■ミュージカル映画 「シェルブールの雨傘」
   ミシェル・ルグラン指揮 
 フォーレ&デュリュフレの「レクイエム」
 
■ミュージカル映画「シェルブールの雨傘」
 
 今回は、ミュージカル映画紹介の2回目です。
 この映画を初めて見たのは、1970年、当時、学生時代に東京に数多くあった「100円映画館」いわゆる、少し遅れて上映する2番館、3番館。何回か見ましたが、今から44年前の事です。
 
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残念ながら、この映画のDVDは私のライブラリーには無く、過日、44年ぶりに借りたDVDで見ました。
 
この映画は、1964年のフランス映画。ジャック・ドゥミ監督。音楽はミシェル・ルグラン。第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したミュージカル映画です。
シェルブールという町の傘屋の娘、17歳のジュヌヴィエーブと、工員の20歳の青年ギイの結婚まで約束した恋。そこにギイに兵役の召集令状・・・アルジェ戦争によって離れ離れに引き裂かれ、互いに愛し合いながらも、最後は再会するも、すでに遅し・・・お互い別々の道を歩いて行く・・・悲しい恋の物語。
映画の最初の字幕での上から見たシェルブールの人々の傘のシーン、そして、「雪の降りしきるガソリンスタンドでの2人の偶然の再会・・・そして・・・別れ・・・」ラストシーンは、何とも印象的で、いつまでも心に残る映像です。
 
 このミュージカル映画は、すべての台詞にメロディーがつけられ、語りが一切ありません。全編、歌とレチタティーヴォ的なセリフで歌が途切れることなく、歌によってストーリーが進行していく、という形式の完全なミュージカルです。(最近では、「レ・ミゼラブル」がそうでした)
主演は、美しい女優、カトリーヌ・ドヌーブ。しかし全て、クチパクで、歌はダニエル・リカール­が吹き替えています。フランスでは有名な歌手のようです。
また、他の役者も、この映画ではクチパクの吹き替えです。しかし、全編が歌で進行するために、それほど違和感はありません。
ミシェル・ルグランの哀愁のあるメロディーが流れ、涙を誘います。
 
そんな、映画音楽で有名なミシェル・ルグランですが、なんと彼の演奏(指揮)するクラシックの曲があったのです。それが、つぎの曲です。
 
■ミシェル・ルグラン指揮
  フォーレ&デュリュフレ「レクイエム」
 
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 まずは、映画音楽のミシェル・ルグランが指揮をしたクラシック、フォーレの「レクイエム」とデュリュフレの「レクイエム」の録音があることに驚きました。右のCDです。
 
フォーレ&デュリュフレ:レクイエム
【演奏】
バーバラ・ボニー、ジェニファー・ラーモア、トマス・ハンプソン
ミシェル・ルグラン(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団、アンブロシアン・シンガーズ
 
  驚いた・・・といっても、ルグランは、フランス人の作曲家、したがって同じフランス人作曲家のフォーレやデュリュフレを指揮しても不思議ではありませんが、映画音楽と宗教曲のレクイエム・・・何かピンときません。ルグランは、映画音楽だけかと思いましたが、クラシックの指揮やジャズのピアニストもやるようです。
 このCDは日本国内でも販売されていたことを最近知りましたが、これは輸入盤です。
 フォーレの「レクイエム」が非常に好きなので、新しいのを見つけると、ついCDを買い求めてしまい、現在は20種類以上のCDを持っています。たまたまレコード店で見つけたもので、あの、「シェルブールの雨傘」のミシェル・ルグランが指揮する、フォーレ「レクイエム」ということで興味半分で購入したものです。
 聴いた感想と言えば・・・? 
デュリュフレの「レクイエム」は、それほど違和感はなく、まずまずの演奏。しかし、聴きなれている曲のせいか、フォーレの「レクイエム」は、いけません。全体的に遅いテンポで進みますが、特に「サンクトゥス」などは、引きずるようなスローな演奏で、聴いていて疲れます。コーラスは小人数でいいのですが、一度聴けば充分・・・という感じでした。あまりにもレクイエムとして、意識し過ぎてテンポが、かなりスローになったのかも知れません。
 しかし、同じフランス人のフォーレ&デュリュフレの「レクイエム」という点では、聴く価値はあると思いますが、私にとっては、何度も取り出して聴くCDではありません。
 この曲を聴くなら・・・・下記の投稿をご覧ください。私のお薦めのフォーレの「レクイエム」です。
 
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では。今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。