■6GA4 シングル・アンプ
(6F6/6V6/6L6三極管接続兼用)
※6GA4のコンパチブル・ロフチン・ホワイトアンプは末尾
のアドレスから訪問してください。なお、書庫のロフチン・
ホワイト・アンプ集からでも見られます。)
6GA4は、私にとって思い出のある真空管、古き昭和43年の高校生2年の時に6BQ5のシングル・アンプの次に作った、初めての三極管アンプでした。12AX7/6GA4/タンゴU-608という構成だったと、記憶しています。
6GA4は東芝だけが製造・販売した真空管、市販のメーカーアンプには使用されなかったようですので、アマチュア用?に開発されたのかも知れません。
「6BX7の片ユニットを取り出したものだ」とか「イヤ違う、それを元に開発したものだ」、「独自に開発したものだ」だのいろいろあるようですが、確かに見た目は東芝製の6BX7の片ユニットと見た目は、そっくりです。
さて、この6GA4のアンプは、10年以上前の作品です。これに使用した6GA4は、前記の高校生の時、使用した50年近く前のものです。
まずは、アンプの姿から・・・・・・

非常にコンパクトに作ってあります。・・・・と言うか・・・・
トランスも小さく、チョークも使わず、あり合わせの部品で作ったので結果的にコンパクトになっただけです。
ここで、ひと工夫・・・・少し考えると、面白いアンプが出来る・・・・
■回路について
このアンプは6GA4の他、このまま6F6、6V6、6L6系の三極管接続での動作も可能なコンパチブル・アンプになっています。
6GA4と6F6などのソケットのピン接続を見ると第1グリッドの5番(6GA4は1番ピンもG1)、プレートの3番、カソードの8番ピンが共通です。6GA4の4番ピンはNC、6F6などの4番ピンはG2(スクリーン・グリッド)で1番ピンはNCになっていますので、US(GT)ソケットのピン接続を回路図のように「1番と5番」「3番と4番」を接続しておくと、6F6などを挿した時、G2(スクリーン・グリッド)とP(プレート)が繋がり、そのまま三極管接続になります。
このアンプに使用した電源トランスは、手持ちの関係上、B電源の容量が約80mAしか取り出せません。設計基本は6F6の三極管接続の動作とします。そのために出力管のカソード抵抗を6GA4には、少し高いのですが、600Ωとし、6GA4では、電流をかなり少なくしています。この抵抗値だと、6GA4の最大出力は下がりますが、それでも出力は2W位は十分に出ますので、音量に不足はありません。また6F6/6V6の三極管接続では、約0.8W~1W位、6L6の三極管接続でも1.2W位は出ますので、これでも十分な音量で楽しむ事が出来ます。
参考までに、回路図に電圧、電流の表記がありませんが、各出力管の動作は、ドライブに12AX7使用で次のようになります。(実測値)
●6GA4
Ep:246V Ip:31.7mA Eg:-19V
Pd=7.8W
●6F6-GT/6V6-GT
Ep:250V Ip:31.7mA Eg:-19V
Pd=7.9W
●6L6-GC
Ep:240V Ip:33.3mA Eg:-20V
Pd=8.0W
と、ほとんど同じ動作になります。いずれも規格表の6F6の三極管接続の動作例と、ほぼ同じくなります。非常に軽い動作のため、なんら支障はありません。
ドライバーは、12AX7、12AT7、12AU7のどれでもOK。挿す球により、電圧配分と入力感度は変化しますが、どれでも大丈夫です。
電源部は、トランスがブリッジ整流用のため、整流管とダイオードの併用で整流しています。前述のように電流を絞って設計していますので、B電流80mA位のトランスでも差し支えありません。
なお、チョークトランスは使用せず、500Ω抵抗1本で代用していますが、三極管でも傍熱管ということもあり、ハムは全く出ません。(本当はチョークトランスを使用したいところです)

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの
試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
私は基本的に3極管アンプの場合には、シングルでもプッシュプルでも「NFB」という毒?は、もらないことにしています。多少、周波数特性や歪率などのデータが悪くても、気にしません。
個人的な考えですが、3極管アンプにNFBをかけると、私には音が引っ込みボケたように感じます。
したがって、このアンプも毒は、もっていません。小出力ですが芯のあるクリアな音を聴かせてくれます。
【参考記事】
※6GA4(6F6/6V6/6L6兼用コンパチブル・ロフチン・
ホワイト・アンプの記事と回路図等はこちらです。
(下の写真です。出力トランスのカバーは取り外しています)
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では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。