンプ
イメージ 5
 なんとEL34アンプなのに、今回の
6B4Gも使用可能という、コンパチブ
ル・アンプです。記事はこちらです
EL34/6L6系アンプの書庫内に記
事があります。
 クリックすれば記事に直接、繋がり
ます。ご参考下さい。
  
■KIYOさんの6B4G
ロフチン・ホワイト・シングル・アンプ
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 では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。