■マーラー 「大地の歌」について
※2014/11/05:一部追加投稿
この曲は、交響曲「大地の歌」となっていますが、交響曲の範疇に入るのかと疑問を持つ曲ですが・・・元々、第9番にするところをベートーヴェンなど多くの作曲家が第9番までの作曲で亡くなっていることから、マーラーは嫌い、番号無しの交響曲「大地の歌」にしたとの事ですが・・・・結局、マーラーも次の9番で亡くなっています。
そんな話もあるようですが・・・・私が大学1年の時、初めて聴いたマーラーの曲が、この「大地の歌」でワルター/ウィーンPOとの1952年録音のモノラルのデッカのLPレコードでした。しかし、この選択がまずかった??
当時、何も分からずに評論家の宇野功芳さんの評論を読んで、飛びついたのですが、何ともこの曲は私にとっては聴くのが苦痛でした。初めからこの曲を聴いてしまったので、今でもマーラーの曲が苦手なのかも知れません。
今、思うと交響曲第1番や4番から聴き始めていたら、マーラーがもっと好きになったかも知れません。何故、私にはマーラーの曲が聴いていて長く感じるのか分かりません。ブルックナーの8番なども長いのですが、聴いていて苦痛というか長い時間とは感じません。
やっと最近になってマーラーも少しは聴くようになり、第9番などの良さが少し分かってきた感じです。それでも、まだマーラーは、なじめません。
そんなマーラーの曲ですが、この曲は、最初に聴いたマーラーでもあり、「大地の歌」は時々、取り出し聴くことがあります。私のこの曲のライブラリーは、次の10枚で、決して多くは無いのですが紹介します。
●ブルーノ・ワルター指揮/ウィーンPO(1938年)
ケルスティン・トルボルク/チャールズ・クルマン
●ブルーノ・ワルター指揮/ニューヨークPO(1948/01/18ライブ)
キャスリーン・フェリアー/セット・スヴァンホルム
上記のこの2枚はワルターのSP録音。ワルターで聴くならやはり次の
2枚でしょう。

●ブルーノ・ワルター指揮/ウィーンPO(1952年)
キャスリーン・フェリアー/ユリウス・パツァーク
評論家の宇野功芳さんが、べた褒めの1枚。確かにこれは名盤。しかもモノラル録音でありながら音が非常に良く、特に真空管アンプで聴くと非常に良い音で聴くことが出来ます。(この録音はLPのアナログの方が良い音に感じます)
この頃の50年代のデッカのモノラル録音は、ステレオ録音でなくても不満なく聴けるものが多くあります。
特に第1楽章の音の素晴らしさは驚きもあります。
さて、演奏ですが・・・・確かに良い演奏で特にウィーンPOの管楽器が素晴らしい音です。しかし、独唱者の個性が強い演奏です。特にフェリアーの声は発声に癖みたいなものを感じてなりません。

●ブルーノ・ワルター指揮/ニューヨークPO(1960年)
ミルドレッド・ミラー/エルンスト・ヘフリガー
晩年の録音ですが、コロンビア響ではなく、ニューヨークPOとの録音。古い録音ですがステレオで、音もいいです。
でも、この曲をじっくりと聴くならば、私はクリスタ・ルートヴィヒが好きです。ルートヴィヒの歌うマーラーは感動的で、彼女の歌う「大地の歌」は次の4枚を持っています。
●オットー・クレンペラー指揮/フィルハーモニア/ニュー・フィルハーモニアO
クリスタ・ルートヴィヒ/フリッツ・ヴンダーリヒ

このCDはフランスのEMI輸入盤のマーラーのセットの1枚。
ここでのルートヴィヒも悪くは無いのですが・・・この後、紹介する録音の方が私は好きです。しかし、この録音の聴きものは、フリッツ・ヴンダーリヒのテノールでしょう。力強さと、声の美しさ、そして感情の素晴らしさが伝わってくる名盤だと思います。特に1楽章のヴンダーリヒの歌唱が素晴らしい。
●レナード・バーンスタイン/イスラエルPO
クリスタ・ルートヴィヒ/ルネ・コロー

