■ルロイ・アンダーソンの音楽
・・・アンダーソンの「ピアノ・コンチェルト」があったんだ!・・・・
「ルロイ・アンダーソンという、アメリカの作曲家の名前を知っていますか?
と聞かれたら、ほとんどの方が、聴いたことが無い。。。分からない。。。と答えるでしょう。
でも、アンダーソンの曲は、誰もが必ず、聴いたことのある曲があるはずです。
何気なくラジオから流れてくる楽しいメロディー、学校の運動会のBGMの定番の「フィドル・ファドル」、クリスマス時期に、あちこちで聴こえてくる「そりすべり」などなど・・・、アンダーソンの曲は、誰もが自然と耳にしているはずです。
彼の代表的な曲名を挙げるとすれば・・・・・
●シンコペイテッド・クロック
●タイプライター
●トランペット吹きの子守唄
●ジャズ・ピチカート
●ブルー・タンゴ
●フィドル・ファドル
●ワルツィング・キャット
●プリンク・プレンク。プランク
●そりすべり
などなど、いずれも軽快で、とにかく楽しいポップス・オーケストラ。。。。。
特に「シンコペイテッド・クロック」「タイプライター」「トランペット吹きの子守唄」「フィドル・ファドル」などについては、誰もが一度は、聴いたことがあるでしょう。あらためて聴けば「あ~この曲か~」と思いだすはず。
私は、このアンダーソンの曲が、とにかく大好きでたまりません。
ウィキペディアによると、「ほとんどの作品はアーサー・フィードラーの指揮するボストン・ポップス・オーケストラによって紹介され、映画音楽で知られる、作曲家ジョン・ウィリアムズは「アメリカ軽音楽の巨匠」と評している。」と書かれています。
私のライブラリーではアーサー・フィードラーの指揮するボストン・ポップス・オーケストラや、LPでは、アブラヴァネル指揮/ユタ交響楽団の演奏などがあるのですが、ここでは、彼の自作自演のアルバムと、レナード・スラットキン指揮/BBCコンサート・オーケストラの、シリーズCDを中心に紹介したいと思います。
CDは、みんな同じ曲が多くダブっているにも関わらず、かなり集めましたが、数年ほど前に、廉価盤でもあるナクソス・レーベルから、レナード・スラットキン指揮/BBCコンサート・オーケストラで、シリーズとして、5枚のアルバムが連続して発売されたので、これを購入しました。
このCDでは、勿論、彼の代表作品である、軽快な曲が数多く収録されていますが、「ピアノ協奏曲」や「弦楽オーケストラのための“キャロル組曲”」「アイリッシュ組曲」の他にブルータンゴ、忘れられた夢、舞踏会の美女では「歌付のヴァージョン」まで収録されていて、興味深いシリーズになっています。
アンダーソンの曲は、ポップス・オーケストラの定番レパートリーとして今でも、演奏され続けている名曲が多いのです。
■アンダーソンの自作自演盤

この2枚組のCDアルバムは、彼の生誕90周年を記念してビクター・エンタテイメントから1998年に発売された国内盤でアンダーソン指揮の自作自演盤です。残念ながらオーケストラ名の表記がありません。
このアルバムでは、シンコペイテッド・クロック、タイプライターなどの有名曲は勿論、彼の代表作47曲が収録されています。有名な「タイプライター」や「ジャズ・ピチカート」など他の指揮者と比べると、ややテンポが早い演奏です。「ジャズ・ピチカート」はピチカートがうまく揃っていない部分もありますが、楽しい演奏です。
注目は、アイルランドの民謡を編曲、オーケストレーションをした「アイリッシュ組曲」が収録されていること。残念ながら、この組曲5曲は、モノラル録音ですが、軽快な曲が多く、また、この曲の中の「ラスト・ローズ・オブ・サマー」は、日本では「庭の千草」として親しまれている曲。ここでは美しいオーケストラにヴァイオリン・ソロでメロディーが奏でられます。
さらに終曲の「ガール・アイ・レフト・ビハインド・ミー」はジョン・フォード監督のアメリカ映画「軽騎兵」でも使用されていたとのこと。
■レナード・スラットキン指揮/BBCコンサート・オーケストラ
「ルロイ・アンダーソン オーケストラ・ミュージック第1集~第5集」
この5枚の演奏、どちらかというとポップス調ではなく、真面目なクラシック音楽的な演奏が目立ちます。そのため曲によっては、楽しさがイマイチ伝わってこない曲もありますが、このアルバムでは、彼のめずらしい曲が多く収録されているのが魅力です。曲が多いので全曲の紹介は出来ませんが、聴きどころを。。。。。
、
●第1集

