■シューベルトの6曲のミサ曲と「ドイツ・ミサ」
・・・・楽譜の紹介とCDの紹介・・・・・
シューベルトといえば、短い生涯で、多くの歌曲や交響曲を作曲していますが、通常のラテン語による6つのミサ曲をはじめ、スターバト・マーテルなど、かなりの数の宗教音楽を残しています。6つのミサ曲は次のとおりです。
・ミサ曲 第1番 ヘ長調 D.105
・ミサ曲 第2番 ト長調 D.167
・ミサ曲 第3番 変ロ長調D.324
・ミサ曲 第4番 ハ長調 D.452
・ミサ曲 第5番 変イ長調D.678
・ミサ曲 第2番 ト長調 D.167
・ミサ曲 第3番 変ロ長調D.324
・ミサ曲 第4番 ハ長調 D.452
・ミサ曲 第5番 変イ長調D.678
・ミサ曲 第6番 変ホ長調D.950
この中でも特に、最後の年のミサ曲第6番は、魅力があり、カール・ベームは映像で全曲残していますし、クーベリック、ジュリーニも録音を残しています。
私、個人としては、長く所属していたアマチュアの一般合唱団で、第2番ト長調の全曲を歌った経験があるせいか、このト長調のミサ曲にも思い入れがあります。この曲も魅力あるミサ曲です。
これらの6曲のミサ曲については、機会があれば、紹介したいと思います。
実は、シューベルトのミサ曲には、もう1曲あります。それが、これから紹介する「ドイツ・ミサ曲 D.872」です。
この曲はドイツ語で書かれたミサ曲で歌詞も通常のミサ曲の歌詞ではありません。そのために教会で歌われたミサ曲ではなく、コンサート用の曲として普及したようです。
同じドイツ語で書かれたブラームスの「ドイツ・レクイエム」のような重々しいものではなく、また、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」のような重厚な曲でもありません。とても旋律の美しい魅力のあるミサ曲です。
この「ドイツ・ミサ」は、最初オルガンと合唱のために作られ、後に木管(オーボエ・クラリネット・ファゴット)、金管(ホルン・トランペット・トロンボーン)とティンパニが加えられましたが、ヴァイオリンなどの弦楽器は使用されていないという、少しめずらしいミサ曲です。何故、このような編成にしたのかは、私は全く分かりません。
また、このミサ曲は、アマチュアのグリークラブなど男声合唱では、かなり有名で良く歌われていますが、この無伴奏の男声合唱版の編曲は、シューベルト本人による編曲か、別人による編曲かは、分かりません。
この男声合唱で良く歌われたために、この曲が知られるようになったようです。但し、この男声合唱版の歌詞は、かなり歌詞が短く省略されていて、演奏時間も短くなっています。この曲は、各曲とも非常に短い旋律で書かれていて、1番の歌詞、2番の歌詞、3番の歌詞・・・というように同じメロディーが何回も繰り返すため、録音によっては全詩が歌われずに、カットされている録音がみられます。
私は、大学の合唱団時代に、副指揮者として、この曲の中の何曲かを指揮した経験があるため、非常に思い出もある曲となっています。(因みに私は農学部卒業で.音楽学部などではありません)

右の写真は、たまたま30年程前に、東京の日本楽器の楽譜売り場で見つけ購入した、ブライトコップフ社のこの曲のスコアです。
ご参考に1曲目の「入祭唱(Zum Eingang)」をコピーしましたので、末尾に添付します。このスコアで分かるように弦楽器は全く使用されていません。非常に美しいメロディーです。
さて、この「ドイツ・ミサ曲」の私のライブラリーですが、LPもあるのですが、ここではCDのみの紹介です。(全て輸入盤のため対訳がありません。興味のある方は、末尾に対訳が見られるアドレスを書いておきます)
曲の内容は、次の構成になっています。
1.入祭唱(Zum Eingang)
2.栄光の歌(Zum Gloria)
3.福音書と信仰告白
(Zum Evangelium und Credo)
4.奉献(Zum Offertorium)
5.聖なるかな(Zum Sanctus サンクトゥス)
6.聖変化の後で(Nach der Wandlung)
7.主の祈り(Das Gebet des Herrn)
8.神の小羊(Agnus Dei アニュス・デイ)
9.終祭の歌(Schlußgesang)
■私のライブラリーCDの紹介

●カール・フォルスター指揮
ベルリン交響楽団、
ベルリン・聖ヘドヴィヒ・カテドラル 合唱団
このCDはグノー作曲の「聖チェチーリアの荘厳ミサ」とのカップリング。
この「聖チェチーリアの荘厳ミサ」も素晴らしい曲です。
4枚紹介する中では、最も安心して心地良く聴ける、素晴らしい演奏だと思います。

●ブルーノ・ヴァイル(指揮)
エイジ・オブ・インライトゥメント管
弦楽団
ウィーン少年合唱団
ウィーン少年合唱団
コルス・ヴィエネンシス、ウィーン 少年合唱団員(B-Sp&B-A)
イェルク・ヘリンク(T)、ハリー・フ
ァン・デル・カンプ(B)
このCDは第1番から6番までのミサ曲全曲も含んだ全集の中の1枚。
少年合唱団が歌っているためか、とても清らかな演奏ですが、少し物足りなさを私は感じます。

●ヘルムート・コッホ指揮
ベルリン放送交響楽団
ベルリン放送交響楽団合唱団
このCDには、ハイドンの「4つのホルンと弦楽のためのカッサシオンニ長調」とベートーヴェンの「合唱幻想曲」がカップリングされています。
この演奏は、たんたんと素直に進んでいく歌い方で、クセがありません。

●シュミット・ガーデン(指揮)
ブレザー・オーケストラ
テールツァー・クナーベンコール
このCDは第1番から6番までのミサ曲全曲も含んだ全集の中の1枚。
しかし、私は、聴いたことの無い団体の演奏です。この演奏も少年合唱団によるものですが、全詩とも全くカットされていないため、演奏時間が40分もかかっています。
コーラスに所々、少し荒いところもあり、男声部が弱く感じますが纏まりのある演奏です。
※2014/10/25 23:00追加投稿
この曲では、下のSL-Mania さんのコメントにもあるように、サヴァリッシュの演奏したCDがありますが、私は持っていません。これは聴いてみたい1枚ですね。サヴァリッシュのシューベルトのミサ曲では、4番、5番、6番の3曲は、私のライブラリーとして持っています。
※2018/09/21 追加投稿
サヴァリッシュのシューベルトのミサ曲全曲をはじめ、サヴァリッシュ指揮による「シューベルト宗教音楽曲集」CD11枚組を購入しました。

■スコアから1曲目の紹介と歌詞の対訳
ご参考に第1曲目を楽譜で紹介します。非常に短い曲ですが、とても美しいメロディーですね。


●歌詞の対訳は、下記のアドレスから見る事が出来ます。
では、今日は、このへんで・・・・・・HIROちゃんでした。