バーンスタインの「大地の歌」はウィーンPOとの録音もありますが、私は持っていません。
ここでのルートヴィヒの歌唱は素晴らしいものがあります。特に6楽章の「告別」では非常に感情のこもった歌唱です。また、イスラエル・フィルですが、なかなかいい音を出しています。特に4楽章では、ティンパニの強打と共に弦(特にヴァイオリン)の音が私には美しく感動的です。

(2014/011/05追加投稿:ウィーンPOのLPレコードが棚から出てきました。右の写真です)
あとで、もう一度、聴いてみたいと思います。持っているのも忘れるくらい、マーラーは聴いていない・・・ということですね。
●ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリンPO
クリスタ・ルートヴィヒ/ルネ・コロ
この演奏は、前記のバーンスタインと同じ独唱者ですが、ルートヴィヒが素晴らしいのですが・・・・カラヤンと聞いただけで・・・私にはこの録音はなじめません。このCDは、アンチ・カラヤンでもカラヤン・ライブラリーのために購入したようなものです。カラヤンのマーラーでは、この他に4番、5番、6番、9番の録音を持っていますが・・・・1度聴いただけ。私にとってカラヤンのマーラーは、良く聴いていないので、まだ良さが分かりません。そのうち聴き直すと好きになるかも知れませんが・・・・?
ただ、色彩豊か(表現は良くありませんが・・)なマーラーのオーケストレーションを聴くのにはカラヤンもいいかも・・・・?
●カルロス・クライバー指揮/ウィーンSO (1967年ライブ)
クリスタ・ルートヴィヒ/ワルデマール・クメント
このCD、いわゆる海賊版?・・・1967年のウィーン芸術週間でのライブ録音。ここでもルートヴィヒが感情のこもった歌唱を聴かせてくれ、またライブ録音の緊張感もある程度、伝わってはきますが、モノラルでオーケストラの録音が悪いのが残念です。正規盤もあるようです?が、あらためて購入するほどではありません。
●ハンス・シュミット・イッセルシュテット/NDR(1964年ライブ)
ナン・メーリマン/フリッツ・ヴンダーリヒ
この「大地の歌」も、海賊版的?なCD。モノラルです。フリッツ・ヴンダーリヒのライブ録音ということで飛びついたCD。しかし特にこのCDは、録音が粗悪・・・・・ヴンダーリヒはここでは、緊張感もあり良いのですが、フリッツ・ヴンダーリヒの歌唱を聴くなら、やはり前述のクレンペラー盤でしょう。
やはり、何枚かあらためて聴き直すと、クリスタ・ルートヴィヒのマーラーは素晴らしいと感じました。この「大地の歌」以外でも「亡き子をしのぶ歌」などでも素晴らしく感情のこもった名唱を聴かせてくれます。
【関連投稿記事】
この書庫の中に次の投稿記事があります。下記のアドレスにクリックすれば繋がります。
■ブルーノ・ワルターのモーツアルト交響曲
■バルビローリのシベリウス交響曲全集
■大指揮者?のベートーヴェン交響曲全集
■ネヴィル・マリナーのベートーヴェン交響曲全集
(86種類目のベートーヴェン交響曲全集です)
■マーラーの交響曲全曲
■ルドルフ・ケンペのブラームス
■カラヤンのブルックナー交響曲
■オイゲン・ヨッフムのブルックナー交響曲
■ギュンター・ヴァントのブルックナー交響曲
■カラヤンのベートーヴェン交響曲全曲のライブラリー
■マタチッチのブルックナー交響曲
■クナッパーツブッシュのブルックナー交響曲
■フルトヴェングラーとカラヤンのベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」
■カール・シューリヒトのブルックナー交響曲
■ブルックナーの交響曲第7番、8番、9番(朝比奈隆指揮)
■チャイコフスキーの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■シベリウスの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■ブラームスの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■モーツアルトの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
■ベートーベンの交響曲の名盤・名演奏は、こちらです。
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。