ここでは、ブルータンゴ、フィドル・ファドルなど14曲の他に、1953年に作曲した「ピアノ協奏曲ハ長調」を聴くことが出来ます。20分程度の短いコンチェルトですが、1楽章は流れるようなメロディーで始まるアレグロ・モデラート。なかなか美しいメロディーです。2楽章も親しみのあるメロディーのとてもきれいなアンダンテ。3楽章は、小太鼓のリズムから始まる、軽快なアレグロ。どちらかというと、構えて聴くようなコンチェルトではありませんが、全曲を通して聴くと一種の清涼剤?のような清々しい気分になります。
●第2集

ここでは、「忘れられし夢」や「ジャズ・ピチカート」のような有名曲もありますが、「沸騰するヤカン」「2つの左足のマーチ」など、初めて聴く曲もありました。2集では16曲が収録されていますが、「弦楽オーケストラのための“キャロル組曲”」が非常に親しみやすく、美しいメロディーばかりの曲です。スラットキンの演奏は、非常に気持ちの入った好演だと思います。
この曲も清々しい気持ちになる曲です。
●第3集

ここでは、めずらしい曲もありますが、「プリンク・プレンク・プランク」「サンド・ペーパー・バレー」「サラバンド」といった有名曲が多くなっています、
18曲が収録されています。
中には「マクドナルドじいさんは農場を持っていた」などという楽しい曲もあります。この曲は誰が聴いても一発で・・・ああ、あの曲か・・・と分かる楽しい曲です。もう少しおどけて演奏しても面白いかも。。。少し真面目すぎかな?・・でも楽しい。。。。
●第4集

ここでは、20曲を収録。聴きものは「アイリッシュ組曲」と、「スコットランド組曲」特にスコットランド組曲の2曲目などは、とても親しみのあるメロディー。
また、有名な「ブルー・タンゴ」「忘れられた夢」「舞踏会の美女」を「歌ヴァージョン」で、興味深く聴くことが出来ます。ただソリストの、気持ちは、こもっていますが、発声にヴィブラートが多く、チョット残念です。
●第5集

ここでは、ミュージカル「ゴルディロックス」の抜粋、や「キャロル組曲(木管合奏版)」などを聴くことが出来ます。
ミュージカル「ゴルディロックス」は全曲ではありませんが、とても楽しく美しいメロディー。親しみさを感じる曲が多く、少し、サウンド・オブ・ミュージック」のリチャード・ロジャースの作風を思わせる曲もあります。
「キャロル組曲(木管合奏版)」は「荒野のはてに」などの聴いたことのあるクリスマス曲。オーボエなどの木管楽器の奏でるキャロルも美しいものです。
これらのCDは、まだ購入できるかどうか分かりませんが、とにかく聴いていて、これほど楽しく、美しいメロディーがちりばめられたアルバムは、それほどみあたりません。
「ルロイ・アンダーソン」・・・・・あらためて、曲を楽しんでみましょう。豊かな気持ちになること、間違いなし!
※2014/09/18 8:20 追加投稿
■ピンカス・スタインバーグ指揮/ケルン放送交響楽団

この演奏は、アメリカのオーケストラではありませんが、素晴らしい演奏です。また録音が良いため、私はアンプの試聴用にも良く使用しています。
このCDには「Blue Tango」というタイトルがついていますが、「ブルー・タンゴ」「サンドペーパー・バレー」「フィドル・ファドル」「ジャズ・ピチカート」「サラバンド」「ワルツィング・キャット」「シンコペイテッド・クロック」「タイプライター」など、正に彼の代表曲19曲が収録されています。オーケストラの質が高く、シンフォニック・ポップスを堪能出来ます。
では、今日は、このへんで・・・・・・HIROちゃんでした。