■テレビ管6M-HH3を使用した
コントロール・アンプ
今回は、テレビ用真空管、6M-HH3を使用したコントロール・アンプを紹介します。まずは、このアンプの姿から。。。。リード社の汎用ケースに組み込んだコンパクトなコントロール・アンプです。

6M-HH3と言う真空管は、オーディオ用の球ではなく、テレビ用周変中μ双3極管。元々、発振混合双3極管です。
7ピンのMT管ですが、カソードは1つで共通です。2つのユニットは同じ特性ですが、何故かこの真空管の規格表を見ると、「ユニット1を混合用に、ユニット2を局発に使用すること」と記載されています。少し前の6J6と同じような球です。
この6M-HH3と言う真空管の魅力はμ(増幅率)が38という中μ管であること。そして静特性としてEp(プレート電圧)100Vの場合、Ip(プレート電流)が11mA、そしてrp(プレート抵抗)が5.1KΩと低いので、これはオーディオ用としても使用できると、にらんだのです。
この真空管はかなり前ですが、秋葉原でジャンク品として他のテレビ用真空管や6AR5のようなラジオ球と共に2、30本がビニル袋に詰められ1袋300円で売られていました。
いま、使用しているテレビ用の球や、6AR5、6AQ5、12R-LL3などの中古品の多くは、このジャンク品として購入した物が多いです。
つい3年ほど前だと思うのですが、秋葉原のK店で、この6M-HH3の東芝製の新品が1本100円で売られていたので、10数本全て買ってきました。
さて、アンプの回路ですが、シンプルな回路をモットーとする私としては、かなりこっています。なんと「高音」「低音」用の音質調整回路がついています。何台かあるプリ・アンプ等で音質調整回路がついているのは、これ1台だけです。
しかし、この回路は元々は無く、「必要ないけど、付けてみるか・・・」と言う感じで後から追加した回路。もし必要なければカット出来るように切替スイッチと音質調整用のボリュームと配線は、ケースの裏側(背面)に下の写真のように追加して取付ました。

結局、私としては、この音質調整は、やはり必要ありませんでした。いつもシンプルな回路で設計しているためか、この複雑?な回路により、音が少しボケてしまいました。
■回路図です。
6M-HH3はパラ接続とし、回路図でも分かるようにEp80V、Ipは10mAと、たっぷり電流を流しています。なお、入力ゲインがコントロールアンプとしては高感度のため、カソードのバイアス・コンデンサのケミコンは省略しました。カソード・ホロワー出力ではなく、プレート出力ですが、6M‐HH3の内部抵抗が低目のため、これで良しとしました。
なお、B電源部の平滑ケミコン容量が少なめですが、トータル電流も20mAと少なく、ハムも出ないので追加してません。もう少し容量は大きい方がいいかもしれません。

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
音については、私の腐った駄耳では、あまり良くわかりませんが、私にとってトーン・コントロール回路の必要のないことだけは分かります。電流をたっぷりと流しているためかどうかはわかりませんが、芯のあるしっかりとした音のような感じに聴こえますが、これも単なる自己満足。
今回は、テレビ用真空管を使用したコントロール・アンプを紹介しましたが、ジャンク品のテレビ球にはオーディオ用として使用できる球がたくさんあります。たまにはジャンク箱の中を見て、お宝を探してみてはいかが・・・・
【参考記事】
同じ書庫内に下記のプリアンプの記事があります。
画面の下に確認できないときは下記のアドレスをクリックすれば直接
記事に繋がります。
■コンパチブル・コントロール・アンプ
■12AU7/5814/5963コントロール・アンプ
6AR5/6AQ5コントロール・アンプ
■CR型イコライザー・アンプ (2台分)
■12AX7A ― 12AU7A プリアンプ(NF型イコライザー回路採用)
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。