■レギュレーター管6080を使用したプッシュプル・アンプ
 
  今回は6080を使用した、プッシュプル・アンプを紹介します。
6080はUSベースの6AS7-Gの改良球で、1つのガラス管の中に3極管が2個入っている双3極管、Pd〔最大プレート損失〕が13Wの球です。
この球の魅力は何と言ってもプレート抵抗が何と280Ωと低いことです。これは2A3の800Ωと比較してもかなり低く、内部インピーダンスの低いアンプを作る事が出来きます。
  しかし、この6080は、もともとレギュレーター管のためか、管内の2つの3極管のバラツキが大きく、放熱もすさまじく、やや使いにくい真空管のため、マニアの中には「猫またぎ球」と言って嫌う方も多いようです。
 この6080、実は「オーディオ父さんの独り言」のブログ名でおなじみのKIYOさんから、「RCAと東芝製の6080を大量に譲り受けたので、アンプ仲間にお分けしたい・・・」 と昨年の夏に連絡を頂き、タダでかなりの本数を頂いたもの。他の方は、これでアンプを作られたとの報告は頂いてはいないので、結局、この6080を使用してアンプを作ったのは、私とKIYOさんだけのようです。
 この時のKIYOさんの作られたアンプは、シングル・アンプ。このアンプについてはKIYOさんのブログで詳しく書かれていますので、そちらをご覧ください。(末尾に直接、繋がるアドレスを表記しておきますので、後からゆっくりと訪問して下さい)
 
  まずは、出来あがったアンプの写真から・・・・・
 
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実は、このアンプ、以前に紹介した東芝のHiFi用6BL8をドライブ球として製作したEL34ppアンプを全て取り壊し、ありあわせの真空管、抵抗、コンデンサを使用し、1日で組み上げたもの。(従ってアンプのレイアウトも、EL34アンプのシャーシ穴をそのまま利用したため配置が気に入りません)
その時、KIYOさんのブログで紹介していただいたアンプです。(当時、まだ私のブログは未開設)
 
■使用ドライバー管と回路図について
 
  ドライバー管は12AX7や12AU7などのオーディオ球の手持ちも少なくなってきたために、ここではテレビ球の6R-HH2のジャンク球を使用しました。ここは同じテレビ球である6BQ7A、6R-HH8、6DJ8、7DJ8等がそのまま挿し換えることが出来ます。アンプを作られる方の多くが12AX7等のオーディオ球に拘っておられる方が多く、中には欧州球のECC83などしか使わないというマニアの方もおられますが、私はマニアではないので、使われなくなったテレビ管も多く使用します。「テレビ管はオーディオ管ではないので・・・ノイズがどうちゃら、こうちゃら・・・」 と言われるマニアの方はテレビ管は避けた方がよろしいでしょう。・・・ノイズは問題になりません!使われなくなったテレビ管やラジオ管も大いにオーディオ用として利用すべき!・・・・と言うのが私のポリシー。。。。。ジャンク箱を探して、これらの球を使いましょう。。。。。
 
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このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
バラツキの多い6080ですが、幸い、頂いた球の中で完全にダメ球は1本で、後は多少、バラツキはあるものの、回路そのものも自己バイアスで片ユニット毎にバイアス抵抗とコンデンサを独立させたため、使用には特に問題はありませんでした。
 
■このアンプの問題点等と試聴結果について
  
 この内容については、KIYOさんのブログに、このアンプを紹介していただいた時のKIYOさんの投稿文を、そのまま転記することとします。
 
製作するまでの問題点。
初めにも述べたがこの球は内蔵してる2組の球の特性が揃っていない
大電流管である。それにあった抵抗類、ドライブ用の球など急には揃えることが困難だがそんな条件で製作したため完全な条件で作ることが無理であることを承知で作ったアンプだ。
「試聴してみた」
 早速試聴会をやってみた、OPTに山水のSW- 30 Zp3.5Ωで使った
これも30年以上前のものだ。かなり低域の張り出し硬さがあるが
   Zp-p5kΩにしたらまた違った音になるのではないか。
 試聴比較したのは前々回このblogで紹介した2A3sアンプでそれぞ
   の違いがあった。
さすが6080は見た目も凄くゴツイ球だが高域がもう少し出ていれば事実中域から低域にかけて芯の太い馬力のある音なのでもう少しフラット感
のある音になるであろう。
 回路図にも示したようにこのアンプはNFBがあれば基本がウイリアム
ソン・アンプなのである。
したがって本来のウイリアムソン・アンプの回路から見るとNFBをタップリ
かけてやると高域にかけて
延びのあるしなやかさが増すであろうと考える。
さらにもう一つ2段目と3段目の時定数が同程度に採られているが3倍前後に,即ちスタガリングにすると低域の柔らかさが増して聴き易くなるで
あろう。
 比較したのは2A3sアンプだが、3極管同士の比較だやはり2A3の音は高域に特徴のある優しい透明感のある音だ、好き嫌いはあるが聞く楽音
のジャンルにもより球・OPT・シングルかp-pかによっても異なる。
音楽のジャンルによってアンプを取り替えて聴くのもまた一つのイメージ
を変える方法だ。(以下省略・・・・KYOさんのブログより)
 
チョット一言・・・・
この6080は、まだ入手はしやすく、また価格も相当安い球です。興味のある方は、ぜひアンプを作ってみてください。
 
【関連記事】
■6080 低電圧動作 ロフチン・ホワイト・テストアンプ 
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こちらの投稿記事は、45 ロフチン・ホワイト・アンプ2台の紹介とあわせて
6080のロフチン・ホワイト・シングル・アンプを紹介しています。このアンプは、今回の6080ppと同時期に作ったテスト・アンプです。
  
 
■KIYOさんのブログへどうぞ・・・・
★レギュレーター管RCA6080と山水HS-5 OPTを使ったアンプ
  
★6080ppアンプ、6AS7ppアンプの制作記事です。
  
 
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。