■あひる会合唱団第52回定期演奏会
先日の10月26日(日)に茨城県日立市の日立シビックセンター音楽ホールで行われた「第52回あひる会合唱団定期演奏会」に久しぶりに電車に乗って行ってきました。

あひる会合唱団は、1951年(昭和26年)に「水戸市民合唱団」として誕生し、1953年に「あひる会合唱団」に改称され、今年で創立64年を迎える日本でも数少ない長い歴史を持った、一般のアマチュア混声合唱団です。
団員は現在、プログラムの名簿では44名。おもな活動は年1回開催する定期演奏会の他、茨城県内や水戸市の合唱祭への参加など、地域での活動が中心ですが、過去には全日本合唱連盟主催の合唱コンクール全国大会に7回出場し、1992年には銀賞を受賞しています。
また、東京の聖カテドラル教会や、海外(韓国)での演奏会などの実績があり、日本の合唱界では、かなり有名な団体です。
この合唱団はポピュラー・ソングや邦人作曲家の合唱組曲など、幅広い演奏をしますが、15世紀から16世紀にかけてのジョスカン・デ・プレ、モンテヴェルディ、ビクトリア、パレストリーナなどのルネサンス音楽のポリフォニーを得意とする他、モーツアルト、シューベルト、ケルビーニ、グノー、フォーレなどのミサ曲や、イギリスの現代作曲家のジョン・ラターのレクイエムなど宗教音楽では素晴らしいハーモニーを聴かせる団体です。
50年以上も指導されてきた常任指揮者のS氏が勇退され、現在はU氏が常任指揮者となっています。詳しくは、こちらの「あひる会合唱団ホームページ」をご覧ください。団員の募集もしています。
■今回の定期演奏会
今回の定期演奏会ですが、曲目を紹介すると・・・
第1ステージ
●モンテヴェルディ作曲 マドリガル 「波はささやき」
●ジョスカン・デ・プレ作曲 モテット 「慈しみの元后」
第2ステージ
●混声合唱のための宮崎駿アニメ名曲集 寺島陸也 編曲
「となりのトトロ」より、「虹の豚」より、
「もののけ姫」より、「天空の城ラピュタ」より
第3ステージ
●ビクトリア作曲 ミサ「めでたし、海の星」より
キリエ
グローリア
アニュス デイ
第4ステージ
みなづきみのり作詞 北川昇作曲
混声合唱組曲 「まだ見ぬあなたへ」
全ステージの演奏をきいてみると、やはりこの合唱団の特徴とも言えるルネサンス音楽のハーモニーは格別です。毎年、この団体の定期演奏会を聴きに行きますが、アマチュアでありながら、これほどまでに研ぎ澄まされた演奏は、なかなかプロの演奏でも聴くことが出来ないかもしれません。
この合唱団は、前記のように60年以上の長い歴史を持った合唱団で、全国でも、これだけ長い歴史を持つアマチュアの合唱団は、ほとんどありません。音楽の楽しみ方の変化や、少子化に伴う学校におけるコーラス部の衰退などで、日本の合唱人口は減少するばかり。
アマチュアの合唱団が消えていく運命みたいな感じを強く受けます。(実際に多くの合唱団が消えています)
この合唱団も団員の「年齢層は20歳から70歳代で幅広く」・・・とプログラムには書いてありますが、ステージを見た感じでは、若い方は2、3人で60歳代が多くみられるような感じです。この合唱団もあと何年持つのだろうか・・・・と考えてしまいます。実際、日本の一般のアマチュア合唱団は10年後には全て消滅する・・・と、危機感を持っている合唱関係者や合唱ファンが多いことは事実です。(私もその1人です)
長い合唱経験者として今後、再び日本の合唱人口が増えていくことに期待したいと思う、この頃です。
追記:私自身は、今でも幾つかの合唱団から入団のお誘いがあるのですが、心臓病などの健康上の理由で、特別出演みたいな感じで時々、記念演奏会などの1ステージのみに出演させて頂いている程度です。
【参考記事】
同じ書庫内に下記の投稿記事があります。下記をクリックすれば
記事に繋がります。
■ブロムシュテット指揮/NHK交響楽団定期演奏会
(チャイコフスキー交響曲第4番 他)
■小林研一郎指揮
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団演奏会
(チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」他)
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第90回定期演奏会
(ベートーベン交響曲第7番)
■小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団 第89回定期演奏会
(ベートーベン交響曲第4番)の感想記事は、こちら・・・・
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。